県環境衛生科学研究所(藤枝市谷稲葉)に所属する科学者二人が、環境と医療(創薬)の分野で、研究のための資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。光化学スモッグの発生を予測する人工知能(AI)を開発する小田祐一さん(37)と、抗がん剤治療に使える新たな化合物を開発する安藤隆幸さん(52)。二人は「CFでの研究支援を通じ、難しい科学の世界を身近に感じてほしい」と語る。 小田さんの研究は、光化学スモッグの原因となる「光化学オキシダント」の発生条件を、過去四十年のデータを学習させたAIに予測をさせるとの内容。発生には汚染物質の濃度や風、日射などさまざまな条件が複雑に絡み、予測の精度もいまひとつなのが現状だ。実用化されれば、事前に発生時期や汚染物質の濃度がどの程度上昇するかなどを、正確に割り出すことが期待されている。 がん治療に使える化合物を探求する安藤さんは、がん細胞のDNAを修復する「Ra