ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。「ザラ」などを運営してSPA(製造小売り)のトップを走るスペインのインディテックスが最大1200店舗の店舗閉鎖を発表した。その本当の狙いとは? 緊急事態宣言による休業要請も明けて都心でもほとんどの店舗が再開したが、その品ぞろえには大差があった。休業前の春物などどこかに引き上げて新規投入の夏物を全面展開する店から、休業前の在庫状態のままスプリングコートまで陳列しているゾンビみたいな店まで、驚くほどさまざまだ。 そんな中、新規投入の夏物で大半を構成して鮮度が際立っていたのがインディテックス(INDITEX)の「ザラ(ZARA)」や「ベルシュカ(BERSHKA)」で、初夏物はコンパクトにまとめてセールしていた。路面店はゴールデンウイーク明けから営業を再開していたとはいえ、休業前に豊富にあった春物在庫はい
「ザラ(ZARA)」の親会社であるスペインのインディテックス(INDITEX)が2021年にかけて1200店舗を閉店すると発表して話題になっている。「ザラ」を擁するインディテックスは、H&Mや「ユニクロ」擁するファーストリテイリング、ギャップを加えた4大SPAの中でも売上高は3兆円を超え、頭ひとつ抜ける世界最大のファッション小売企業の一つ。その大量閉店ということもあって、日本経済新聞では「インディテックスが世界で大量閉店を決めたのは、新型コロナで業績不振に陥ったことが引き金だ」という報道も出ているが、実はこの“減店舗政策”はこれまでの施策をさらに加速させた“既定路線”なのである。 彼らが目指しているのは、「店舗とオンラインストアの完全な統合」だ。デジタル時代にマッチした未来の店舗のあり方を模索し、6年前から店舗ネットワークの再編に着手。ネットで注文して店舗で受け取る「クリック&コレクト」や
インディテックス本社。テキスタイル倉庫や自社ファクトリー、物流センターなどを併設する。業容の拡大に伴い、新棟を建設中だ(写真左手)。 「ザラ」を展開するインディテックス社は世界一のカジュアルチェーンだ。2017年1月期の売上高は233億1100万ユーロ(約2兆8900億円)、前期比11.5%増と順調で、2位のH&M、3位の「ユニクロ」を擁するファーストリテイリングに水をあけている。 営業利益率も17%と断トツに高い。ファストファッションの代表的ブランドで、自社で企画・開発から販売まで手掛けるSPA(製造小売業)だ。広告・宣伝を打たず創業者のアマンシオ・オルテガ会長も各国の社長もマスコミに登場しないため、実体はベールに包まれている。 スペイン北西部のア・コルーニャにある本社は創業の地であり、世界に張られた情報網や生産網、物流網の中枢だ。全ての商品が生み出されるデザインルームやデジタルルーム、
スペインに本拠を置くInditexが展開するアパレルブランド「ZARA」の日本法人、ザラ・ジャパンはこのほど、スマートフォンで試したい商品と試着室を予約し、試着後もスマホから商品購入が行える期間限定ストア「ROPPONGI POP UP」を六本木ヒルズにオープンした。ECなどの広がりで消費行動が多様化する中、「積極的に新しいことをしたい」と考えたという。 ROPPONGI POP UPでの買い物には、ZARAの公式アプリ(iOS/Android)を使う。アプリを立ち上げ、着てみたい商品の値札にあるQRコードかバーコードをスキャンすると試着室を予約できる。 試着室ではスタッフが指定したサイズの商品を用意する。準備ができるとアプリに通知が届くため、利用客は並んで待つ必要がない。試着は1度に6点まで。通知後8分を過ぎても利用客が試着室に来ない場合、予約は自動的にキャンセルされる。
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