アラビア石油と富士石油の持ち株会社「AOCホールディングス」は31日、東京電力の清水正孝前社長を富士石油の社外取締役に充てると発表した。6月25日付で就任する。清水氏は福島第1原発事故が起きた当時の東電社長で、昨年6月に退任した後、今年3月末まで東電の顧問を無給で務めていた。 東電はAOCの株式を8・7%所有する筆頭株主。AOCはこれまでも東電から役員を迎え入れており、今回の人事について「前任者の退任によるもの」と説明している。一方、東電は「これまでの経験を考慮して、候補者として妥当だと判断した」としている。 AOCはこのほか、東電の武井優副社長をアラビア石油の社外監査役に、荒井隆男常務を富士石油の常勤監査役にそれぞれ充てる人事も発表した。 退任する東電の役員では、勝俣恒久会長が日本原子力発電の社外取締役に再任されるほか、宮本史昭、高津浩明両常務も関連会社社長に就任することが決まっている。