年末年始に本を見返していたら、故米原万里氏の著作に「ポモ論争」にずばり斬り込むような一節を見つけたので、ちょっと長めだが引用してみる。 中庸と中途半端のあいだ 通訳の最中、日本人の政治家が「中庸」とか「中道」とかいう言葉を頻繁に発したので、どう訳したものか困ったことがあった。 そういう概念がロシア語にないからではない。英語でも「幸せな真ん中(happy medium)」という言い方をするように、ロシア語でも「黄金の真ん中」という言い方で、まさに「中庸」に相当する概念を言い当てている。語源辞典を引くと、紀元前一世紀に活躍した古代ローマ随一の詩人ホラティウスの「頌詩集第二巻」に出てくる「黄金の真ん中(aurea mediocritas)」が初出ではないかと記してある。「偏らない、ほどよくバランスのとれた」というようなプラス・イメージの言葉だ。 では、なぜ訳に際して窮したのか?発言者自身は、明ら
さて なぜこんなことになってしまったのか僕もさっぱりわからない 来週とかにひきずらなければいいけど まあやりましょうか 結局この授業で何を言い続けているのか 公的なものと私的なものの境界 政治的なものと非政治的なものの境界 そういう境界がポストモダンにおいてはどういうふうになるのか 『リアルのゆくえ』が出発点 僕と大塚さんは話が合わない 公共性をどう捉えるかというところ 大塚さんはある信念を持って人々を啓蒙する 自分は正しいと思っていることを人に伝わると信じて言う それが公共的 僕はそうではない さまざまな意見がぶつかり合う 公共的というのは、ある特定の意見を言うことではない ある特定の意見がヘゲモニーを握らない 絶対的な真実が無いまま議論が続く それが公共性 大塚さんはそれはシニシズムだという 自分が正しいと信じることを人に言えないのであれば、 それは公共的でもないし、そんな奴は批評家で
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原爆は落ちてない 例えば、どっかの国で、「原爆なんかホントは落ちてない」「落ちたけど、すげー人が死んだってのは日本人のでっちあげ」という話が出てきた、としよう。 日本人として、あるいは個人として、そういうことを言う人に対しては、控えめにいって、かなり不愉快な気持になる。 また、それに対して「絶対の真実などないから、原爆否定論にも耳を傾けよう」という人がいたら、理屈ではわかるにせよ、不愉快な気持にはなってしまう。それが重要な論点で、どうしても言う必要があるのなら分かるけど、さしたる必要もないなら持ち出してほしくはない。 「俺は、ちゃんと原爆の現場見て来たんだぜ。広島の原爆ドーム見たら実感あったけど、長崎原爆資料館は、あんまり実感なかったね。ひょっとしたら長崎の原爆は落ちて無かったって転向するかも。それが俺の「真実」」と書いていたら。 俺は殺意が湧く。 南京虐殺否定論について、安易に議論の例に
はじめに 以下に公開するメールは、hirokiazuma.comの「近況 2002.7.14」を巡って交わされたものである。 東の記述の一部分に対して、小川が事実誤認と訂正を求めたのをきっかけに、何度かメールがやりとりされた。最終的な合意には至らなかったものの、妥協案として、両者のメールをここで公開することが提案され、この形となった。これについては、東による「近況 2002.7.28」も参照してほしい。どちらの主張を支持するかは、このメールを読んだ人間にゆだねたい。 なお、メール本文については、誤字・誤記も含めて、ほぼ原文のままである。 1 小川びい 突然のメール失礼いたします Sun, 21 Jul 2002 03:24:21 2 東 浩紀 Re: 突然のメール失礼いたします Sun, 21 Jul 2002 12:36:56 3 小川びい Re: 突然のメール失礼いたします Sun,
http://d.hatena.ne.jp/toled/20081213/p1 はてなダイアリーは書いてないしTwitterは文字数制限あるしで、他に書くとこ思いつかなかったんで増田に書くよ。 本来の受講対象者である(ってあずまん言ってた)「東京工業大学の学部2、3年」です。数少ないらしいですけど。 別に彼のフォロワーではなく、現代思想のこともほとんど知らず、興味本位で取ってみたら話が面白かったので、というくらいの気分で受けています。 一応言っておくけど僕個人の話。 正直言って授業遅らせられるのは結構迷惑だし、 授業の流れ止めてまで活発に質問する権利は学費によって与えられてるもんだと思うし、 来ても数人かなーとか思ってたらドアの前に十数人立ち往生してて正直少し引いたし。 でもこの件でやっちゃいけないことしたのは東浩紀の方な気もするんだよなあ。 blogでは明らかに「こねーのか腰抜けども」と
最近の東浩紀は、言ってることの正誤はともかく、言動があまりに軽率過ぎるのではないか。 http://www.hirokiazuma.com/archives/000465.html そもそも、そんなに真実が大事だと思うのならば、そのかたがたは実際にぼくの授業に来て質問したらいいのではないでしょうか。 http://www.hirokiazuma.com/archives/000466.html 結局、東工大の授業に歴史認識問題を問いただす学生などだれひとり現れず、それどころか先週はいたゼロアカ生さえすっかり消え、いささか拍子抜けした東浩紀です。 http://d.hatena.ne.jp/buyobuyo/20081208/p1 いやあ、そこまで言うなら授業に行ってやろうじゃねえの http://d.hatena.ne.jp/toled/20081212/p1 なんか、どうしても来て欲しい
どうも 授業を始めます 例によってプリントを待っている 今日はちょっとプリントが多く時間がかかるので雑談もしない 本当は今ドゥルーズの「管理社会について」の一部を読んでいることになっていた しかし予定を変更して、 ブログとかで問題になっていると風の噂で聞いた歴史修正主義その他に関して話す 例外版 「ポストモダンと情報社会」とは関係ない 基本的に僕が展開している主張はきわめてシンプル まず第一に僕の立場を明確にすると、 私的には南京事件はあったと思う 南京事件はこの際例に過ぎない、なんでもいい 数十万ではないだろうけど、数万規模であったと思う 専門家でもないのでこれ以上は言及しない ブログを見てもぐっている人居る? …居ない なら構いません 二番目 公的な信念としては、こう思う 1、 南京虐殺があると断言する人 ないと断言する人 かなりのボリュームでいる まずこれは事実 2、 ポストモダン系
アニメージュオリジナル animage ORIGINAL vol.2 (08.DEC (ロマンアルバム) 出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2008/12/03メディア: ムック購入: 7人 クリック: 28回この商品を含むブログ (11件) を見る アニメ批評はなぜ必要なのか? (中略) 東 ですから、山本さんには以前からお会いしたいと思っていました。で、今回対談をするにあたって改めていろいろな資料を拝見したのですが、山本さんはあちこちで「アニメ批評は必要だ」って発言していますよね。今日はなぜそう思うのかを聞きたいと思ってきました。 山本 それはそれこそ、さきほど言ったような東さんの影響ですよ。・・・・・責任を押し付けるつもりはありませんが(笑)。 東 (笑)。どうしてそんな問いかけをするのかというと、現実には、僕のような「部外者」は「アニメ批評はやるな」といわれているわけです
講演内容: 建築、社会設計、そしてコンピュータ・システムの3つの意味をあわせもつ言葉「アーキテクチャ」。それは、現代社会で、多様なニーズに答え、人間を無意識のうちに管理する工学的で匿名的な権力の総称になりつつある。では人文的な知は、そのような権力の台頭にどう対峙すればよいのか。 建築家の磯崎新、社会学者の宮台真司、経済学者の浅田彰を招き、新世代の論客が論戦を挑む。 1957年生まれ。京都大学経済学部卒業。京都大学人文科学研究所助手、京都大学経済研究所助(准)教授。2008年より京都造形芸術大学大学院大学院長。1983年、『構造と力』(勁草書房)を発表し、翌年の『逃走論』(筑摩書房)で提示した「スキゾ/パラノ」のパラダイムとともに、「浅田彰現象」とも呼ばれる「ニューアカデミズム・ブーム」を生む。その後、哲学・思想史のみならず、美術、建築、音楽、舞踊、映画、文学ほか多種多様な分野におい
アニメージュオリジナル animage ORIGINAL vol.2 (08.DEC (ロマンアルバム) 出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2008/12/03メディア: ムック購入: 7人 クリック: 28回この商品を含むブログ (11件) を見る 東浩紀さんと山本寛監督の対談記事を読みました。かなり面白いことがたくさん載っており、とても興味深かったです。「アニメ批評はなぜ必要なのか?」という章では、東さんがサイトで語っていた「受け手」の問題、「業界」の問題がそのまんま書かれていました。あとは、「らき☆すた」の話や、ギミック関連、コンテンツのこれから等、二人が考えている今のアニメ業界の事が詳しく載っていました。その中でも、僕にとって一番興味深かったのが「アニメ批評はなぜ困難なのか?」という章で、僕が疑問に思っていたことがそのまま書かれていたので、かなり面白い内容でした。それで、その部
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