「予感めいたものなど、何一つなかった」。 これは東野圭吾の小説『秘密』の冒頭の一文。昨日の私もまさにそうだった。予感めいたものなど、何一つなかった。もちろん私の身に起きたことなど、『秘密』の主人公である父親に起きた悲劇と悲哀の物語に比べれば取るに足らない些事であることは間違いない。だがここに記録させてもらえないだろうか。さっきも言った様に、それは昨日の出来事だった。 ここ最近の私が忙しかったことは以前ブログにも書いたことだ。その忙しさは、すべて昨日を無事乗り越えるために費やしてきたといっても過言ではない。私は経理の仕事をしていて、今ちょうど期間の経費を策定することをしている。その期限が昨日だった。経理で弾き出した経費を元に各事業部門が年度の売上や利益計画を策定するので、期限には確実に間に合わせなければならなかった。 だから私はここ数日、遅くまで頑張っていた。普段の定時帰りが染み付いたので、