見えない主人公、加藤秀幸。 全盲の私が、新たに挑戦するのは、映画制作。 映画ってなんだろう? そもそもの始まりは、子供の頃…。 友人宅に数名が集まった。 その日は映画鑑賞「少年ケニア」だったかな。 集まった友人の一人が 「映画、見えないからいてもつまんないでしょ?帰っていいよ」 どう答えを返して良いのかわからなかった。 だまりこんでいると、その子の母親が「音で楽しむこともできるよ。 あなた、とてもひどいこと言ったんだからあやまりなさい。」と。 僕は、ひどいことを言われたとは思っていなかったけど、「音で楽しむ」そう答えればよかったんだ。 まだまだ見える世界と見えない世界が存在し、自分と晴眼者の間に壁が存在することを認識していなかった。 母親に映画館に連れて行ってもらうと、僕は、「ねえ、いまどうなってんの?」そして母は一生懸命説明する。 ついに隣に座っていたおっさんが 「うっせえよ、映画館では