経済が好調で、福祉も充実した国として知られるドイツだが、このところホームレスや自分の稼ぎや年金だけでは十分に食べていけない人々が増加している。こういった人々は、社会の片隅でひっそりと暮らしており、目に付きにくいとされている。豊かな国ドイツで密かに進む貧困が明らかになりつつある。 ◆ホームレス増加。低所得者向け住宅の減少が影響? ドイチェ・ヴェレ(DW)は、ドイツは国、地方、教会などによる緻密な社会福祉のネットワークがどの国よりも進んでおり、経済は好調、失業率も歴史的に低く、燃料や食料品の価格も他の欧州諸国よりも低いと述べる。しかし、スラム街こそないが、貧困は存在するとしている。ドイツでは約86万人の人がホームレスとなっており、路上生活者は5万2000人、友達の家やシェルターを渡り歩く人々は、80万人以上だという。 『The Local』がベルリンで取材した男性は、教育のある人が話すドイツ語