Googleの書籍全文検索サービスをめぐる問題で、作家など著作権者で組織する社団法人日本ビジュアル著作権協会(JVCA)は4月30日、記者会見を開いた。 同協会は、すでに4月25日付けでGoogleの和解案受け入れに対して174人の会員が離脱を表明したことを>発表。今回改めて開催された記者会見の意図について、「日本において著作権者が集団で和解からの離脱を明確に宣言し、行動を起すのは今回が初めて」と説明している。また、4月30日時点での離脱表明会員は180人に増加したと発表した。 一方、こうした権利者側の反発の動きを受け、Google側は4月29日、和解表明期限を5月5日から9月4日に延期することを発表している。 これに対し同協会は弁護人を立て、米国の出版ルールに即した今回の和解案ではなく、ネットでの利用方法や利用料の分配について、日本の慣行に即したルールづくりを目指し、独自にGoogle側
政府の知的財産戦略本部はこのほど、デジタルコンテンツの流通促進の強化を目的に著作権法を改正する意向を固めた。6月中にもまとめる予定の「知的財産推進計画2008」で早急に解決すべき課題として提言し、2009年度以降の法改正を目指す。 知的財産戦略本部では、2008年3月に「デジタル・ネット時代における知財制度専門調査会」を設置。これまで3回の会合を開催し、ネット社会における著作権制度の役割について議論しながら、解決すべき具体的な問題点の抽出と課題の整理にあたってきた。 一方、現行の著作権法は、1970年の制定以降、逐次改正が行われてきたものの、近年の急速なデジタル化・ネットワーク化の進展により、著作権法制定当時には予想できなかった新しい事態が生まれ、今後の国際社会において我が国が競争力を強化するためには、制度の見直しが急務とされている。 具体的には、現在、サーバへの情報の収集や格納が著作権法
世間で騒がれている問題の大半は著作隣接権か著作財産権の問題なんだけど、この講演では著作人格権(の同一性保持権)の問題についても触れられています。 これ何がまずいってアレンジが一切許されないんです。もちろん替え歌なんてダメです。無許可でのパロディ行為も一切許されません。厳密に適用すると、ジャズとかアングラ音楽になってします。 ついこないだのmixiの項目にも著作人格権の不行使というのがありましたが、これもこの同一性保持権がらみの話です。 さらにまずいことに、著作人格権は他人に譲渡できません。つまり、JASRACのような著作権管理団体に委託する等の方法で運用でカバーすることができないわけですね。 商業流通でも、これくらいなら許されるだろうという暗黙の了解のもとに運用しているわけですが、無許可であることに変わりはないのでどれもこれも違法行為です。 で、グレーゾーンのまま運用していることを知らない
「著作権制度が想定していない状況に直面し、右往左往している」――東京大学の中山信弘教授が2月29日、「著作権リフォーム」をテーマにしたデジタルコンテンツ協会のシンポジウムで講演した。一般ユーザーが創作し、ネットで著作物を発表する現代に、プロを前提にした著作権制度が対応できなくなっていると指摘。著作物の流通を円滑化するための改革の必要性や、著作物を独占せず、広く共有しようという「コモンズ」の考え方などを紹介した。 中山教授は著作権法学界の第一人者で、政府の知的財産戦略本部の構成員や、文化庁傘下の文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会の座長、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事長も務める。約20分の短時間に詰め込まれた濃い内容と問題提起に、参加者は聴き入った。 19世紀の前提が時代に合わない 「19世紀の状況を前提にして構築された著作権制度が、インターネットの発展でとてつもなく大きな問題
文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会(第25回)が2月27日に開かれ、「私的録音録画小委員会」など4つの小委員会について、来期も継続して設置することが決まった。 分科会では、コンテンツ業界の最近の動向として、日本音楽著作権協会(JASRAC)が動画投稿サイトとの契約締結に向けて協議していることや、日本レコード協会が適法サイトマーク「エルマーク」運用を始めていることなどが報告され、ネット上での著作物流通について意見が交わされた。 私的録音録画小委員会、継続審議へ 著作権分科会傘下の小委員会は、毎年2~3月ごろから1年間を会期としている。来期も継続が決まったのは、「法制問題小委員会」「私的録音録画小委員会」「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」「国際小委員会」の4つ。 私的録音録画小委員会は、違法にアップロードされたコンテンツのダウンロードを違法とする著作権法改正案や、DRMが
著作権分科会私的録音録画小委員会において議論されているダウンロード違法化。これに向けた適法配信マークがようやく運用にこぎつけたようだ(日本レコード協会のプレスリリース、Q&A、AV Watch、マイコミジャーナル、ITmeida、ASCII.jp、ITpro)。 気になる内容だが、 対象になるのはレコード会社と配信契約を結んだ業者、もしくはレコード会社が配信事業を行う場合 配信といってもDL販売のみで商用ではない一般サイトはもちろん、ストリーミング配信も適用外 偽ってLマークを表示するサイトは商標権侵害でマークの使用差し止めを請求する 国内120社ほどあると思われる配信サイトのうち現在98社が加入、ただし最大手であるiTunesはまだ交渉中 となっている。 適法配信の目安にするにはあまりにも穴だらけかつ限定的すぎてダウンロード違法化の旗印にするには役者不足にもほどがある、というのがタレコミ
文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会の最終会合が1月30日に開かれ、各分科会から審議経過の報告があった。同分科会傘下で、違法録画・録音物のダウンロード違法化などについて話し合ってきた私的録音録画小委員会は「議論を来期に持ち越す」という内容の報告書を提出。ダウンロード違法化を含む著作権法改正法案の今通常国会への提出は、困難な情勢になってきた。 同小委員会はこれまで、ダウンロード違法化や、DRMの普及を前提にした補償金制度の縮小について話し合ってきた。ダウンロード違法化について、文化庁は「委員の意見がおおむね一致した」という認識だが、補償金制度の縮小では意見がまとまっておらず、来期の小委員会で継続して議論する方針だ。 文化庁は「ダウンロード違法化と補償金縮小はセットで考えている」としており、補償金縮小で委員の合意を得た上で、双方を盛り込んだ著作権法改正法案を提出する計画だ。ただ、来期の
本日はデジコン委員会の傍聴に言ってきた。AV Watchにも記事が出ているが、ネットを使ったコンテンツビジネスに関して放送局側の言い分はというと、ネットの違法アップロードが駆逐されない限り、危なくってやれるか、というニュアンスを強く感じた。それよりも、既存のインフラである放送やDVD販売といった形態と、ネットビジネスが競合するならば、やるメリットはない、ということである。 一方通信インフラ側は、積極的にネットによるコンテンツビジネスを促進していきたいが、著作権処理のリスクが大きいという。権利者側は、権利をクリアするのがリスクだという意識では、そもそも流通は無理なんじゃないか、と言う。 アジア圏ではP2Pによる映像交換が盛んで、アニメ販売市場が崩壊してしまっているという。いやだからこそ、同じ土俵で正規のネットビジネスを立ち上げなければならないと思うのだが、彼らは違法P2Pが蔓延した米国で成功
文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会の私的録音録画小委員会の最終会合(第17回)が1月23日に開かれ、著作権分科会に提出する経過報告案の文面について議論したが、結論を来期に持ち越すことを確認し、10分ほどで終了した。 報告案では「DRMと補償金の関係など一部の論点について関係者間で意見がまとまらず、今期は報告書を提出できない。来期も継続して議論する必要がある」などとまとめた。来期の小委員会は2月以降に始め、早期に報告書をまとめる方針だ。 DRMが普及すれば補償金廃止? 継続議論へ 今期の私的録音録画小委員会は2006年4月に第1回を開催し、2年後をめどに結論を出す予定だったが、一部の論点について関係者間で意見がまとまらず、議論がこう着していた。 違法にアップロードされたコンテンツのダウンロードを違法とする著作権法改正案については「反対意見はあったものの、委員間でおおむね意見一致を得
ダビング10やB-CASカードの存在に象徴される無料放送のDRM問題は、ネットでは火が付きにくい。なぜならば、ネットが直接関係ないからである。 しかし、これから放送・通信融合時代に突入するわけであるから、まんざら無関係というわけではない。さらに放送側で問題になっているのは、ネットへのコンテンツ流出である。ネット側で一方的に「オレ、テレビ見ないからー」では済まさない。これからは「インターネット」と「放送」の区別も付くかどうか怪しい人間達が、向こうから勝手に大挙してネットに押し寄せてくる時代に突入する。 1月16日に行なわれたMIAUのシンポジウム「ダビング10について考える」では、上武大学大学院教授の池田信夫氏から、B-CASカード導入の闇について語られた。ITmediaでもニュースとしてこれを伝えている(関連記事)が、残念ながらこの話を新聞各社が取り上げることはないだろう。 なぜならば日本
この1月11日に開催された法制問題小委員会のネット記事(ITproの記事、internet watchの記事)などを読んで、コンテンツ産業にとっての敵の話をする前に、国民の敵である文化庁の話をもう一度しておきたくなった。 ネット記事で、小委員会中、パブコメの形骸化を心配する委員からの発言があったとのことだが、文化庁はこれに対して何と答えたのだろうか。記事が何も伝えていないところを見ると、どうせ要領を得ない回答をしていたのだろう。 どこにおける意見にせよ、ある発言を自らの意見と違うということをもって黙殺・圧殺することこそ、文化にとって最も忌むべきことである。この文化にとっての本質を、もはや文化庁は認識していないのだろう。自由な意見交換を無意味なものした瞬間、普通の人間であれば、意見を言う気力を失うはずであり、法制問題小委員会が沈黙の支配する重苦しい空気で包まれたのも当たり前の話である。 自分
INTERNET Watchの記事が詳しいが、 音楽や映像などに関する28の権利者団体で構成される「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」が、 「Culture First〜はじめに文化ありき」の理念のもとに行動することを宣言したそうだ。 これはCISAC(著作権協会国際連合)が2006年、ヨーロッパで補償金制度見直しに抵抗して組織した活動に範を取ったもので、文化の振興が真の知財立国の実現につながること、経済の発展や情報社会の拡大で文化の担い手が犠牲にならないようにすること、知財先進国の経済発展を支えるのは市場を賑わす種々の製品だけでなく、作品やコンテンツの豊かさと多様性でもあることを強調していくそうである。これらの目標達成のため、具体的には補償金制度の範囲を拡大してiPodをはじめとする携帯音楽プレーヤーやPC、携帯電話、カーナビ、次世代DVDレコーダー・メディアなどをも補償金対象とす
左からCPRA運営委員の椎名和夫さん、JASRAC常務理事の菅原瑞夫さん、日本映画制作者連盟事務局の華頂尚隆次長 日本音楽著作権協会(JASRAC)や実演家著作隣接権センター(CPRA)など著作権者側の87団体は1月15日、「文化」の重要性を訴え、私的録音録画補償金制度の堅持を求める運動「Culture First」の理念とロゴを発表した。「文化が経済至上主義の犠牲になっている」とし、経済性にとらわれない文化の重要性をアピールしながら、補償金の「適正な見直し」で、文化の担い手に対する経済的な見返りを要求。今後は新ロゴを旗印に、iPodなども補償金制度の対象にするよう求めるなど、政策提言などを行っていく。 「文化の問題は、地球温暖化と根が同じ」 Culture Firstは、欧州の権利者団体連合「Culture First!連合」の活動を参考にして立ち上げた。 行動理念では、「流通の拡大ばか
個人的見解も混じりますが、ダビング10をめぐる動きをちょっとだけまとめてみました。 対談:小寺信良×椎名和夫(1)「ダビング10」はコピーワンスの緩和か [itmedia.co.jp] 対談:小寺信良×椎名和夫(2):「四方一両損」を目指した議論は何故、ねじれたのか [itmedia.co.jp] 対談:小寺信良×椎名和夫(最終回):ダビング10の向こうに光は見えるのか [itmedia.co.jp] この記事を読むと、問題の根本的なところがダビング10が緩和であるかどうかではなく、まともな議論がされてないままことが進んでからだということがわかります。 放送業界+JEITAで話が進んでいて、消費者はもちろんこの手の話題で権利者と呼ばれている実演家やレコード会社すらあずかり知らない。なのに、世間的には権利者の反対が強固で話がねじれてるみたいなことを言われてる、という。 もともとJEITAと権
毎日新聞の記事によれば、Winnyなどファイル交換ソフトの利用者が1年あまりで3倍近く増えていることが分かった。コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)などが約2万人を対象に行ったアンケート調査の結果、一昨年6月の調査で利用者の割合は3.5%だったのが、昨年9月には9.6%に増えていたと言う。 一方ネットエージェントの調査によると、2006年と2007年のクリスマスで比較してWinnyのノード数は6万以上減っている。アンケートと実測という調査方法の違いはあるが、ノード数が全体的に減少傾向であるにも関わらず利用者は3倍とはどういうことだろうか? このあたりの意見が正しいのかも検討したい。
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