真に求められるものをつくるための「センス・メーキング」 ――2つ目のフィールドワークを原則とするのも、そうした理由があるからでしょうか。 その通りです。いま、ミャンマーでプロジェクトを進めていますが、ミャンマーの市場や文化をどの程度知っていますか。多くの国ではデータが不足しているため、市場の理解が困難であったり、あるいは言語や文化の違いから生じる精神的な距離感を持っていたりします。そのような状況で、どうして現地の人たちのニーズを明確にすることができるでしょう。実際に足を運び、現地の人たちと同じように生活することで、初めて実際の姿を見ることができるようになるのです。 たとえば、ミャンマーで貧困層を対象とした新しい金融サービスをデザインしようとします。そのためには貧困層がどのような人たちで、どのような生活をしているのかを知る必要があります。実際に「銀行口座に残高はいくらあるか」「ボーナスの支給