米国が、南シナ海の「航行の自由」を断固として守る決意を改めて示した。米海軍のイージス駆逐艦「ウィリアム・P・ローレンス」が10日、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島にあるファイアリークロス(同・永暑)礁で「航行の自由」作戦を実施したのだ。同作戦は昨年10月、今年1月に続き3回目。現地では、中国軍が戦闘機を緊急発進(スクランブル)させるなど、一触即発の緊迫した空気が流れた。 米国防総省によると、イージス艦は10日午前、中国に事前通報することなく、人工島から12カイリ(約22キロ)内を通過した。人工島には3000メートル級の滑走路など大規模な施設が建設されており、事実上の軍事基地となっている。米国防総省は、軍事行動を伴わない「無害通航」だとしている。 ウィリアム・P・ローレンスは、2011年5月に就役。鉄壁の防空力を誇る米艦隊「最強の盾」といわれる。全長約155メートル、全幅約20メー