読書はすべて不完全である 本稿では、「いかにも現代思想的な文章」をどのように読むか、そのコツ をレクチャーしたいと思います。 専門家の立場としては、現代思想の細やかなレトリック(文章の技法)を楽しみ、深く読めるようになってほしいのですが、でもそれより、徹底的にハードルを下げることが最優先だと思います。 細かいところは飛ばす。一冊を最後まで通読しなくてもいい。読書というのは、必ずしも通読ではありません。哲学書を一回通読して理解するのは多くの場合無理なことで、薄く重ね塗りするように、「欠け」がある読みを何度も行って理解を厚くしていきます。プロもそうやって読んできました。 そもそも、一冊の本を完璧に読むなどということはありません。改めて考えてみると「本を読んだ」という経験は、実に不完全なものであると気づきます。たとえ最後まで通読しても、細部に至るまで覚えている人はいません。強く言えば、大部分を忘
10万部を超える大ヒットとなっている千葉雅也『現代思想入門』(講談社現代新書)が、その年の新書の「最高の一冊」を選ぶ賞「新書大賞2023」を受賞した。 難解な現代思想を読み解き、実生活についてのヒントもくれるという感想が多く寄せられている本書。 著者である哲学者の千葉雅也氏に、本書との関連で、現代思想を味わうための方法について聞いた。 (インタビューは、2022年5月におこなったものです) グレーゾーンの発想 ――インタビューの前編で千葉さんは、現代思想を「使い倒す」という言い方をされていました。本書を読んでいると、千葉さんご自身の人生が垣間見えるような瞬間もしばしばありましたが、そうした議論のしかたについては、書きながら意識しておられましたか? 千葉 現代思想については、これまで20年以上も読み書きしているので、自分に染みついたことを語ったら、やはり何かしら身体的なものとして表れてくるの
1年間に刊行された新書から、有識者、書店員、各社新書編集部らに投票してもらい、その年「最高の一冊」を選ぶ「新書大賞」。2021年12月から22年11月に刊行された1200点以上の新書を対象とした「新書大賞2023」の結果が23年2月10日に発表され、『現代思想入門』が大賞に輝いた。「現代思想の真髄をかつてない仕方で書き尽くした『入門書』の決定版」とうたった同書はベストセラーとなり、7刷13万部(電子含む)と、版を重ねている。同書から「『現代思想入門』とはどんな本か」について記した箇所を抜粋・編集の上で紹介する。 「ポスト構造主義」とは 「ポスト構造主義」という言い方ですが、これはデリダやドゥルーズらをひと括りにして言うときに使われるものです。 「ポスト」とは「後」という意味で、「構造主義の後に続く思想」ということになります。ただ、本人たちがそう自称したわけではなく、この呼称に対しては批判も
はいみなさんこんにちは。もうすぐお楽しみの夏休みですね。みなさんお待ちかねの新連載もはじまりますよ。テ・ツ・ガ・クの新連載はじまりますよ。これ、思考入門というお題です。漢字だらけだねー。でも、内容ゴーカよ。書いた人すごいよ。はい、戸田山和久さん。上で広瀬すずさんや安藤サクラさんといっしょにグルグルぐるぐる回っとりますねえ。名古屋大学の情報学研究科っていうこれも漢字ばっかのとこで科学哲学おしえてる人ですね。科学哲学何でしょう。はい、科学と哲学のオイシイとこいっぺんに味わえるお得なジャンルのことですね。この連載もお得ですよ。物事をよーく考えるってどういうことかがわかって、先生にほめられる上手な文章がスイスイすいすい書けるコツも教えてくれるっていう。ホントだったらすごいねー。夏休みの宿題にも役立ちますよ。友達にもおしえてあげましょうね。あと戸田山さん、連載で夏休みの怪談大会やってくれるかもしれま
いつも日記を書きかけては3日坊主になってしまう。sakiちゃんの協力を得て、日記を続けていきたいと思う。 11/06 非哲学者のための哲学入門読書会(第2回)参加しているこちらの読書会のために、明け方までかかって疑問点を文章にまとめて提出した。先延ばし癖を何とかしたい。4時間ほど寝て神保町へ。 この読書会では、1冊の本を読んで得た疑問点などを、web上に共有されたホワイトボード(googleドキュメント)に各々が書き込んでいく、という形をとっている。それを各々がブラッシュアップしていく。 ある参加者の書き込みに対して講師がコメントをつけ、それを受けて参加者が書き直したものについて、「これはずいぶんディフェンシブな(=ここまで退却すれば誰にも突っ込まれないような)書き換えになっている。こういうことをしてほしいわけではないんだ。本当はおそらく、書き込んだ時に初発の動機があったはずなんだ。”あれ
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