有害鳥獣用の柵に捕獲された親子のツキノワグマ=7日、岡山県美作市川上 ツキノワグマの出没が相次ぐ中、捕まえたクマを山に返す岡山県の方針に地元が不安を募らせている。美作市で7日に5頭が捕獲され、同市と奈義、勝央、西粟倉の3町村が8日、石井正弘知事に「人的被害が発生する恐れがあり、山に放さないなど抜本的な対策を」と求めた。 美作市内では、10月に入って捕獲柵(さく)にかかるクマが急増。旧東粟倉村や大原、勝田、美作町などが中心で、11月以降も3日に3頭、7日に5頭(親子クマが2組4頭、大人1頭)が捕獲された。 県内では今年度、7日までに少なくとも27頭が捕獲され、2009年度(2頭)に比べ大幅に増えている。 しかし、ツキノワグマは東中国(兵庫北西部、鳥取東部、岡山東部)で推定200頭前後しか生息せず、環境省のレッドデータブックで「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されている。このため岡