災害時のシステム障害対策として、従来はデータをバックアップしたテープを遠隔地に保管する方法が主流だった。しかし、最近のネットワークのコスト低下により、新しい遠隔バックアップの技法が利用されるようになった。今回は、これらの遠隔バックアップについて説明する。 近年、企業の事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)への関心が高まり、その中でコンピュータシステムの災害復旧(Disaster Recovery:DR)が注目されるようになった。日本では過去の2つの大事件が、この分野に関する教訓となっている。 1つは、1984年11月の「電電公社世田谷ケーブル火災」である。これは、電電公社(現:NTTグループ)の世田谷電話局前の共同溝内で発生した火災により、共同溝内の通信ケーブルが損傷したため、現場近くに事務センター(今でいうデータセンター)を設置していた2つの大手都市銀行