3年ぶりに通常開催された第75回カンヌ国際映画祭において、2人の日本人監督の作品が注目された。斬新な若手作品を集めた「ある視点部門」では『PLAN 75』の早川千絵監督が新人監督賞の特別表彰を受ける。そして是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』は主演ソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞。カンヌを沸かせた2人による特別対談が実現した。 ――是枝監督にとって初の韓国映画『ベイビー・ブローカー』がコンペ入り。早川監督は初長編『PLAN 75』の出品となりました。 早川:『PLAN75』を出品できたことはもちろん光栄ですが、同じ年のカンヌに是枝監督とご一緒できたのがすごくうれしいです。 是枝:僕も早川さんがカンヌ入りしたことは、本当に誇らしく思っています。僕が初めてカンヌを訪れたのは21年前の『DISTANCE』のときです。あのときは本当に何が何やらまったくわからなかった。今から振り返ると、そんなに評