女性の解放が達成されそうなときになって、ネオフェミニストたちの敵愾心が強い活動が強まっている──。フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッドは新著でそう論じる。仏紙「フィガロ」による、男女の関係について新しい視点を示すインタビューを前後編でお届けする。 「あの敵愾心の強いルサンチマンの運動に辟易している」──トッドさんの新著『彼女たちはどこからきて、今どこにいるのか?──女性史の素描』(未邦訳)が2022年1月にフランスで刊行されました。この本では「第三波フェミニズム」やジェンダー理論がかなりきつく批判されています。 あなたに言わせれば、そうしたものは男女の間に戦争を起こそうとするものであり、現実離れしたイデオロギーだとのことです。そんなことを言うと左派のお友達が離れてしまいそうです。どうしてそんな本を書こうと思ったのでしょうか。 おっしゃるとおり、私は第三波フェミニズムと呼んでいますが、