引きこもりのブロガーによる株式市場の相場操縦事件で、証券取引等監視委員会は5日、福岡市のホームページ制作会社経営、松永寛之社長(27)を金融商品取引法違反の疑いで福岡地検に告発した。監視委によると、松永社長の会社はほとんど実体がなく、デイトレードで株価を不正につり上げて利ざやを稼ぐ生活を送っていたという。 調べでは、松永社長は07年11月~10年8月にかけて、インターネットの株取引で実際には買う意思がないのに大量の買い注文を出して不正に株価をつり上げる「見せ玉(ぎょく)」の手口を使って投資家の発注意欲を刺激。売買が活発なように見せかけ、注文が増えたタイミングを見計らい注文を取り消し、仕込んでいた3銘柄を高値で売り抜け、約200万円の不正利益を上げたとされる。 捜査関係者によると、松永社長は家に引きこもりながら05年ごろからインターネットでの株取引を始めていたという。【川名壮志】