たこ焼きには魔物が住んでいる。 あれほど他人が食べていると自分も欲しくなる食べ物はない。 たこ焼きを食べる時は常に細心の注意を払わなければならない。 一瞬の奢りも、一欠けらの慢心も許されない。 周りの人々が目を光らせ、奪い去ってしまうからだ。 私は、たこ焼きが、好きだ。たこ焼きを狂おしいほど愛してる。正直たこ焼きがそこにいてくれれば他に何もいらない。他人が食べていると半狂乱になる。あぁ、たこ焼き。なぜ君は今、そこにいる?いる場所を完全に間違えているだろう?。君は私の元にいるべきたこ焼きなんだ。さぁ...。 私の記憶はいつもここで途切れ、気づいたら他人の血が自分の服や手に付着している。そしてしっかりとたこ焼きのパックを手に持っている。何が起きたのか、さっぱりわからない。 私はいつもたこ焼きに思いを馳せる。外側はカリッカリだろうか。中はトロットロなのだろうか。熱々で、舌を少し火傷しそうなくらい