12月13日。永田町の国立国会図書館で、65年つづく聖書研究会のクリスマスに招かれた。あのギリシア語の「Η ΑΛΗΘΕΙΑ ΕΛΕΥΘΕΡΩΣΕΙ ΥΜΑΣ」(へ アレエセイア エリュセロウセイ ヒューマス・真理が君たちを自由にする)」とも対面した。本館2階図書貸出し大カウンター右上に彫られている。 左上には初代館長・金森徳次郎の筆で「真理がわれらを自由にする」と彫ってある。国立国会図書館法前文に「国立国会図書館は真理がわれらを自由にするという確信に立って、、ここに設立される」とあるからだ。この前文は羽仁五郎の発案。そこでは「真理が<君たちを>」でなく「<われらを>自由にする」になった。だから両方がわかる方は違いに気づき驚く。わたしはこのことにかかわった最後の証人として、のちのためにもう一度その事情を13日にも後輩に話したし、またここに書き残す。 1958年、ドイツ大使館跡の国立国会図書館
2014年01月03日15:31 カテゴリ図書館学 侮るべからず図書館の調査能力 もしあなたが図書館といえば書籍や雑誌を無料で貸し出してくれる公共の施設だと思っているなら、図書館を半分ほどしか分かっていません。実は公立図書館は私たちが意外と気づいていない能力を持っている施設なのかもしれません。 新年早々、こんなことを書いてみたのは昨年末、故郷に帰省した際、親戚筋の長老からちょっといい話を聞いたからです。その話とはおおむね次のような内容です。 私が生まれ育った街は兵庫県宍粟市山崎町といいます。宍粟市は「しそうし」と呼ぶのですが、地元の人間を除くと正しく読める人はそうそういません。全国で二番目に読み方が難しい地名だという説を昔、小耳にはさんだ記憶があります。 むしろ全国的に少しは名前が知られつつあるのは山崎町の方でしょうか。NHKがまもなく放送を始める大河ドラマ「軍師官兵衛」の主人公、黒田官兵
一橋大学附属図書館が、2013年12月17日から、常設展示として「社史への招待-ただ重いだけではない-」を開始しました。2013年末をもって閉室したイノベーション研究センター資料室(前身:産業経営研究所)の旧蔵資料を中心に、特色ある社史を紹介するとのことです。 なお、展示パンフレットでは、社史の歴史、社史の資料的意義、展示資料、社史に関する/社史を用いたおもな研究文献・著作が紹介されています。 常設展示 社史への招待-ただ重いだけではない- http://www.lib.hit-u.ac.jp/pr/tenji/jousetsu/2013/hoc.html 展示パンフレット(常設展示 図書館所蔵コレクション紹介 社史への招待 ―ただ重いだけではない―) http://www.lib.hit-u.ac.jp/pr/tenji/jousetsu/2013/pamphlet_hoc.pdf
2013年3月4日、石川県立図書館は、ウェブ上で『石川県史第二編』および『第三編』(日置謙著)の本文の検索と閲覧ができるサービスを開始しました。これは同日に公開されたTRC-ADEAC株式会社の自治体史・歴史資料検索閲覧システム“TRC-ADEAC”を利用したもので、同社のプレスリリースによると、任意のキーワードと関連する本文や人物の系譜、年表などをピンポイントで検索でき、PCやタブレット端末で閲覧できるということです。 『石川県史』 検索・閲覧 (TRC-ADEAC: 自治体史・歴史資料検索閲覧システム) https://trc-adeac.trc.co.jp/WJ11C0/WJJS02U/1700105100 石川県立図書館 (2013/3/4付けのお知らせに「デジタル版『石川県史』・「延宝金沢図」をホームページからご覧いただけるようになりました。」とあります) http://www.
『近代史料研究』第12号(2012年)に掲載された,長尾宗典「『誌友交際』論序説―高山樗牛・姉崎嘲風の高等中学校時代をめぐって―」という論文を読みました[*1]. きっかけは単に著者の長尾さんに抜刷をいただいたからというだけなんですが.……ふだん歴史学の論文を読むことは皆無に近いですし,正直このタイトルから読んでみようと思えるほどの素養は僕にはありません.ただ,身近なひとが強く興味を持っているテーマならなんとか読み通すことができるみたいです.また,歴史学のひとたちがどうやって史資料を活用するのかというのは知っておかないといけないと思い,こうやって機会があればなるべく精読するようにしています.この史料を見つけたときは興奮したんだろうなぁ,などと顔を想像しながら読むのが面白いんですよ. さて,この論文のキーワードは誌友交際(という初めて聞くフレーズ),そして高山樗牛と姉崎嘲風というふたりの人物
2013年1月30日、国立国会図書館が、電子展示会「近代日本人の肖像」に252人の肖像を追加しました。これにより、閲覧できる肖像の数は約600人になりました。今回追加された肖像には、吉田茂、市川房枝、小林一三、金森徳次郎、貞奴、大川周明らのものがあります。併せて、出身地や生年月日による検索もできるようになっています。 近代日本人の肖像(国立国会図書館) http://www.ndl.go.jp/portrait/ 吉田茂(近代日本人の肖像) http://www.ndl.go.jp/portrait/datas/350.html?cat=66 市川房枝(近代日本人の肖像) http://www.ndl.go.jp/portrait/datas/506.html?cat=30 小林一三(近代日本人の肖像) http://www.ndl.go.jp/portrait/datas/369.htm
2013年1月7日、国立公文書館アジア歴史資料センターが、インターネット特別展「知っていましたか? 近代日本のこんな歴史」を公開しました。明治から昭和初期において“日本の運命を決定づけた”ものとして、16件のエピソードを同館所蔵資料の画像を交えながら解説するというコンテンツです。 知っていましたか? 近代日本のこんな歴史 http://www.jacar.go.jp/modernjapan/index.html アジア歴史資料センター(2013/1/7付け最新情報に「インターネット特別展「知っていましたか? 近代日本のこんな歴史」がオープンしました」とあります。) http://www.jacar.go.jp/ 参考: CA1724 – 国立公文書館におけるデジタルアーカイブの取組みについて / 八日市谷哲生 http://current.ndl.go.jp/ca1724 CA1464 –
デジタル時代の歴史研究者の研究活動を支援するために 米国の非営利団体ITHAKAの調査研究部門ITHAKA S+Rが,2012年12月7日に,“Supporting the Changing Research Practices of Historians”というレポートを公開した。これは,デジタル技術の活用が歴史研究者の研究活動とニーズをどのように変化させているのかを調査したものである。 調査は,2011年から2012年にかけて二段階のインタビューにより実施された。第一段階では,14名の研究支援者(図書館員,学協会関係者,出版社社員,デジタル人文学研究支援担当者等)を対象に,どのような研究支援サービスを実施しているのか等が尋ねられ,第二段階では,39名の歴史研究者を対象に,研究プロセスや文書館・図書館の利用実態等についての質問が行われた。 レポートは大きく四つのパートからなる。一つ目は,
米国教会図書館協会(National Church Library Association)が、会員数の減少や財政の悪化が原因で、2012年末をもって解散すると発表しています。同協会の季刊誌“Libraries Alive”2012年秋号では、解散を決断するに至った経緯とともに、協会会員向けに、会長のメッセージや今後の活動に役立つリソースリスト等が掲載されています。なお、Facebookで情報交換等の活動は続けられるようです。 Libraries Alive. 54(4), 2012. (PDF) http://www.churchlibraries.org/Docs/LibAlive124Fall.pdf National Church Library Association http://www.churchlibraries.org/
「歴史的音源」,国立国会図書館からの図書館送信の嚆矢 国立国会図書館(NDL)は,2012年1月,「歴史的音源」(E1186参照)の公立図書館への配信提供を試行的に開始した。7月には本格実施に移行し,11月現在,配信参加館は国内の公立図書館87館及び海外の研究機関図書館1館の計88館である。 「歴史的音源」とは,歴史的音盤アーカイブ推進協議会(HiRAC)がデジタル化した1900年代初頭から1950年代ごろまでに日本国内で製造されたSP盤等に録音された音楽・演説等の音源を指す。2009年度から2012年度までの4か年で約5万点の音源がデジタル化される見込みで,2011年5月以降,提供準備のできたものから順次「国立国会図書館デジタル化資料」で提供している。2012年11月現在,民謡,落語,浪花節,流行歌,クラシック音楽,演説,唱歌等約3万9000点が利用可能だ。 しかし,このうちインターネッ
島根大学附属図書館が事務局となって進められている、遺跡の発掘調査報告書をデジタル化し公開・発信する「全国遺跡資料リポジトリ」について、シンポジウムが開催されるとのことです。開催日は2012年11月15日、会場は大阪大学附属図書館となっています。 Ref. 全国遺跡資料リポジトリ・シンポジウムのご案内(遺跡資料レポジトリウェブサイト) http://rarcom.lib.shimane-u.ac.jp/general/doc/symp2012.html 全国遺跡資料リポジトリ・シンポジウムを開催します(11/15)(島根大学附属図書館 2012/10/10付けお知らせ) http://www.lib.shimane-u.ac.jp/new/new.asp?disp=2&id=1013 参考: 【イベント】「全国遺跡資料リポジトリ・ワークショップ」が福岡で開催(12月) http://curr
日中国交正常化40年にあたる2012年、10月18日から11月20日にかけて、国立国会図書館関西館で第12回小展示「時空をかける三国志」を開催します。 今から約1800年前の魏・蜀・呉の三国の興亡を題材として中国で成立した三国志演義は、その後アジア各国に伝わり、日本でも長く読み継がれています。展示では、関西館で所蔵する国内刊行資料やアジア言語資料のなかから、日中両国を中心に三国志演義の形成と受容の歴史を示す資料約90点を紹介します。 また10月27日には、関西館10周年記念イベントとして、京都大学人文科学研究所の金文京教授による講演会「東アジアの三国志演義」も開催します。現在申し込みを受け付けており、募集人数は70名です。 関西館小展示「時空をかける三国志」 http://www.ndl.go.jp/jp/event/exhibitions/1195909_1376.html 講演会「東ア
図書館史に関する何気ないつぶやきがリツイートされたり、ふぁぼられたりしているようだから、書きたかったことをすこしまとめておこう。 このところ図書館の歴史について書かれた本を何冊か読んだ。たまたまかもしれないが、いずれの本も、著者が異なるにもかかわらず、同じような観点から同じような通史が書かれていた。 おおまかに要約すると、次のとおりだ。1)明治維新直後に図書館という概念は輸入されたが政府に理解がなかったため普及に時間がかかった(普及したのは日露戦争後)、2)戦時中の思想善導に荷担しつつ設置数を伸ばしたが、3)戦後はそれを反省して図書館の自律を謳うようになり、公正性と公開性を追求し、4)中小レポートをきっかけに図書館サービスを確立し、70年代に図書館建設および利用が延びた。このような経緯を図書館関係者からなる組織の視点から書き起こされていた。 業界内の人たちによる過去の努力が社会的な文脈から
今月で開館から10年を迎えた国立国会図書館関西館(精華町精華台)で1日、記念展「関西の図書館100年 関西館の10年」が始まった。1904(明治37)年に一般向けの近代図書館のさきがけとして開館した大阪図書館(現在の府立中之島図書館)以降の図書館の歴史や、図書館を巡る活動を示す資料93点と写真パネルを展示。無料。31日まで(日祝日、第3水曜休)。 明治初期に京都に集書院というわが国初の公共図書館が開館したが、10年で閉鎖。日露戦争前後に、地域の図書館設置の機運が高まり、大阪に続いて、京都、奈良でも現在の府県立図書館につながる図書館が設立された。 昭和初期に、大阪で図書館用品の販売会社を営んだ間宮不二雄を中心に青年図書館員連盟が設立され、図書館用語や目録の規格統一が進んだことや、戦後の1950年に公布された「図書館法」で、司書職が規定され、利用無料の原則が定められたことを紹介した。 82年に
まずはカレントアウェアネスの話から NDLこと国立国会図書館の刊行物に『カレントアウェアネス』というものがあります.図書館や図書館情報学などに関する記事を掲載する季刊誌で,1979年に創刊,少し前に30周年を迎えました.カレントアウェアネスの各記事には「CA****」という通番が振られており,それによると,これまでに1767本の記事が掲載されたことが分かります. このカレントアウェアネス,現在はNDL関西館の図書館協力課にある調査情報係が編集・発行をおこなっていますが,1979年の創刊当初は総務部企画教養課(内の図書館情報室)→1984年からは参考書誌部一般参考課(内の図書館学資料室)→1986年からは図書館協力部図書館研究所と,その担当部署は移り変わってきています. 刊行頻度も当初月刊だったものが,2002年に関西館に移ってからは季刊になっています. また,当初カレントアウェアネスはND
記念展示会「関西の図書館100年,関西館の10年」を企画して 国立国会図書館関西館では,2012年10月1日から31日の期間,「関西の図書館100年,関西館の10年」と題する展示会を開催する。本展示会は関西館が開館10周年を迎えるにあたっての記念行事の一環で,筆者は企画の段階から関わった。 展示内容については検討の段階から色々なアイデアが挙がっていたが,今回の展示では,“図書館の歴史”を取り上げることにした。その理由はいたってシンプルである。展示を通じて,「図書館のことをより多くの方に,もっと深く知っていただきたい」ということに尽きる。 本誌読者の方はご承知のように,図書館は実に様々な業務を日々行っている。資料提供やレファレンス・サービスなどの直接的な業務もあれば,収集整理業務をはじめとして,カウンター越しには見ることのできない裏方の業務も数多く存在する。関西館が行っている図書館協力事業や
先日出席した勉強会で、とある友人から 「国民国家を構成する図書館、という視点に対し、図書館屋はあんまりにも無自覚すぎるんじゃないか?」 ということを言われた。それを聞いて、「そうだなあ」と思ったのだが、勉強会全体の議論が明後日の方向に行ってしまいそうなところがあり、その場では議論できなかったので、後だしの宿題ということで、少し応答をしておきたいと思って書く。 いわゆる国民国家論については、私が学生時代だった頃は結構流行(そして大学院を中退する頃には徐々に終息・・・)の気味があったのだが、今回のその話を受けて、少し調べてみたら、以下のようになっていた。 NDL-OPACでタイトルに「国民国家」を含む雑誌記事を検索して集計したものである。 1990年以前は、いわゆる国民国家論の文脈とは違うと思われるので除外した。また、雑誌記事索引自体が限定されたデータベースで、採録されていない紀要類もあるので
日本による朝鮮半島統治時代の慰安婦について、日本が国家レベルで強制連行し、性奴隷にしたと断定する韓国人の著書の翻訳版を、文部科学省所管の社団法人「日本図書館協会」(東京)が、全国の図書館に推奨する選定図書に指定していたことが6日、分かった。慰安婦について「強制連行を示す資料はない」とする日本政府の見解に反する内容が一方的に書かれており、識者からは「公的機関が推奨する本ではない」との批判が出ている。 本は「20年間の水曜日」(東方出版)。著者は、毎週水曜日に元慰安婦女性らとソウル市内の日本大使館前でデモ活動を続けている韓国人市民活動家の尹(ユン)美(ミ)香(ヒャン)氏で、昨年8月に日本語訳版が出版された。 内容は、当時の慰安婦について「日本軍の性奴隷制度」の被害者とし、「拉致」「連行」といった表現を使って国家レベルの強制だったと断定。終戦直後には、日本軍が罪を隠(いん)蔽(ぺい)するため、多
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