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ブックマーク / kakuyomu.jp (121)

  • 異世界戦国のヴォーバン 現代の城郭知識で攻城戦無双 - 異世界戦国のヴォーバン 現代の城郭知識で攻城戦無双(真名千) - カクヨム

    蛇骨を井戸に放り込むと城をまもる霧が湧き出る。 そんな伝説のある山城が有名だが、この末泥城(まつでいじょう)にはもっとおどろおどろしい伝説があった。いわく「人骨を井戸曲輪の池に投げ込むと亡者の群が現れて城外の敵を殺戮してくれる」らしい。 山城学園城郭研究会所属の鬼岩番(おにいわばん)は、問題の井戸曲輪周りの縄張り図を作成するべく、急斜面を慎重に降りていた。首からは拡大コピーした2万5千分の1地図を貼り付けた画板を吊るし、腰には斜面の角度を測るための下げ振りと水準器をぶらさげている。 「先輩、大丈夫ですか~?」 上からは後輩が心配そうに見守っている。 「大丈夫だ。問題ない」 番は先輩らしくカワイイ後輩にいいところを見せようと笑って手を振ってみせた。重心がズレたことで足元が滑った。 「おっと!」 「先輩!!」 後輩の悲鳴を聞きながら番は斜面を転がり落ち、数百年経ってもいまだになみなみと水をたた

    異世界戦国のヴォーバン 現代の城郭知識で攻城戦無双 - 異世界戦国のヴォーバン 現代の城郭知識で攻城戦無双(真名千) - カクヨム
    death6coin
    death6coin 2024/03/10
    急に長文書くじゃん。浮気は良くないなぁ。
  • 戦国徒然(麒麟屋絢丸) - カクヨム

    群雄が鎬を削り、ドラマの花咲かせては散らしてきた戦国時代。そこに生きる武将や他の者はどのような姿をし、どのように考え、どのように生きたのか? さまざまな角度から解かれる「戦国」の形! こちらは数ある江戸知識ものではなく、家康公がまだ戦場で右往左往していた戦国時代の四方山話が書かれた作品となります。 それだけでも希少価値は高いのですが、注目していただきたいのは戦の合間の日常の様子であり、当時のスタンダードな風俗であり、人々の作法や所作なのです。 キャラクターへ命を吹き込むには、その世界における「当たり前」が不可欠。その当たり前が軽やかに描き出されているのは当にありがたい! 戦国風の洗髪…続きを読む

    戦国徒然(麒麟屋絢丸) - カクヨム
  • 11-1 湖都動乱 - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム

    「王命によりソラト城の城壁補修工事に来た。入城許可を願う!」 文武はハティエ勢と近隣の少領主の兵、あわせて三百人を背後に心を極力落ち着けて言った。ソラトへは王国から事前に連絡がなされているとはいえ、怪しい挙動をみせて公然と反乱に踏み切られれば、すべてがご破産だ。 何も知らされていない寄騎の連中まで敵に寝返って、袋叩きに会いかねない。以前、文武たちがフォウタに攻められても救援に来なかった少領主たちだ。彼らとの関係はギクシャクしたものだった。 (俺たちが一方的な被害者なのになぁ) もやもやしたものを抱えていても笑顔で友好的に振る舞うしかない。首尾よくソラトを預かることができれば、そういう厄介事はますます増えるはずだった。 (当にこの任務を受けるべきだったんだろうか……) この期に及んでも迷いがあった。しかし、これほど重要な密命を断るならマクィン王国側に走るしかないが、夜戦で行方不明になった兵

    11-1 湖都動乱 - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム
    death6coin
    death6coin 2024/03/09
    思ったより文字数ないなぁ
  • 10-3 総督の尻拭い - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム

    その戦いは誰の期待通りにもならなかった。激しい乱戦の中で転移者たちの部隊はこれまでで最大の被害を受けた。実に二十人が行方不明になる。文武たちは危険を冒して夜明けまで包囲陣の近くで彼らの帰還を待ったが帰ってきたのは僅かに二人で、片方は翌日までに死亡した。 脱出を支援された王孫ジョージの方は、転移者たちの夜襲に呼応してか、最初から計画していたのか、ソラトから打って出て内側から陣地を攻撃した。彼を逃すまいと反応したマクィン軍の反撃の激しさは、転移者たちの小勢に向けられたものの比ではなかった。 そして、遮二無二突破を図る戦いの中で、ジョージは大怪我を負わされてしまう。周囲の助けで包囲網の突破には成功したものの、生死の境をさまよう重傷により軍隊の指揮など執れなくなってしまった。 転移者たちは王孫戦死の可能性は考えていても、こういう重傷はイメージできていなかった。王孫人にとっても不覚なのは間違いなく

    10-3 総督の尻拭い - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム
    death6coin
    death6coin 2024/02/25
    8ヶ月ぶりに更新した。えらーい(セルフ鼓舞)!
  • 窓の外は水槽の中 - 窓の外は水槽の中(@orange_star) - カクヨム

    『窓の外は水槽の中』 あふれる汗で制服のブラウスを濡らしながら、学校まで2キロの道のりを自転車でかけていく。田んぼの真ん中を走る農道はどこまでもまっすぐに続いていて、その先には学校が見えるのに一向に近づかない。空は青く、地平を見渡せばどこまでも緑の田んぼが広がっている。 これが私の住んでいる町の初夏の景色だ。 学校に近づくにつれて、徐々に顔見知りが増えていく。おはよう、おはようと声を掛ける生徒たちの中を縫いながら自転車の速度を上げていく。 正門を抜けて体育館の裏側にある自転車置き場に自転車をとめる。鍵はかけない。どうせこんなボロ自転車盗む奴いない。 玄関でを履き替える。玄関は人でごった返している。登校してきた生徒や朝練を終えた運動部員の汗で息が詰まりそうだ。廊下を曲がり、階段を3階にある自分の教室まで上る。教室のドアをくぐると、突然に生臭い臭いが鼻をついた。 教室の後ろの水槽からその匂い

    窓の外は水槽の中 - 窓の外は水槽の中(@orange_star) - カクヨム
    death6coin
    death6coin 2024/02/06
    公開日は2023年4月8日なのに今セルクマして浮上?
  • 異世界に落下傘降下した人間の支配をいかにして安定させるか - 真名千の創作雑記ノート(真名千) - カクヨム

    「<武家の王>足利氏 戦国大名と足利的秩序」を読んだ。 その中で国家の成立には「力・利益・価値」の三要素が重要であるとの政治学や社会学の説が紹介されており、足利将軍は力を失っても利益や価値(書では特に後者)を駆使してサバイバルしたことを説明している。 そこで異世界転生や転移の国盗り作品を考える上でも「力・利益・価値」の確立は重要だろうと考えた。しかし、力と利益はチートでなんとか出来ても、価値(権威)の確立は王族に転生するのでもないかぎり時間が掛かる。 実際に足利氏の優位性が世間に認められた――傀儡を立てずに正面から将軍の地位に挑んでくる武士がいなくなった――のは三代目の義満の時代であると「<武家の王>足利氏」も書いている。鎌倉時代屈指の名族であった足利氏でも苦労するのに、転生者・転移者が一代だけで「価値」を認めさせることはかなり難しいのだろう。 もちろん、「力と利益」で押し切ってもいいの

    異世界に落下傘降下した人間の支配をいかにして安定させるか - 真名千の創作雑記ノート(真名千) - カクヨム
  • 異世界人口爆発 - 異世界暗黒小話(真名千) - カクヨム

    「あなたは65537人目の転生者です……スキルを選ぶ前に話を聞いてください。童貞を殺す服に殺されて転生する童貞多すぎ!」 「どどどど童貞ちゃうわ!」 言いがかりをつけられた転生者は女神に抗議した。 「そもそも服を見ただけで殺されるはずがないだろ!死んだ覚えもないぞ!」 ただし、ついさっき服を見た覚えはあった。 「それは言葉の綾と言いますか……童貞を殺す服をみて砕けた魂の一部が毎度この世界に流れ込んで来るのです。あんまりです……」 女神はしくしくと泣き出す。 「泣きたいのはこっちだ!!」 自分の体は無事に生きて鼻の下を伸ばしているらしいと転生者は察した。元の魂の中に戻れるのか?仮に戻れるなら女神は強制的に押し戻して悩みなどなかったことにするのではないか? つまり…… 「しかも性別が凄く偏っているんですよ。こんな転生を繰り返していたら、私の世界は男だらけになってしまいます」 六万人程度で大仰

    異世界人口爆発 - 異世界暗黒小話(真名千) - カクヨム
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    death6coin 2023/10/24
    増田をヒントに書いた
  • もしも、コロンブス交換より前に間違った意味でコロンブス交換をしたら - 真名千の創作雑記ノート(真名千) - カクヨム

    旧大陸と新大陸の産物を交換するコロンブス交換。それによって家畜や作物、疫病などが交換されたわけだが、もしも交換する前の産物が逆の大陸に所属していたらと妄想してみたい。物語のスタート地点は1492年が良いように思う。 旧大陸にはトウモロコシやジャガイモ、トマトなどがあるが馬や牛はいない。大型の家畜はリャマやアルパカにとどまる。新大陸には乗用できる家畜がいて、作物では米や麦が取れるが南米山岳地帯でのジャガイモの生産力は出せなくなる。 一番大きな影響を受けそうなのが旧大陸の遊牧民で、馬やラクダなしでは史実の生活はまったく立ち行かないだろう。ユーラシア大陸内部での文化交流は史実よりも難しくなり、地域性がもっと強くなるのではないか。 アレクサンドロスのものを初めとして大帝国の幾つかも興らなくなる。時期にもよるが歩兵が主力だったローマ帝国はしぶといかもしれない。 陸上輸送が難しくなる分、海上輸送の重要

    もしも、コロンブス交換より前に間違った意味でコロンブス交換をしたら - 真名千の創作雑記ノート(真名千) - カクヨム
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    death6coin 2023/09/19
    読者参加型の名のもとに考察丸投げすれば良い感じのキメラになる可能性はある?
  • 辞書を飼っていたときの話 - 妙メモリー(みょめも) - カクヨム

    大学生を卒業し社会人1年目の僕は、彼女がいるわけでもなく、学校が仕事になったこと以外は特に変わりない生活をしていた。 仕事が終わると、夕方のスーパーで値引きシールの貼られた惣菜を買って帰り、それをツマミにビールを飲みながらテレビを見て1日が終わる。そんな何でもない日々を送っていたときに高校の頃の友人から電話があった。 「辞書をもらってくれないか」 唐突なことで詳細を聞くと「知り合いの去勢していない辞書が重版したから、受け取り手を探している。もらってほしい。」とのことだった。 特にペットを飼うつもりはなかったのだが、友人の頼みを無下に断れず一冊だけと承諾した。 次の日から僕と辞書の生活が始まった。 引き取ったのは血統書付きの国語辞典で僕は『大辞林』と名付けた。 最初こそ接し方に戸惑ったが、次第に心とページを開くようになり、嬉しいときには『嬉しい』のページを開きフリフリと嬉しそうに振った。 お

    辞書を飼っていたときの話 - 妙メモリー(みょめも) - カクヨム
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    death6coin 2023/08/30
    “あれからしばらくして、この辺で大辞林に良く似た模様の英和辞典を見るようになったのは偶然だろうか。”子孫できとるw
  • 立憲君主制魔王国へようこそ - 立憲君主制魔王国へようこそ(真名千) - カクヨム

    ファンタジーな世界に召喚されるなり、その転移者は自分を囲む魔導士たちに向かって言った。 「もうしわけないが私は剣をとって戦ったり走り回ったりするのは苦手でね。あなた方が期待するような役目は果たせないと思う」 さっさと送り返せと目で訴えかける転移者に魔導士の一人が進み出て答える。 「そのような勇者様は五十年前にお仕事をなされました。我々はあなたに賢者、いえ裁定者として働いていただきたいのです」 「それはそれは重ねて他力願なことだ……せめて、椅子と飲み物のある場所で話を聞かせてもらえないだろうか?」 すぐに帰してもらえないと察した裁定者は、せめて落ち着いて話を聞ける環境を要求した。 石材に囲まれた地下室から上がって、今度は毛織物に包まれた豪華な一室で裁定者は魔導士の説明を受けた。 「五十年前、勇者様は魔王軍側に寝返り世界を制覇されました。事実上の魔王軍の乗っ取りだったと言われます」 「それで

    立憲君主制魔王国へようこそ - 立憲君主制魔王国へようこそ(真名千) - カクヨム
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    death6coin 2023/08/29
    2300文字なので気楽に読んで/コミュニケーション可能で寿命の違う種族に平等な権利を与えるのは難しそう。異種族レビュアーズの世界では避妊魔法で時間稼ぎしている問題かな。
  • 第7回:恐怖!かわいい耐久3D配信 - VTuber汽水あさりの方法論(真名千) - カクヨム

    VTuberグループShell'sに新しいVTuberが加入した。名前は干潟マテ。中性的な容姿と声をした少し幼い印象を与える配信者である。いきなり3Dのアバターを与えられているが、これは汎用のボディを調整したもので完全一品物の2Dアバターより安いという話だった。 先輩たちはそういう話で運営に納得させられた。 かわいがりたい、もといかわいい後輩の干潟マテは配信より先にSNSの∨∧(旧シイッター)で人気を博して、その人気が配信プラットフォームに移行する形で伸びていった。その勢いは先輩たちもうかうかしていられないと真顔になるほど。 特に伸び幅を完全に失っている状態の濁川たにしは強い危機感を覚えていた。一方、中洲しじみはAI以外では初めての後輩なので、かわがりたい気持ちの方が強いようだった。 そんなマテにも悩みがあり、運営経由で汽水あさりに話が回ってきた。オフコラボがあった機会に事務所のブースで新

    第7回:恐怖!かわいい耐久3D配信 - VTuber汽水あさりの方法論(真名千) - カクヨム
  • 10-2 総督の尻拭い - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム

    転移者たちはマクィン軍の追撃を凌ぎきった。中王国軍にとっての主目標はゴッズバラ軍の隊――司令官の王孫ジョージ・ウェイヴェルであり、別働隊は戦場から追い払えれば良しとした敵の判断も有利に働いた。 代わりにゴッズバラ軍の隊は猛烈な追撃を受け、渡されたエレベーター神輿での時間稼ぎも空しく、半数がオシナ城内に閉じ込められていた。その中にはジョージ司令官も含まれる。 もしも、彼が捕虜になり身代金を支払う事態に追い詰められたら、ゴッズバラ王国の勢威は更に衰えるだろう。力及ばずながらマクィン軍に対抗する戦争の指揮を取ってきたのは彼なのだから一挙にパワーバランスが崩れて戦線が崩壊する可能性もあった。 夜になって状況を把握した転移者たちは貴重な知人でもある司令官を助け出す手段を求めて意見を戦わせた。困難な後衛戦をこなして全員へとへとだったが、時間が経つほど包囲網は堅牢になる。特に北側は利用するために陣地

    10-2 総督の尻拭い - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム
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    death6coin 2023/06/12
    一ヶ月空けずに更新することに成功(ポジティブ思考)
  • 第6回:チャット欄の草刈り - VTuber汽水あさりの方法論(真名千) - カクヨム

    「ぁああああ、あさりちゃ~ん!」 「なんか懐かしい感じね……」 最近は泣きつくことの減ってきた後輩の中洲しじみが久しぶりに相談を持ちかけてきた。忙しい汽水あさりに悪いからと、先輩に聞く前にリスナーやAI相談して解決することもあったらしい。ちょっと寂しい。 (いやいや!依存しているのは、しじみの方なんだから!絡みたければ相談以外で絡めばいいんだし!!) 葛藤している先輩に対して後輩がしてきた相談は「最近リスナーの長文コメントが多すぎる」というものだった。 「ま、流れるコメントは三行でも長すぎるからね」 「文章になっているだけ、リスナー同士の会話も始まっちゃいやすいの……」 この界隈においてリスナー同士の会話とは、潜在的な口喧嘩を意味する。 最初は気の利いたコメントをしじみが褒めたことから始まったらしいのだが、成功体験のブレーキが掛からない人間が世の中には一定数いる。褒められたリスナーは頻繁

    第6回:チャット欄の草刈り - VTuber汽水あさりの方法論(真名千) - カクヨム
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    death6coin 2023/05/29
    カクヨム更新2週間ぶりか…
  • 10-1 総督の尻拭い - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム

    「その使者を捕まえろ!」 真琴がいきなり叫んだ。驚くべきことに女傭兵たちは迅速に反応した。言うことだけ言って帰ろうとしたソラト総督の伝令をすばやく取り押さえる。 「なにを!?」 目を白黒させる使者に真琴は笑顔を迫らせて、 「せっかくだから任務を果たすところまで見届けていきな……ね」 最後は振り返って文武に同意を求めた。声を掛けられた方は呆気にとられた意識を取り戻すと頷いた。 「そうだな……オレはアイツとは違う」 「こんなことして……っ!」 「それはこっちの台詞だ。大丈夫、終わる頃には貴方も総督から私達に乗り換えたくなっているから」 さもなければまとめて死んでいるとは言わない真琴だった。八つ当たりみたいなものだが、伝令が戻らなければソラト総督の撤退が多少は遅れて後衛戦闘の助けになるとの計算もあった。実際のところ、総督は言いっぱなしで何もかも放り投げて逃げていたが。 ハティエ勢は急いで殿軍の態

    10-1 総督の尻拭い - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム
  • 9-3 第三次オシナの戦い - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム

    文武が訪れた時、ソラト総督ウィリアム・バデレーは兜を脱いでワインを飲んでいた。前線に出た様子はなく、装備は綺麗なままである。 あからさまにやる気が薄い彼は、再出撃するべきとの主張にも迷惑そうだった。囮になったことで、既に自分の役目は終わった考えているようだ。部隊の再編成を行っているのも、もう一戦交えるためというよりは身の安全を図るためか。 もちろん彼も体面があるので表立って戦闘を拒否したりはしない。 「僭越である」と怒り、通じなければ「まだ再編成が終わらないのだ」と、はぐらかすのである。 「手遅れになる前に動きましょう。オシナがやられたら、次はオ……私達ですよ?後のことを考えれば、ここで戦った方が絶対に得です」 つい宿題を早くやれと叱る親みたいに言ってしまう。今なら少しは親の気持ちが分かるかもしれない。だが、抵抗する総督の気持ちはもっと良く分かる……。 「あっさり逃げた貴公に言われたくない

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  • 9-2 第三次オシナの戦い - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム

    転移者たちはオシナで王孫ジョージ・ウェイヴェルと久しぶりに再会した。 「なかなか派手にやっているようだな」 「恐縮です」 文武は中途半端に頭を下げた。ちょっと嫌な顔をされる。少しだけ作法に馴染んできたことで、かえって与える違和感が大きくなってしまっていた。元の無知なふるまいの方が不快感は少ない。 そんなことを聞き出した転移者たちは一年前と同じふるまいをするように努めた。ジョージは文章で回答していたことを改めて聞いてくる。 「えれべーたーを落とす方法は見つかったか?」 「残念ながら……失敗して味方の上に落としてもいけませんし」 「代わりにちょっとした仕掛けを持ってきました」 湯子が弟の後を引き継いで小細工の説明をした。(こっちはエレベーターを落とすよりも飛ばしたいんだけどな)と内心で考えながら。 「ふむ……敵が去年のことを覚えていれば時間稼ぎにはなるか」 ゴッズバラ軍の司令官は頷いた。期待通

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  • 9-1 第三次オシナの戦い - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム

    ゴッズバラ王国は例年より早く北征の動員を行った。四人全員の従軍義務がある転移者たちも出陣のお触れに応じて兵を起こした。兵を連れて行く義務はないのに、お伺いを立ててほぼ全力の百五十人を同行させる。冬の戦いに参加したことで、いざという時に自分の身を守ってくれるのは子飼いの手勢だけだと実感したからだ。 しかも、敵は強力で負ける可能性は相当高い。四人だけで行動すると味方からはぐれて捕まったり殺されたりしかねない。そもそも味方も決して安全ではない。謀殺や同士討ちの危険がある。 だから、懐が痛んでも出来るだけ兵を連れて行きたかった。四人とも快適な生活と違って、華美な生活への興味は薄かったので、ドウラスエで得た一部の贅沢品を売り払って資金を工面することが出来た。 なお、ゲーテ傭兵団は契約を延長してくれなかった。隊長いわく、 「このままでは絶対あなたに並び立つことは出来ないから」との理由だった。年下の少年

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  • 簡単に意味が変化する言葉を使うより難解な言葉を使いたい - 真名千の創作雑記ノート(真名千) - カクヨム

    校閲に言葉の変な修正をされたという話題が定期的にTwitterで盛り上がって、まとめられたりもしている。言葉は変わるものだと承知しながらも忌まわしく感じるのは、軽々しく変化した言葉の意味が今後も長持ちするとは思えないことだ。 せっかく新しい意味に合わせて言葉を使っても、その意味がまた変わってしまうのなら、わざわざその言葉を使いたくない。できるだけ後の時代の人にも意味の通じる文章を書きたい――実際に後世で私の文章を読んでくれるのはAIくらいかもしれないが。 それならばいっそのこと難解で、あまり使われないゆえに意味の変化しにくい言葉を使ってしまうのは、どうだろうか。分からなくても辞書を当たればおかしな意味にならない言葉で書かれた文章なら、二十年ごとに意味の変わる言葉で書かれた文章よりはまだ読めるんじゃないか? 問題の多い方法だし効果に限界があると分かっているけれど、流石にうんざりしてきたので何

    簡単に意味が変化する言葉を使うより難解な言葉を使いたい - 真名千の創作雑記ノート(真名千) - カクヨム
    death6coin
    death6coin 2023/05/02
    お気持ちだー
  • 8-番外編 風雲島の地理 - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム

    風雲島はある意味でイタリアよりも長っぽい形をしている。冬の間に司が集めた情報によれば、そういうことになる。国土でみるとイタリアは北部が広がってしまっているが、風雲島は北までスラッとしていた。 長のつま先にある国がチャンド大公国だ。 最初に風雲島を統一したとされる王の末裔が大公として治めている。風雲島全体に一定の権威をもつ点で日の朝廷に似ているが、良くも悪くも国としてしっかり領地を持っている。裏の滑り止めみたいに南側の山脈と海が入り組んだ地域――リアス式海岸には海賊が跳梁跋扈していて公国のコントロール下にはなかった。 おおよそ足の甲から土踏まずまでを支配しているのが、転移者たちが属するゴッズバラ王国だ。 風雲島三王国の中では最も成立が古く、農業と手工業の生産力も高い。反面、住民の気質は文化に溺れ戦争に向かないと言われる。接する勢力が多い点、国王が求心力を失っている点なども問題になって

    8-番外編 風雲島の地理 - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム
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    death6coin 2023/04/26
    地図なしでも説明文だけで位置関係わからないかなーだめかなー。追って描く。
  • 8-3 冬季攻勢 - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム

    マクィン軍に攻囲された都市オシナまで半日の位置まで進出したユートロ総督はまず狼煙を上げさせた。オシナから返答の狼煙が返ってくるのを観察しながら、残りの半日は偵察にあてる。 「これが物の狼煙なんだな」 煙を二立てたり、布で遮ってシグナルを送るのをみて、文武が感慨深く言った。ハティエ防衛のときに使った見せかけの狼煙を思い出している。 「それよりも包囲の陣地を見なよ。すごいことになってる……」 真琴が注意を促した。オシナはすっかりマクィンの陣地に取り囲まれていた。一つ一つの砦が塹壕と土塁で結び付けられて、空を飛ばなければ出ることのできない状態だ。しかも、塹壕と土塁は二重になっていて、外からオシナを救出する軍隊にも備えていた。 このまま放っておけば飢餓による陥落は確実だろう。会戦が一時的に引き分けた隙に運び込んだ物資が十分なことを祈るしかない。同時に援軍も入り込んだから余計に物資を消耗している

    8-3 冬季攻勢 - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム