西洋哲学史のなかでもトップクラスのとっつきにくさで知られるヘーゲル。この記事では、ヘーゲル哲学を学ぶための入り口を提案します。この夏、新たな挑戦としてヘーゲルに入門してみてはいかがでしょうか。 1.ヘーゲル哲学入門の難しさ 西洋哲学に興味のある者でその名を知らぬ者はいない、と言ってもよい大哲学者ヘーゲル。しかし、彼の思想を学ぶことには独特の困難が伴います。 1.1 文章が難解すぎる ヘーゲルの文章は非常に難解で、西洋哲学の中でもトップレベル。ヘーゲル自身も書簡でうまく書けないと嘆いており、専門の論文でも、例えば英語ならdense(濃縮された)やnotrious(悪名高い)と言った表現に何度も出会うほど。いきなりヘーゲルの著作を開いて、数行で挫折してしまった、という方も少なくないでしょう。 1.2 著書が手に入りにくい 哲学の古典と言えばまず思い浮かべる人も多いであろう岩波文庫。その岩波文庫
ソフトウェアアーキテクチャの基礎 ―エンジニアリングに基づく体系的アプローチ 作者:Mark Richards,Neal FordオライリージャパンAmazon とても良い本だ!アーキテクチャのパターンは体系的に整理されているし、アーキテクチャを議論する上で、共通の語彙となり得る用語を解説している(コンウェイの法則や、凝集度など)。 後半は、リスクや、チームビルディング、交渉術まで多岐に渡るトピックを網羅している。 必要なことは全部書いてある...けれど、なんとなく初めてPMBOKを読んだときに抱いた感想...読み始めてからすぐに「果たしてこの本に書かれている通りの考え方に沿って振る舞えばアーキテクトになれるのか?」という気持ちになりはじめたところで1章の最後の方に出てくる「ソフトウェアアーキテクチャの法則」が出てきて、「そうだよなー」という気持ちに。 ソフトウェアアーキテクチャはトレード
2020年3月、江戸時代後期の椿井政隆という人物が作った偽の家系図や絵図など「椿井文書」と呼ばれる一連の偽文書(ぎもんじょ)についてまとめた『椿井文書――日本最大級の偽文書』(中公新書)が出版され、話題を集めました。椿井文書の実体と、それを根拠に町おこしが行われている実態を明るみにした同書は「新書大賞2021」3位にも選出。歴史の嘘が真実へと置き換わっていくことについて、著者の大阪大谷大学・馬部隆弘准教授に話を聞きました。 「椿井文書」は山城国相楽郡椿井村(現在の京都府木津川市)出身の椿井政隆(1770~1837年)が、中世の地図や絵図、家系図と称して偽作した文書の総称。現在の滋賀県北部から京都南部、大阪まで数百点が広く流布した。代表的なものとして、興福寺(奈良県)の末寺をリストにまとめた「興福寺官務牒疏(こうふくじかんむちょうそ)」がある。 <名前を見ただけでむず痒くなりますね> ――「
中学や高校のとき、教科書とは別に資料集というものを購入することがある。社会科や理科の資料集はよく見かけるが、国語にも「国語便覧」と呼ばれる資料集が存在する。 その「国語便覧」がとってもおもしろいので、思入れのある人たちと一緒に、しっかり推していきたい。 国語便覧、知ってます? 国語便覧といって、みんなが「あー、はいはい、あれね」となるかどうか、いささかこころもとない。なぜなら、ぼく自身、国語の授業で国語便覧を使った記憶がないからだ。 おとなになって上京し、本屋で見かけて「え、こんな資料集があるの?」とはじめて知ったほどであった。 おそらく、学校や地域、時代によって、国語便覧を使うところ、使わないところの差があるのかもしれない。 さまざまな国語便覧 書名は、大修館書店、文英堂、数研出版、第一学習社、浜島書店などから出ているものは『国語便覧』が入った書名を使っているが、京都書房の『国語図説』『
2003年に公開された『ザ・コア』というSFパニック映画をご存じでしょうか? 主演がアーロン・エッカート(『ダークナイト』でハービー・デント/トゥーフェイスを演じた、ケツ顎が印象的な俳優)とヒラリー・スワンク(2度のアカデミー主演女優賞の受賞歴がある、名優)の2人で、なかなか豪華なキャスティングでした。楽しい作品ですが、科学考証がかなりアレなため、ブルーバックス的にはおススメしていいものか悩ましい……。 この映画のタイトルにある「コア」とは、地球の中心に現実にある「鉄球」の名前です。コアの半径は約3500kmと知られています。ちなみに、月の半径がおよそ1700km。地球の中に月よりもはるかに大きな鉄球があると聞くと、なんだか不思議な感じがしないでしょうか。 コアが存在することは間違いないのですが、わかっていることは多くありません。謎の宝庫であり、地球科学者にとっては興味の尽きない存在です。
2021年は、海外文学の新刊を読みまくった。 『本の雑誌』の新刊ガイド連載「新刊めったくたガイド」の海外文学担当になったからだ。 「新刊めったくたガイド」は、ジャンルごとにわかれて、毎月4冊以上の新刊を紹介する連載だ。日本文学、海外文学、SF、ミステリ、ノンフィクションと、ジャンルごとに担当者が書いている。 本の雑誌463号2022年1月号 本の雑誌社 Amazon これだけ新刊まみれになるのは人生はじめての経験だったので、記憶が飛ばないうちに、読んだ海外文学の感想を書いておくことにした。 ここで言う「新刊」の定義は以下のとおり(『本の雑誌』ルール)。 ・2021年に発売した、海外文学の翻訳 ・新訳、復刊は対象外 目次 ■2021年のアイ・ラブ・ベスト本 【アメリカ】ローレン・グロフ『丸い地球のどこかの曲がり角で』 【アメリカ】 ジェニー・ザン『サワー・ハート』 【ポルトガル】 ゴンサロ・
ダイヤモンド社書籍編集局が、話題の1冊を取り上げ、書き手・作り手の思いや、本のメッセージなどを深掘りして紹介する。 だから、この本。 ダイヤモンド社の話題の1冊を取り上げ、書き手・作り手の思いや執筆動機、読んでほしい理由を深掘りするインタビュー連載。著者・訳者・デザイナー・編集者など、本に関わるさまざまな人たちの「だから、この本を書きました」「作りました」をお届けします。連載の詳細・記事一覧はこちら。 バックナンバー一覧 20年以上にわたり、のべ6000件以上の家を片づけてきた「片づけのプロ」、seaさん。家事代行マッチングサービス「タスカジ」では「予約が取れない家政婦」と呼ばれ、この冬「セブンルール」にも出演するなど、人気が急上昇している。 そんなseaさんの片づけ術の集大成が、新刊『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。ーーいちばんシンプルな「片づけ」のルール』。プロ歴20年以上のsea
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