ライブラリ API の設計手法を学ぼうシリーズの第3弾です。前回の記事はこちら。以下の教材を利用しています。 C++ APIデザイン 今回から第4章に入ります。4章は C++ での実装の話はなく、設計に入るまでの情報の収集や整理 (要するに要件分析)、および様々なレイヤーでの設計に関する議論となっています。プログラミング実習をするような内容でもないので、要点をまとめながら解釈したり考えたりしたことをレポートしたいと思います。 今回はその中でも、 4.1~4.3節の、要件分析までの内容について見ていきます。 大原則 最初のセクションに入る前の書き出しで、以下のように書かれています。これはもう、大原則ですよね… (強調は拙引用者によるものです)。 …こうしたさまざまな分析テクニックは個別に使っても組み合わせて使っても有用である。とはいえ、「自分で理解できないことは設計できない」という原則を常に