日本は明治維新後第3回目の革新サイクルに入ろうとしている。 丹保 憲仁/中央大学研究開発機構教授(専任研究員) 北海道開拓記念館長 北海道大学・放送大学名誉教授 専門分野 環境工学 日本近代化「坂の上の雲」サイクル 大日本帝国が世界屈指の大海軍国となり、陸軍でも巨大国に仲間入りし拡大を続けた末の、大東亜戦争の最大膨張線は短期間ながら、アリューシャン・マーシャル・ソロモン・ビルマ・中国中部・沿海部・旧満州にまで至った。敗戦後に廃墟から復興膨張した日本経済は、巨大な産業技術国家「ジャパン・アズ・NO1」と言われつつ世界の隅々にまで優れた製品を送り出し、経済戦争の覇を競い、1980年代の後半から1990年代にかけて、日本の地価総計が米国のそれよりも大きいなどとびっくりする話を平気で新聞が書いたりする経済大国になった。最大膨張期は、あまり長い時間ではなかったが、国のGDPも個人当たりのGDPも確然