平成28年2月29日に文化審議会国語分科会から「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」が発表されました。「言葉のQ&A」は,この指針の内容を含め,「常用漢字表」をテーマに連載しています。平成22年の常用漢字表には,点二つの「しんにゅう」(辶)の漢字が追加されました。御存じでしたか。 問1 「しんにゅう」の漢字に,点一つのものと,二つのものがあるのはどうしてですか。 答 戦前の印刷文字では,点二つの「しんにゅう」が一般的でした。(ただし,手で書くときには,現在と同じように,点一つで次の画をゆするように書く習慣がありました。)戦後,昭和21年に「当用漢字表」が内閣告示として実施され,一般社会で用いる漢字の範囲として1850字が定められます。さらに,昭和24年に「当用漢字字体表」が定められ,当用漢字表の1850字の字体が決定されました。その際,「しんにゅう」の漢字は,点一つに統一されたので