言うまでもないだろうが、『はりぼて』とは、見た目はたいそう立派なのに、実質がまったく伴わない、中味がすかすかのことを意味する。本来であれば、国をつかさどる政治家にもっともふさわしくないというか。遠くにあってほしい言葉にほかならない。 だが、いまの国内の政治状況を鑑みてどうだろうか? 嘘が平気でまかり通る。説明責任を果たすといって説明がされたためしがない。なぜか自分に不都合なことが起きると病気になって雲隠れ。ほとぼりが冷めるといつの間にか議員活動を再開させている。こんなシーンをここ数年でどれだけわたしたちは目にしただろうか? 富山の小さなローカルテレビ局「チューリップテレビ」が制作したドキュメンタリー映画『はりぼて』は、こうしたここ数年の間に日本で起きた政治の腐敗及び、政治家の劣化と居直りの根源に迫った1作といっていい。 ご記憶の方も多いと思うが、2016年、富山市議会では政務活動費の使い方