[第4回] 国際政治を数学で読み解く。計量分析とゲーム理論が二つの柱 山本吉宣さん 青山学院大学教授 数学は工学系の分野以外にも大きな影響を与えている。その一つが、国際関係論だ。この分野で、数学を基礎にしたゲーム理論や数理モデルなどを取り入れてきた山本吉宣・青山学院大学国際政治経済学部教授に話を聞いた。 (2009年11月3日、東京都内で。聞き手・宮地ゆう) ――数学は国際関係論の分野にどのように関わってきたのでしょうか。 山本吉宣 国際関係論と数学との関わりは、1950年代に主に二つの分野で始まりました。一つは計量分析やデータ解析。もう一つがゲーム理論や合理的選択といわれるものです。他にもグラフの理論と呼ばれるもの、あるいはシミュレーションなど、数学の影響を受けた研究は多くありますが、主にこの二つの柱であることは、いまも変わっていません。 1943年生まれ。東京大学教養学部卒業後、ミシガ