菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahirophoto by ©️ Toyama GRN Thunderbirds 連載『なんで私がプロ野球選手に⁉』 第5回 和田康士朗・後編 前編はこちら>> 異色の経歴を辿った野球人にスポットを当てるシリーズ『なんで、私がプロ野球選手に!?』。第5回後編は、高校野球未経験ながら球界屈指のスピードスターへと駆け上がった和田康士朗(ロッテ)の、プロ入り秘話を紹介する。 富山GRNサンダーバーズ時代の和田康士朗 前に飛ぶ力強い打球はあまりない。それなのに、富山GRNサンダーバーズの監督を務める吉岡雄二は、ひとりの左打者のスイングに釘づけになっていた。 「自分のタイミングで、自分のスイングができている。まだ体ができていないから飛ばせないだけで、タイミングが取れているのが一番の魅力だな」 吉岡はNPB19年間の現役生活で通算131本塁打を放った