デューイの民主主義の哲学はどのように彫琢されたのか。デューイが論じた民主主義はどのように正当化されるのか。そして、その思想はその後の民主主義論においてどう議論されるのか―― デューイ哲学全体を民主主義の哲学として解釈し、その思想や議論を様ざまな視角から検討する。 「デューイ的な民主主義や民主的教育の理念は、第二次世界大戦後に一時的に称揚されながら、やがて理想なき生産効率主義的教育の流れのなかに埋没し、現在は新自由主義的、ナショナリズム的な教育のなかに呑み込まれそうになっている。現代に生きる我われが、そのような教育の潮流に抗して、「正当化できない希望」を失わずに民主的教育を甦らせるために、デューイを再読することが無意味だとは思われないのである。」(「終章」より) ■著者紹介 加賀裕郎(かが ひろお) 1955 年生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(哲学)。