心から反省しているのか、疑問に思った人も多いのではないか。生肉の集団食中毒で4人の死者を出し、報道陣の前で「申し訳ございませんでした」と土下座して謝罪した「焼肉酒家えびす」の社長。法律が禁止しないから事故が起きると開きなおった後だけに、なおさらだった。 しかも、売れ残ったユッケを「もったいないから」と翌日も売っていたことが発覚、責任は重大だ。土下座は通常、地面にじかに正座して手をつき、額を地面につけてわびる行為を指すことが多い。本来なら誠意は伝わるはずだが、被災地でようやくおわび行脚を続ける東京電力社長の土下座と同様、誠意の伝わらない点で甲乙つけがたい。 土下座は日本の礼式のひとつ。3世紀末、日本について書かれた中国の歴史書「魏志倭人伝」に、庶民が身分の高い人に道端で会うと「平伏して拍手を打つ」との記載がある。そのころ作られた埴輪(はにわ)にも、土下座姿をかたどったものがあるという。実に1