<< 前の記事 | トップページ | 次の記事 >> 2011年01月20日 (木)視点・論点 「スローネット」 東京大学教授 西垣 通 しばらく前から、世の中の動きがますます速くなってきました。街の様子もどんどん変わり、新商品も売り出されたかと思うと、すぐ姿を消してしまいます。これにともなって、人間の生活もますます忙しくなってきたという実感があります。 こうなった原因の一つとして、ITすなわち情報技術や、ネットの普及による効率向上があげられるでしょう。パソコンを使えば、面倒な計算もすぐ終わるし、ウェブから情報も検索できるので、書類やレポートを書く速度はあがります。できたレポートをメールで送れば、郵送の手間もかかりません。それどころか、事務処理そのものをコンピュータにやらせることで、人員を削減し、コストを減らすことも可能です。 しかし、こういう効率化やスピードアップは、果たして何のためな