「鮮度が良い○○ですので、生でも美味しく食べられます」 生食人気を背景に、今までは生で食べる習慣がなかった食材まで生食を売りに提供される事例が増えてきているようで、最近ではSNSでキノコの生食を推奨するような記述をみかけました。危険が既に指摘されている生レバーによる食中毒など健康を損なうおそれがあるような食べ方もいまだに見かける状況なのは、鮮度の良い食材は生で食べても大丈夫である、という誤った認識が根底にあると考えています。 このような誤解は刺身と同様、鮮度が良ければ食中毒はおこらないという発想と思いますが、新鮮であっても生で食べれば危険な食材はたくさんあります。身近にある生食が不適な食品と、新鮮であることが安全を保証しない理由を簡単に説明したいと思います。 ■身近にある生食不適な食品 これらの食品は基本的に生食不適です。新鮮であっても自然栽培でも安全ではありません。 【豚肉・豚の内臓】
ネット上で「納豆菌が強すぎて、食品業界では納豆の食用が禁止されていることがある」といううわさが話題になっています。さらには、生物界最強と名高い「クマムシ」よろしく驚異的な耐久性を持っており、過酷な環境でも死なないという話も。 この“納豆菌最強伝説”、いったいどこまで本当なのでしょうか。全国納豆協同組合連合会に取材してみました。 Togetterにもまとめ記事が制作されています 納豆菌が強すぎるから、食品業界では食用禁止にしている会社がある → 正解 同団体に話を伺ったところ、食品製造の現場で納豆がNGになっている事例は実在。Togetter上のまとめ記事ではしょうゆ工場、パン屋、さらには生物関係の研究室などで食用禁止になっていたというエピソードが語られていますが、「造り酒屋(酒蔵で醸造し、店舗で販売を行なう)では、納豆屋を出入り禁止にしている場合もある」そうです。 この理由のひとつとして挙
「牛乳」とGoogle検索すると、「牛乳は超危険!」と主張する記事が一番上にヒットすると話題です。この内容は本当なのか、ひとつひとつ検証してみました。 9月13日11時時点での検索結果 牛乳といえば健康に良いというイメージが強いですが、しばしば「むしろ体に悪い」という意見も耳にします。体に悪いとする意見(「牛乳有害説」「アンチミルク」と言ったりします)には一見信憑性がありそうなものから、陰謀論じみた眉唾なものまでいろいろです。この一番上にヒットする記事はどうなのでしょうか。 検索で最上位に表示されていたのは、サイゾーが運営するネット媒体「ビジネスジャーナル」の記事。当該記事の主張は、記事のタイトルにもある牛乳が「がん」「糖尿病」「脳梗塞」「心筋梗塞」を引き起こす可能性が高いというものです。これらの主張の妥当性について、個別に見ていきましょう。 牛乳を飲むとがんになる? ビジネスジャーナルに
なぜネコは生イカを食べると腰を抜かすのか「ネコが生イカを食べたら腰ぬかす」という言い伝えを聞いたことがありますか?これを掘り下げていくと、人間に共通する大切な情報にたどり着くことができます。ネコは生イカを食べることで体のビタミンB1が急激に分解され、足が立たない状態になる……。すなわちブドウ糖の分解速度が遅くなり、細胞のエネルギー発生が遅くなるのです。 「ネコが生イカを食べたら腰ぬかす」という言い伝えを聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。実は、おおむね本当の話です。この真実を掘り下げていくと、人間に共通する大切な情報にたどり着くことができます。 なぜ、ネコは生イカで腰を抜かすのか? 調べてみるとびっくりするメカニズムがありました。 生イカにはビタミンB1を分解する酵素(チアミナーゼ)が含まれており、ネコが生イカを食べることで体のビタミンB1が急激に分解され、足を立たせることができ
スペインの菓子パン「エンサイマダ」に使われるラード。マヨルカ島パルマ・デ・マヨルカで(2014年11月17日撮影、資料写真)。(c)AFP/JAIME REINA 【7月6日 AFP】バター、ラード、赤身肉などに含まれる飽和脂肪酸が、早死リスクを上昇させることを確認したとする、30年間に及ぶ研究結果が5日、発表された。その一方で、飽和脂肪酸をオリーブオイルなどの不飽和脂肪酸に切り替えることで、健康上の大きな恩恵が得られる可能性があるという。 12万人以上を対象とした今回の調査結果をまとめた研究論文は、米医学誌「JAMAインターナル・メディシン(JAMA Internal Medicine)」に発表された。 論文の主執筆者で、米ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard University T.H. Chan School of Public Health)の博士号取得候補者のワン・ドン
コーンフレークなどのシリアル食品は、19世紀末に医学博士のジョン・ハーヴェイ・ケロッグが発明した。敬虔なクリスチャンで菜食主義者だったケロッグ博士は、朝食に肉を食べることが人間の性欲を増進し、自慰などの好ましくない行動を引き起こすと考え、「健康な」シリアルを推奨した。この「健康な」は、医学的というよりは、宗教的な意味を帯びている。そして弟のウィル・キース・ケロッグが、シリアルに砂糖を加えて食べやすくすることを考案し、会社を興して大々的に朝食向けシリアルを売り出して、大成功を収めた。シリアルなどを朝食にする習慣は、米国人、そして世界中の人々に根付いていった。 また、オートミールで米国最大手のクエーカー・オーツ・カンパニーは、「朝食にオートミールを食べればコレステロールが減少する」という実験結果を得て、これを大々的に宣伝した。この実験は非常に限定的な条件で行われたものであり、オートミールさえ食
どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 食品安全委員会が昨年、「健康食品」に関する検討ワーキンググループを設置して、その課題について4回にわたって議論し12月、報告書と19のメッセージをまとめた。 その内容の説明会が、1月28日(木)14時から、食品安全委員会事務局会議室で開かれる。応募締め切りは、21日(木)17時。 多量に摂ると健康を害するリスクが高まる 食品安全委員会の佐藤洋・委員長とワーキングループの脇昌子・座長は公表にあたって、「国民の皆様へ」と題した声明を発表した。「これさえ摂れば、元気で長生きできる」という薬や食品はなく、「健康食品」で健康を害すること
イモなどの炭水化物を高温で調理すると発生する化学物質「アクリルアミド」について、国の食品安全委員会の作業部会は「できるだけ摂取量を減らす必要がある」とする報告書の案をまとめました。 国の食品安全委員会の作業部会では日本人の食生活におけるアクリルアミドのリスクを5年にわたって検討してきましたが、1日、報告書の案をまとめました。 それによりますと、日本人の1日当たりの平均の摂取量は、体重1キログラム当たりおよそ0.2マイクログラムで、これは動物実験で発がん性が確認されている量と比べておよそ1000分の1だったということです。 ただ、人の健康への影響はまだ分かっていないことも多く、リスクがないと判断できるデータはないなどとして、報告書案では「できるだけ摂取量を減らす必要がある」としました。 食品安全委員会によりますと、日本人では油で揚げたジャガイモや炒めたもやしなど野菜からの摂取が多かったという
貧しいからカップラーメンを食う? 惣菜パンばかり食う? 牛丼ばかり食う? なにを言ってるんだ? おれにはわからない。おれたちにはお好み焼きがあるじゃないか。 キャベツ、長ネギ、舞茸、肉。 pic.twitter.com/WkQJeg2WR0— 黄金頭 (@goldhead) December 15, 2015 ふざけんな、おれはキャベツばかり食ってんだ。肉なんて高い。魚は言うまでもない。野菜ばっかり食ってんだ。毎晩キャベツ刻んでんだ。もっとも、一竿子忠綱の包丁でだがな! まあいい、おれの昼飯といえば惣菜パン二つと刻みキャベツ、あるいはおにぎり二つと刻みキャベツ、昼からキャベツばっかり食ってんだ。 そして夜はといえば、お好み焼きばっかり食ってんだ。嘘だと思うならおれのTwitterを遡ってみろ、すごく無益な時間を過ごせるぜ。でも、おれがお好み焼きばっかり食ってるその度合の異常さに気づけるはず
メタボリックシンドロームや生活習慣病などの話題があがるたびに、浮上するワード「日本人の食の欧米化」。肉を摂取することは不健康だ、というマイナスイメージが「吉野家の牛丼」にも波及している事態を懸念した吉野家が、成人男女に「冷凍牛丼の具」を通常の食事にプラスして3カ月毎日食べ続けてもらった際の身体への影響を調査し、結果を発表しました。 吉野家公式サイト 研究内容は、20歳から65歳未満の成人男女24人(平均年齢44.8±8.5歳)を対象に、日常生活の中で「冷凍牛丼の具」を毎日必ず1食加えて摂取することを12週間継続してもらうというもの。開始前と開始後で、身体計測及び生理学的検査、臨床検査値、尿定性検査値の変動と、有害事象の有無、種類、頻度、重症度を調査し、試験責任医師らにより評価を受けます。……お、おおガチだ。 そのほかに、食事内容(回数、量)、飲酒量、運動量、便通、睡眠時間、特定保健用食品な
世界保健機関(WHO)は26日、ベーコンやソーセージ、ハムなどの加工肉は発がん性があるという分類を発表した。 専門機関・国際がん研究機関(IARC)の報告は、加工肉を毎日食べた場合、50グラム(ベーコン2切れ以下)ごとに大腸がんにかかる確率が18%上昇するとしている。赤肉も「恐らく発がん性がある」が、限られた証拠しか得られていないという。
This copy is for your personal, non-commercial use only. Distribution and use of this material are governed by our Subscriber Agreement and by copyright law. For non-personal use or to order multiple copies, please contact Dow Jones Reprints at 1-800-843-0008 or visit www.djreprints.com. http://jp.wsj.com/article/SB10113763752903943770504580272140523277622.html
どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 食品中に含まれる化学物質アクリルアミドの発がん性について、毎日新聞が10月4日、記事を出した。リテラというサイトでも、取り上げられている。 だが、これらの記事、いろいろと問題があるように思う。アクリルアミドについては、参考にすべき信頼できるサイトがさまざまあるので、それらを紹介しながら解説したい。 毎日新聞は、食品安全委員会の化学物質・汚染物質専門調査会に設置されている化学物質部会第6回会合の内容を基に報じている。同部会は、昨年1月からアクリルアミドの評価を続けており、第6回会合も継続審議となった。 会合で検討された評価書案は
皆さんは、次のジャガイモ料理のうち、どれが一番好きですか? 肉じゃが、フライドポテト、ポテトチップス、マッシュポテト、じゃがバター、皮付きこふきいも。実はこれらの中に、健康にいいオススメな食べ方と、調理過程で発がん性の疑いのある物質を生じてしまうものとがあります。ジャガイモに関する様々な分野での研究をカナダの研究者らが一つにまとめた論文から探ってみましょう。 ジャガイモは味を良くするために油と塩を加えて調理されることが多く、肥満や生活習慣病など深刻な健康問題の原因となるほか、高温で加熱することで大量のアクリルアミドを生成することが分かっています。アクリルアミドは国際がん研究機関(IARC:INTERNATIONAL AGENCY FOR RESEARCH ON CANCER)によって、「人に対しおそらく発がん性がある」物質(2A)に分類されています。2002年にスウェーデン政府が、炭水化物
10月3日、食品安全委員会化学物質・汚染物質専門調査会は加熱時に生じるアクリルアミドについて、次のように正式に遺伝毒性を有する発がん物質であると評価をした。 「トランスジェニックげっ歯類等を用いた遺伝子突然変異試験、マウス特定座位試験及び相互転座試験など多くの試験で陽性あるいは弱陽性を示した。これらの結果からアクリルアミドは遺伝毒性を有すると考えられた」 「アクリルアミドの発がん性については、マウスを用いた試験において、ハーダー腺、乳腺、肺、胃等で発がん頻度の有意な増加が見られており、ラットを用いた試験において、乳腺、甲状腺、精巣等で発がん頻度の有意な増加が見られている。これらの結果から、発がん物質であると考えられた」 「従って、本調査会としては、アクリルアミドは遺伝毒性を有する発がん物質であると判断した」 食品中のアクリルアミドについては、スウェーデン食品安全庁とストックホルム大学が02
食、医療など“健康”にまつわる情報は日々更新され、あふれています。この連載では、現在米国ボストン在住の大西睦子氏が、ハーバード大学における食事や遺伝子と病気に関する基礎研究の経験、論文や米国での状況などを交えながら、健康や医療に関するさまざまな疑問や話題を、グローバルな視点で解説していきます。 第4回は、トランス脂肪酸について。 トランス脂肪酸って何? 2013年11月7日、米食品医薬品局(FDA※1)はトランス脂肪酸の食品への使用を規制すると発表しました。その後60日間、国民や業界からの意見聴取などを行い、実際の開始時期など規制について最終決定する予定でした。FDAのマーガレット・ハンバーグ局長は、「トランス脂肪酸の摂取量の削減で、年に2万件の心臓発作と7000人の死亡を減らせる可能性がある」と述べました。 ところで「トランス脂肪酸」って、何でしょうか? トランス脂肪酸には天然のものと、
(CNN) 米ファストフード大手マクドナルドの社内サイトに、ハンバーガーなどのファストフードは食べない方がいいという助言が掲載されていたことが分かり、メディアに注目されている。同サイトは25日、「メンテナンス中」との告知が掲載され、アクセスできなくなった。 今回注目を集めることになったのは、社内サイト「マックリソース」に掲載された写真。チーズバーガーとフライドポテトと赤いカップに入った飲料の写真には「不健康な選択」という説明書きがあり、その隣のサンドイッチとサラダと水の写真には「健康に良い選択」という説明が添えてあった。 さらに、「ファストフードは自宅で料理するのに比べて手っ取り早く値段も手頃ですぐに用意できます。便利で経済的な半面、ファストフードは一般的に高カロリーで脂肪、飽和脂肪、糖分、塩分が多く、太り過ぎになる危険があります」という注意書きも掲載されていた。 同サイトはもともと
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く