「外国資本が日本の森林を買い占めている」─。昨今、こうした話がマスコミを賑わせている。果たしてそうした事実はあるのか。現状を追った。 「2006年3月、大泊町の森林の50ヘクタールを買いたいという中国人が実際にやってきました」。 三重県熊野市森林組合参事の奥西正守氏はこう話す。結局売買は成立しなかったものの、こうした事例は三重だけに限らない。首都圏のある地域では今年に入り、4件もの中国人による買い占め行為が確認されている。ある林業関係者はその時の状況をこう語る。 「突然中国人がやってきて、『現金があるから』といって10万坪を超える山林を買い占めようとしたり、何十万本もの数字を提示して『中国で売りたいから木を買いたい』、『ペットボトルに水を採取して中国で売りたい』などと言うのです」。 スーツに身を纏った中国人が、アタッシェケースに多額の現金を詰め込み、通常1坪約1万円のところ、10万円近くの