松下幸之助氏は、明治に生まれ、平成元年に没した実業家である。一代にしてパナソニックを築きあげたその手腕から「経営の神様」と称えられる、日本の誇る偉人のひとりといっていい人物だろう。23歳で起業してから94歳でこの世を去るまで、単に実業家として利益をあげただけではなく、PHP研究所や松下政経塾を設立し、多数の人材を輩出するなど、広く天下国家のために尽くした人物でもあった。 本書『道をひらく』は、松下幸之助氏がPHP研究所の機関誌「PHP」に寄せた短文をまとめたものだ。「その一篇一篇は、時にふれ折りにふれての感懐をそのまま綴ったものである」と本人はまえがきで語っているが、その考え方やものの見方には、松下幸之助氏の成功の裏側にあった、普遍的な哲学が流れている。 本書の持つ意味について、要約者が語るべきことは多くない。代わりに本書の序文の一部を以下に引用しよう。 「雨がふれば 人はなにげなく 傘を
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