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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (60)

  • マゾヒスト女性はその行為を真に欲望しているのか、それとも男性優位社会の社会通念を内面化した「被害者」なのか

    私はマゾヒストであり、この男性から完全に支配されることを望んでいます、と主張する女性がいたとする。私はサディストであり、この女性を縛り、鞭打つことを「愛情行為」として実践しています、と主張する男性がいたとする。これらの行為には同意があるとしよう。これらは、いわゆる「SM」と呼ばれる実践に当てはまる。 対等な成人同士による、同意の上の行為については、それがたとえ一般的な社会通念に沿わないものであっても尊重されるべき、という考えは、現在それなりに支持を得ている。しかしそうはいっても、支配や暴力行為に対する同意については、なんとなく不安を覚えることが多いはずだ。 そもそもその同意は当に人の意思なのか。男性のほうがかなり年上で社会的地位もある場合、女性の同意は信じられるのか。そもそもどのような関係が真に対等な関係と言えるのか。人の気づかないうちに、誘導されているのではないか。そもそも、なぜ支

    マゾヒスト女性はその行為を真に欲望しているのか、それとも男性優位社会の社会通念を内面化した「被害者」なのか
  • 自民党の裏金問題に踏み込めないのも納得...日本が「森喜朗の国」になった経緯とは

    今回のAIイラスト:「日のプーチン」は柔道でなくラグビーがお好き? AI GENERATED ART BY NEWSWEEK JAPAN VIA STABLE DIFFUSION <新聞15紙を読み比べる政治ウォッチャーのプチ鹿島さんが森元首相が権力を掌握した歴史を振り返ると、ロシアのプーチン大統領もびっくりの巧妙さが浮かび上がりました> ロシア大統領選で「圧勝」したというプーチン。彼は2000年の大統領就任後、首相時代を含めおよそ四半世紀も実権を握り続けている。この事実に「まぁロシアはねぇ」とあきれた感じになる方も多いだろう。私もそうだった。でもハッと気付く。「日も似たようなものでは?」 思い出してほしい。プーチンの就任年に、日では森喜朗が首相になった。以降の日はずっと森の影響下に置かれていないだろうか。森は政界を引退したが自民党最大派閥の安倍派(旧・森派)では今も影響力を誇って

    自民党の裏金問題に踏み込めないのも納得...日本が「森喜朗の国」になった経緯とは
  • 松本人志を自分の「家族」と見なす人々への違和感

    <週刊文春が報じた「松人志の性加害疑惑」が世の中を賑わせている。ネット上ではさまざまな誤解や偏見もあるが、最大の問題は多くの人が松人志を自分の「家族」と同列に見なしていることではないか> 松人志の一件にどうしてこれほど注目が集まるかと言うと、令和6年現在の日人の価値観や日社会の目指している方向が、ありありと映し出されるからだろう。 この問題は一人のお笑い芸人の醜聞という範疇をすでに超えており、日社会の未来像にまで関わる話になっている。この件について何かを語る時、その人のお笑いに対する態度や芸能人への意識、性加害に関する見識、男女の性差についての考え方など、内面のさまざまな価値観や人間性が露呈してしまう。つまり、少々危険な話題である。 X(旧ツイッター)上は例によって過激な言葉があふれており、それだけでお腹いっぱいという人も多いだろう。コラムは良くも悪くも、それほど極端なことを

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    stonedlove
    stonedlove 2024/01/13
    「ファンだったのにがっかりです」とはならないのか
  • イスラエルはパレスチナの迫害をやめよ

    イスラエル軍の空爆を受け、犠牲者を探すガザ地区の住民(11月23日) REUTERS/Mohammed Salem <3000年来続く宗教対立という「物語」に思考停止させられてはならない。少なくとも建国以来、イスラエルはパレスチナから一方的に奪い続けてきた> 2023年10月、パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエル領内に侵入し、民間人や外国人を含む人々を1000人以上殺害し、少なくとも200人を人質にしたことを、きっかけに、イスラエルによるパレスチナへの攻撃が激しさを増している。ガザ地区に住むおよそ200万人の人々が、封鎖の強化によって料や水、電気の供給を断たれ、空爆によって死んでいく。市街戦も格化しそうな勢いだ。 この紛争を解説する日のニュースや新聞記事では、聖書の記述に基づく「民族対立」を、両者の対立の根源に置くものがみられる。イスラエルとパレスチナは3

    イスラエルはパレスチナの迫害をやめよ
  • 警察すら動かない「日本の沈黙」が助長させた...「堕ちた帝国」の進むべき道とは?

    <業界、メディア、社会全体の長年にわたる沈黙がジャニー喜多川の犯罪を助長してきた。独立機関の設立や現体制の問題など、同じことが二度と繰り返されないための施策と覚悟について> 米音楽雑誌ビルボードの東京支局長を2020年まで12年余り務めていた私は、ジャニーズ事務所の亡霊が、ハゲワシか不吉な流星のように音楽業界に影を落とすのをつぶさに見てきた。 この国でなぜ一企業が音楽業界を、ひいてはエンターテインメント業界全体をこれほど強力に支配し得たのか。この問いを発するのが、外国人音楽ジャーナリストの務めだろう。そのためには業界全体の深部、そして1人の男の生の軌跡を見つめなければならない。 日音楽事情を知っている人なら誰でも、この国ではJポップがポップミュージックの主流で、その売り上げが圧倒的なシェアを占めることを知っている。 1950年代末に誕生し、80年代頃までに不動の地位を確立したこのジャン

    警察すら動かない「日本の沈黙」が助長させた...「堕ちた帝国」の進むべき道とは?
  • 原発処理水放出、問題は科学データではなく東電の体質

    30年かかるプロジェクト、何かあったとき東電は正直に情報を明らかにするのか(8月24日、東京・東電社前の放出反対デモ) REUTERS/Kim Kyung-Hoon <福島第一原発から放出される処理水のトリチウム濃度は安全基準を満たしている─政府や国際機関は繰り返しそう保証するが、隠蔽を重ねてきた東電が今後数十年続く放出を誠実に行うとは思えない> 2023年8月24日、日政府は、現在は敷地内のタンクに溜められている福島第一原子力発電所から出た汚染水を浄化した「ALPS処理水」の海洋放出を行った。この放出については周辺諸国から懸念が出ているだけでなく、地元の漁業関係者も反対しており、これは海洋放出には関係者の合意が必要とした2015年の約束に反している。筆者は以前も、海洋放出については国や東電は2015年の約束を守るべきだと主張してきた。 いわゆる「トリチウム水」の海洋放出は全世界で行わ

    原発処理水放出、問題は科学データではなく東電の体質
  • クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』を日本で今すぐ公開するべき理由

    <原爆開発をテーマにしたこの作品を、被爆国日は当事者として評価する権利がある> 現在、世界で最も注目されている映画監督の1人、クリストファー・ノーラン監督(『ダークナイト』『インターステラー』)の最新作『オッペンハイマー』がアメリカで公開されました。7月21~23日という、最初の週末の興行収入は8250万ドル(約117億円)と、科学者の伝記映画としては例外的なヒットとなっています。 内容は、アメリカ陸軍による原子爆弾開発計画「マンハッタン・プロジェクト」のリーダーを務めた物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描くものですが、単に原爆開発のストーリーだけでなく、非常に複雑な構成が取られています。主人公の半生に加えて、後に「赤狩り」の犠牲者として追及を受けた尋問の様子、さらに彼を陥れた黒幕に対する議会の審議という3つの時間軸がモザイクのように散りばめられ、それぞれが緊張感のある対話劇にな

    クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』を日本で今すぐ公開するべき理由
  • 撃たれても倒れないロシアの「ゾンビ兵」、ウクライナ側でも深刻化する薬物問題

    ロシアが兵士に覚醒剤を投与している疑惑は以前からあるが、ウクライナの民間人の薬物問題も戦争を機に深刻化している> ・ロシア軍事企業「ワグネル」兵士が銃で撃たれても倒れないなど、覚醒剤投与の疑惑が浮上している。 ・ワグネルは疑惑を否定しているが、戦場に送り出される兵士への麻薬支給はこれまでにもあった。 ・その一方で、ウクライナ国内の薬物問題も戦争で深刻化している。 「撃たれても倒れない」「味方の犠牲をまるで気にしていない」などの証言から、ロシアが覚醒剤を兵士に投与している疑惑が濃くなっている。 「ゾンビ映画みたいだ」 ウクライナ東部のドネツク州バフムトで4月3日、ロシア軍事企業「ワグネル」の部隊が市庁舎にロシア国旗を掲げ、制圧を宣言した。しかし、その後もバフムト西部ではウクライナ軍の抵抗が続いていると英BBCは報じている。 ロシアウクライナ東部の制圧を重視し、バフムトはその主戦場になって

    撃たれても倒れないロシアの「ゾンビ兵」、ウクライナ側でも深刻化する薬物問題
  • 女性支援団体Colaboの会計に不正はなし

    無防備に街に出てきてしまった少女を救う活動がバッシング対象に(写真はイメージです) MADSOLAR-shutterstock <女性支援団体Colaboに対するバッシングやハラスメントは社会が止めなくてはならない> 昨年末から、女性支援団体Colaboへの悪意ある攻撃が続いている。Colaboは主に性暴力やDV等で悩みを抱えているティーンエイジャーの女性たちに対して、「相談事提供、シェルターでの宿泊支援、シェアハウスの運営、10代の女性たちによる活動、講演・啓発活動」などを行っているが、そのColaboが「公金」を不正に着服している「貧困ビジネス」であるなどといった根拠のないデマを公然と流され、アウトリーチ活動も妨害されているのだ。 東京都の監査結果によれば、Colaboが公金を着服しているという主張は退けられた。しかし、Colaboの会計に不正があると考えている人は未だに多く、マス

    女性支援団体Colaboの会計に不正はなし
  • 「日本再発見」「演歌も好き」英バンド「スーパーオーガニズム」を率いる日本生まれのオロノが魅せる、ならず者の音楽とは?

    「演歌も好き」英バンド「スーパーオーガニズム」を率いる日生まれのオロノが魅せる、ならず者の音楽とは? <「日から逃げた」という彼女だが、「凱旋帰国」でその思いを祖国にぶつける。ベビーフェイスに騙されてはならない。反骨のならず者の音楽とその魅力について> オロノがフロントマンを務めるSUPERORGANISM(スーパーオーガニズム。以下スーパー)は、昨年、セカンドアルバム『World Wide Pop』をリリースし、世界ツアーを敢行した。豪州、ヨーロッパ、アメリカ各地の巡業は肉体的・精神的に重圧の日々だったが、これまでにない充実感で、手応えがあったという。 「一番印象に残っているのはユタ州。住民の7割近くがモルモン教の信者という土地柄だから、大半はドラッグもやってないし、酒も飲んでないはずなのにぶっ飛んでた」 危ない場面もあったらしい。 「アメリカは銃社会で、対応を間違えると乱射事件のよ

    「日本再発見」「演歌も好き」英バンド「スーパーオーガニズム」を率いる日本生まれのオロノが魅せる、ならず者の音楽とは?
    stonedlove
    stonedlove 2023/01/12
    鈴木智彦さんにエールを送りたい気分です。いいバンドを教えてくれてありがとう!
  • 90年代韓国に実在した対北工作員の物語『工作 黒金星と呼ばれた男』

    韓国の異才ユン・ジョンビン監督が、90年代に実在した対北工作員をもとにしたフィクションであり、韓国社会を深く掘り下げた......> 韓国の異才ユン・ジョンビンの新作『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』は、90年代に実在した対北工作員をもとにしたフィクションであり、韓国社会を深く掘り下げながらも、社会性と娯楽性を両立させてしまうこの監督ならではの巧みな話術が際立っている。 その導入部では、陸軍の少佐だったパク・ソギョンが、安企部(国家安全企画部)のチェ・ハクソン室長にスカウトされ、北朝鮮の核兵器開発の実態を探るために、工作員"黒金星(ブラック・ヴィーナス)"へと変貌を遂げていく。軍を辞めた彼は、韓国に潜入している北の工作員の目を欺くために、酒を飲み歩き、借金を重ね、自己破産し、事業家に生まれ変わる。 やがて北京に現れた黒金星は、やり手の事業家を演じつづけ、北京に駐在する北

    90年代韓国に実在した対北工作員の物語『工作 黒金星と呼ばれた男』
  • クールジャパン機構失敗の考察......日本のアニメも漫画も、何も知らない「官」の傲慢

    <日のマンガ、アニメや農産品、ファッション海外に売るために政府も出資して設立されたクールジャパン機構が巨額赤字で危機に陥っている。筆者は2018年からこうなることを予想していた。むしろ問題は、こんな駄目ファンドが生まれ、今まで続いているかということだ> 破滅に向かうクールジャパン機構 11月22日付の朝日新聞で『失速したクールジャパン 政府肝入りファンドに「最後通告」』という記事が出た。要約すると第二次安倍政権の肝いりとして2013年から官民ファンドとして設立されたクールジャパン機構(以下CJ機構)が21年末の段階で累積309億円という巨額の赤字を垂れ流しており、財務省が23年度中にも機構の統廃合を検討しているようである。 予想された結果である。私は2018年、CJ機構が東南アジアにおける事業計画の一大拠点として開店させたマレーシア・クアラルンプールの「ISETAN The Japan

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  • やりたい放題のミャンマー軍事政権──国際社会はこちらの「惨状」も見過ごすな

    <軍事政権による民間人、人権団体への残虐行為が発生しているミャンマー。化学兵器使用も疑われている> 4月4日の朝、ミャンマー南東部カイン州(旧カレン州)のコーカレイ地区で暮らす住民は、激しい砲撃で目を覚ました。ミャンマー軍事政権の政府軍による攻撃だ。 17歳の少女が砲弾に当たって病院に運ばれる途中で死亡し、ほかにも4人が重傷を負った。ミャンマー南東部では、民間人に対する政府軍の執拗で激しい攻撃が続いている。 少数民族カレンの反政府組織カレン民族同盟(KNU)の軍事部門であるカレン民族解放軍(KNLA)によれば、KNLA支配地域のキェイクとパイカルドンは政府軍の戦闘機による攻撃を繰り返し受け、この1カ月でおよそ600人の住人が避難せざるを得なくなった。 ミャンマーでは、こうした痛ましい出来事が相次いで起きている。政府軍は、機関銃や高性能の兵器で民間人の居住地域を攻撃することを躊躇しない。政府

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  • 『シン・ウルトラマン』の55年以上前から「ウルトラマン」は社会問題を描いていた──「特撮」から見る戦後史|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <若い肉体を求める誘拐犯から、避難民のエイリアン、化学物質を過剰摂取した猿まで――。環境問題や東西冷戦、核開発、人口問題など、さまざまな現実の社会問題をウルトラマンシリーズは描いてきた> 『シン・ゴジラ』は、震災や原発、安全保障、政治システムといったさまざまな社会問題の暗喩としても読み取れる作品であった。『シン・ウルトラマン』ではどんな問題が提起されるのか気になるところだが、そもそもウルトラマンシリーズは子ども向け番組でありながら、「特撮」というフィルターを通して、現実の社会問題も描いてきた。物語を俯瞰すると、もうひとつの戦後史、昭和史が見えてくる。現在発売中のPen 6月号『ウルトラマンを見よ』特集から抜粋してお届けしよう。 【環境汚染】 第二次世界大戦後、日は科学によって急激に発展を遂げた。しかし同時に失ったものも大きい。自然環境である。アメリカでは1962年、生物学者レイチェル・カ

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  • ロシア軍「衝撃の弱さ」と核使用の恐怖──戦略の練り直しを迫られるアメリカ|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    ロシアウクライナ侵攻に抗議して、ウクライナの国旗色に塗られた第2次大戦中のソ連軍の記念碑(2月27日、ブルガリアの首都ソフィア) Spasiyana Sergieva-REUTERS <ウクライナ侵攻の最初の3日間でわかったことは、ロシア軍が西側の脅威にはなりえないほど弱かったことだ。しかしそれは同時に、プーチンを追い詰め過ぎると当に核兵器を使いかねない恐怖と隣り合わせになったということだ> ウラジーミル・プーチン大統領のウクライナ侵攻で明らかになったこの事実は、パラダイムシフト的な驚きをもたらし、ロシアの実力、脅威、そして国際舞台におけるロシア政府の将来に対する西側諸国の見方を一変させるだろう。 戦闘開始からわずか1日で、ロシアの地上軍は当初の勢いをほとんど失った。その原因は燃料や弾薬、糧の不足に加え、訓練や指導が不十分だったことにある。ロシアは陸軍の弱点を補うために、より離れた場

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  • ヒトラーにたとえるのは「国際的にご法度」か|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    国際ホロコーストデー(1月27日)に、ベルリンのホロコースト記念碑に献花するイスラエルとドイツの政府首脳。世界でナチスがどのように語られてきたのか、日人も知るべきだ REUTERS-John Macdougall <菅元首相が橋下元維新の会代表の「弁舌の巧みさ」をヒトラーになぞらえたことに対し、橋下は「国際的にご法度」と反発。世間からははとくに異議も出ず、元首相の失言であるかのように事態は収束したが、それでいいのか> 1月21日、立憲民主党の菅直人元首相が、Twitterで元維新の会代表の橋下徹弁護士を「弁舌の巧みさでは......ヒットラーを思い起こす」と評した。これに対して橋下徹氏は「ヒトラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度」と述べ、また吉村洋文大阪府知事は「国際法上ありえない」と反発した。維新の会は、26日、立憲民主党に抗議文を送っている。 ヒトラーにたとえて批判することが「国際

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  • ドラマ『相棒』の脚本家を怒らせた日本のある傾向

    デモは市民の重要な権利の1つだが(写真は2021年8月、東京・新宿区の五輪反対デモ) Issei Kato-REUTERS <非正規雇用の待遇問題をテーマにした人気ドラマの元日スペシャルでは、正社員との待遇格差に抗議する女性たちを戯画化し嘲笑うようなシーンが足されていた> 1月1日、TV朝日の人気テレビドラマシリーズ『相棒』の特別編『相棒season20 元日スペシャル #11』が放送された。毎回好評のドラマスペシャルで、視聴率も14%を記録したそうだ。しかし放送直後、同作品の脚家である太田愛が自身のブログを更新し、脚の意図にはそぐわない、存在しないシーンが追加されたことを告発し、話題となっている。 今作は非正規雇用の待遇問題をテーマに、格差社会・自己責任論・新自由主義思想を批判する内容だったが、追加されたシーンは非正規雇用の待遇改善を訴える市民運動を揶揄するものであった。 この改変に

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    stonedlove
    stonedlove 2022/01/06
    「市民運動をバカにする日本のフィクションと日本社会」
  • 岸田首相はDappi疑惑を放置して衆院選を戦うのか

    「聞き上手」でも臭いものに蓋をするのは同じ?(10月14日、記者会見) Eugene Hoshiko/REUTERS <自民党が野党に対するデマを広める目的で、この匿名ツイッターアカウントを利用していたとすれば、河井克行元法相が対立候補を貶める架空ブログを業者に書かせていたことに匹敵する事件だ> 10月9日、オーストリアのセバスティアン・クルツ首相が、自分に有利な報道を流すようマスメディアを買収していた疑惑が発覚し、辞任した。一方、日でも、ある企業が運営するSNSアカウントが、政権与党と通じて野党や野党議員に対するデマを流したり誹謗中傷をおこなっていたりしていたという疑惑が持ち上がっている。 マスコミを買収して自分に有利な世論調査結果を報道させる クルツ首相は、2017年に当時31才で首相に就任し、極めて若い国家指導者として話題になった。所属政党の国民党は中道右派政党だが、クルツは極右政

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  • アフガニスタン全土の制圧に向かうタリバン──女子教育は再び規制されるか

    定着しつつあった女子教育は再び抑圧されるのか(写真は2020年4月21日、コロナ禍に小麦粉の配給に並ぶアフガン女性) REUTERS/Stringer ・米軍の撤退と入れ違いに、タリバンはアフガニスタン全土で攻勢に出ている。 ・アフガン軍がこれをい止めることはほぼ不可能で、タリバンは遅かれ早かれ政権を獲得するとみられる。 ・その場合、かつてのような厳格なイスラーム支配の復活への懸念もあるが、タリバンがより現実的な方針に転換する兆候もうかがえる。 米国の撤退に合わせて、タリバンはアフガニスタン全土で猛攻を続けている。タリバン支配が復活すれば、かつてのように女の子が教育を受ける権利を制限されるのだろうか。 「名誉ある撤退」の影で バイデン大統領は10日、「アフガニスタン撤退を決めたことを後悔していない」と発言した。昨年3月のタリバンとの合意に沿って、米軍や北大西洋条約機構(NATO)加盟国の

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  • 自宅療養で人々を見殺しにすると決めた菅首相

    <菅政権は全力で国民の生命を救おうとはしていない。何もしなくても「政権は安泰」と高を括っているからだ> 8月2日、政府は新型コロナウイルスで、「中等症」であっても「症状が軽い」あるいは「重症化リスクの少ない」患者に関しては、「自宅療養」を可とする方針を出した。これまでは原則的にコロナ患者は入院、無症状や軽症の場合は宿泊施設に入るという方針で進めていたが、その方針を転換したかたちだ。 オリンピックの開会式を含む7月の4連休以降、日全体に渡って新型コロナウイルスの急増がみられ、特に東京では一日4000人を越える感染者が出ている。すでに小池百合子都知事は比較的軽症の独身者に対して「自宅を病床のようなかたちで」と「自宅療養」を勧めていた。また、今年春に大阪で感染者が急増した際、入院もホテルなどの施設に入ることもできず、自宅でほぼ放置された患者が続出した。大阪の死者数の多さは、それが一因だと言われ

    自宅療養で人々を見殺しにすると決めた菅首相
    stonedlove
    stonedlove 2021/08/05
    棄民政策絶賛実行中。俺たちは見殺しにされている。