キエフで起こった騒擾を見て、カチェリーナはウクライナ人という三流民族の運命に嘆息せざるを得なかった。どこかの属国としてたらい回しになるお国柄なのだ。ウクライナ人の容貌は素晴らしく、これだけ美人が多い国は滅多にない。また身体能力は優れており、アスリートとして活躍するウクライナ人は少なくない。しかし頭脳の面では、如何ともしがたい三流国である。ウクライナ出身の天才というのはほぼ皆無であり、たまにいると思えばユダヤ系である。ウクライナの国力を考えた場合、ロシアに刃向かうのは愚かでしかなかった。だが、クーデーターが肯定された現状において、ロシア寄りの発言をするのはかなりリスクがあった。 カチェリーナは城に戻ってナスターシャを訪ねた。いつも通りナスターシャはディスプレイに貼りついていた。背丈は148センチほどで、あまり容貌にも恵まれていない。ウクライナ人としては、かなり希有な失敗作である。だが、天才的