本稿は1920~30年代にかけてシカゴ大学出版会から次々と出版されたいわゆるシカゴ・モノグラフに翔太ンをあてて、そこで駆使された調査法、多角的調和法についてこうさつする。そこではまずシカゴ・モノグラフの代名詞ともなっているエスの具ラフィーの代表例としてゾーボー『ゴールド・コーストとスライム』を取り上げて実際にどのような調査法が用いられているかをみる。また参与観察を用いた代表的モノグラフといされるクレッシー『タクシー・ダンスホール』をみることによって、そこでのちょうさほうとしての参与観察の占める位置を考察する。ついでフィールドワークを伴わないモノグラフとしてマウラー『家族解体』の場合を考察する。最後にこうしたシカゴ・モノグラフで用いられた調査法の問題点を検討する。
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