2016年秋から日本の映画界に巻き起こった長編アニメ「この世界の片隅に」のムーブメントが、さらに世界に飛び火する気配だ。6月12日にフランスで開幕したアヌシー国際アニメーション映画祭のトップバッターとして、「この世界の片隅に」が上映され大きな反響を巻き起こした。 アヌシー国際アニメーション映画祭は1960年にカンヌ映画祭からスピンオフするかたちでスタート。世界で最も古く、そして最大規模のアニメーション映画祭として知られる。イベントの目玉となる長編コンペティションの10作品には、日本から「この世界の片隅に」、「聲の形」、「夜明け告げるルーのうた」も出品されている。 12日朝10時半、映画祭のトップを切って登場したのが「この世界の片隅に」である。約1000名収容のメイン会場BONLIEU GRANDE SALLEは、映画関係者やファンで満員に。熱気溢れる観客の前に日本から訪れた片渕須直監督が壇