日本の芸能界の大物が長年にわたり性的虐待を続けていた問題で、被害者への補償業務を担うことになった人物は、このスキャンダルは当初思われていたよりさらに根深いものだと話した。 ジャニーズ事務所の解体後、故ジャニー喜多川氏に虐待された被害者への補償業務に専念するため、昨年秋に社名を変えて「SMILE-UP.」が設立された。その代表取締役社長、東山紀之氏はBBCの取材に対して、ほかに2人のジャニーズ事務所スタッフが少年タレントを性的に加害していたと聞いていると明らかにした。
記者らは、元ジャニーズ Jr.による暴露本の内容について、繰り返し東山氏に質問した。本の内容は、同氏が少年たちの股間を足で刺激した、自分の性器を見せつけた、「僕のソーセージを食え」と発言したなどというもの。それについて東山氏は、「僕が性加害をしたのかということですか?」と聞き返した上で、「僕はしたことはないです」と返答。「事実ではないと思っています」、「ちょっとわかりかねます」とも述べた。 しかしその後、別の記者から「自身のセクハラ、パワハラに関連して」真実を語るよう促されると、「覚えてないことの方が、多くてですね、もしかしたらしてる可能性もあるし、もしかしたらしてないかもしれないし、ただやっぱりもちろん若気の至りがあったり、その時の自分の幼稚さであったりとか、そういうものもあったとは思うんですね。ただ記憶をたどっても、ちょっと覚えていないことも本当に多くて。僕もそうだと思うんですけど多分
ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川氏の性加害問題について取り上げた、英公共放送BBCのドキュメンタリー『Predator:The Secret Scandal of J-Pop(J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル)』が放送されてから、まもなく3カ月が経つ。 NHKをはじめとするマスメディアも次々と報道を開始した(一部ほとんど触れていない局もあるが)。各テレビ局のトップも問題に関する見解を口にしはじめている。ジャニーズ事務所は再発防止策を発表した。 だが、ジャニー喜多川氏の性加害問題そのものについては、踏み込んだ追及は行われていない。藤島ジュリー景子社長が5月14日に事務所サイトで発表された動画と書面で謝罪を行っているものの、事実認定に関しては明言を避けている。第三者委員会も設置されていない。 非常にセンシティブな問題であり、被害者のプライバシーに配慮しなければいけないこと、問
今年3月に英公共放送BBCが報じた故ジャニー喜多川氏の性加害問題。ドキュメンタリーが放映されてから、その衝撃は日本にも広がり、20年以上の時を経て、この問題が大きく再燃している。 ドキュメンタリーの中では、リポーターを務めたジャーナリストが藤島ジュリー景子社長に取材を申し込み、したたかに門前払いを食らわされる。しかし、結果としてジャニーズの傲岸不遜な態度や隠蔽体質は批判をどんどん大きくしてしまった。 一連の騒動のキッカケを作ったジャーナリストで、BBCの番組制作を手掛けるモビーン・アザール氏に話を聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト) (全2回の#2) ◎#1「ジャニーズ性加害疑惑を報じた英BBC制作陣が語る、なぜ我々は報じたのか」から読む ──BBCのドキュメンタリーの中で、あなたは数名の元ジャニーズJr.の方々にインビューしています。彼らはジャニー喜多川氏から性被害を受けてお
間接的に疑惑認めた、民事訴訟でのジャニー喜多川氏の証言 まず、簡単に番組内容とジャニー氏の性的虐待問題について整理しておこう(内容は本国版を参照している)。 この一件を追うのは、モビーン・アザー記者だ。ミュージシャンのプリンスを追った評伝『プリンス 1958-2016』 (2016年)や、イギリスのムスリムが共同生活をするリアリティ番組”Muslims Like Us”(2017年)でイギリスアカデミー賞を受賞した実績がある。 冒頭、アザー氏が向かったのは文藝春秋社だった。1999年から翌年にかけて、『週刊文春』はジャーナリストの中村竜太郎氏を中心に、ジャニー喜多川氏の性的虐待疑惑を連載した。一般にこの問題が広まったのもこの記事の影響が大きいだろう。 だが、この連載が続いていた最中の1999年11月、ジャニー喜多川氏とジャニーズ事務所は文藝春秋側を相手に名誉毀損で民事訴訟を起こす。2002
番組名は「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」(原題=Predator: The Secret Scandal of J-Pop)。イギリス本国では3月7日(日本時間8日)に放映された。日本では3月18、19両日に放送や配信が予定されている。 日本での放映に先立って17日、東京都内の日本外国特派員協会(FCCJ)で本編が上映され、取材にあたったジャーナリストとディレクターとによるオンライン会見が開かれた。 会見で、取材にあたったジャーナリストのモビーン・アザー氏は「私たちは取材でここまで『沈黙の壁』にぶつかるとは思っていませんでした。組織やジャーナリスト、企業、音楽業界の人々は自分たちの経験を共有したがらず、意味のある形で関わろうとしませんでした。番組の最大の狙いは議論を呼び起こすことにあります」と述べた。 オンラインで会見したジャーナリストのモビーン・アザー氏=2023年3月17
画像説明, サッカーの元イングランド代表主将、ギャリー・リネカー氏は、1999年からBBCの英プレミアリーグ・ハイライト番組「マッチ・オブ・ザ・デイ」の司会を務めている BBCは10日、英サッカー・プレミアリーグのハイライト番組「マッチ・オブ・ザ・デイ」のギャリー・リネカー司会者に、一時的な降板を要請した。リネカー氏が、政府の移民政策をめぐり、BBCの不偏公平原則に違反したかが問題となっている。 サッカーの元イングランド代表主将で、BBCの番組司会者としても広く知られるリネカー氏はこのところ、自身のツイッターアカウントで、イギリス政府の難民政策を批判する発言を繰り返していた。その発言はSNS上で大勢に支持され、「声なき人たちのために発言し続ける」と書いたツイートは24万6000以上の「いいね」を獲得している。
ジャニーズ事務所と文藝春秋の民事裁判で東京高等裁判所は2003年7月、事務所の少年たちに対するジャニー喜多川氏による「セクハラ行為」に関する記事は、その重要な部分において真実であることの証明があったと認めた。ジャニーズ側は上告したものの、最高裁は2004年2月に上告を棄却。東京高裁判決が確定した。 BBCの番組でモビーン・アザー記者は、かつてジャニーズ Jr.だった人たちや、裁判となった週刊文春の記事を担当した記者たち、文藝春秋側の弁護を担当した弁護士、そして一般の人たちなどに話を聞いた。事務所の若いタレントが集まる「合宿所」と呼ばれた喜多川氏宅での様子や、裁判について尋ねた。さらには、なぜ日本のマスコミの多くが、裁判所によって認定された喜多川氏の行動についてほとんど触れず、亡くなった際には功績への称賛一色だったのかを探った。
ウクライナの首都キーウ(キエフ)から北西約20キロに位置するイルピンの町では、ロシア軍の空爆と砲撃によって多くの住宅やインフラが破壊された。砲撃のあった路上では、避難しようとしていた家族3人と同行していた知人男性が死亡した。 多くの市民はイルピンから脱出しようと、ロシア軍の侵入阻止のためウクライナ軍が破壊した橋を渡っていた。その周辺で、ロシア軍の砲撃が続いた。避難中の母親と子ども2人の少なくとも3人が、橋から続く道路で即死した。現場で取材していた米紙ニューヨーク・タイムズによると、避難を助けて同行していた家族の知人男性も、後に亡くなった(注:リンク先のニューヨーク・タイムズ記事では、亡くなった方々をはっきり写した写真が掲載されています)。
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