今年の全印工連印刷メディア協議会のテーマは「紙の復権」だった。このテーマだからか、来場者が多かった。すくなくとも私の所属している京都工組からの参加は例年の倍にはなっている。やはり印刷会社は「紙の復権」をなんといっても待ち望んでいるのだ。業態変革も今の時代、確かに正しいのだが、紙を扱って印刷機をまわすことを生業にしてきたほとんどの印刷業者にとって、コアの印刷ビジネスから業態変革することは至難の業だ。 今回の「紙の復権」に関する講演をヒントに私なりに復権の方法を考えた。ひとつは、紙に対するあらぬ誤解の払拭だ。この誤解がいかにひどいかはISO14001などの環境規格をとろうとしたらすぐわかる。まず環境コンサルタントと称する人が開口一番、印刷屋に向かって「紙を減らしましょう」なのだから。紙を使うことは森林を破壊し、大量の廃棄物を産み出す悪の産業だと言わんばかりなのだ。はたしてわれわれは必要悪として