多くのモノや情報に囲まれて幸福を享受しつつも、決して未来が明るいわけではなく、心の内側ではあらゆる葛藤や不安を抱えているーーそんなどこか宙ぶらりんな現代の日本の若者は、果たしてロックンロールになにを求めるのか? その点において、メンバー全員が1994年生まれ、現在は地元の神戸を中心に活動する新人、The Songbardsは非常に興味深い。 The Beatles、Oasis、andymoriといったバンドの系譜を受け継ぐ音楽性は、美しいメロディーと軽やかなビートを軸としたまさにロックンロール然としたものであり、初の全国流通盤『Cages in the Room』には等身大の魅力が詰まっている。「この四人がいてこそThe Songbardsが成り立つ」という姿勢も、強いバンド愛を感じさせるものだ。 その上で注目したいのが、歌詞を手掛ける上野皓平と松原有志のコンビである。消費社会に疲弊を感じ