新型コロナウイルス感染拡大の余波が、高級食材を直撃している。訪日外国人客の激減に日本人が外食を控える動きも加わり、カニやクロマグロ、和牛などの価格が2~5割近く下落。生産者には苦境だが、消費者には普段は縁遠い食材を気軽に自宅で味わえるチャンスだ。高級食材を安売りするスーパーも出始めた。 北海道土産を買うスポットとして知られる札幌市中心部の二条市場。歩道に面して突きだした店の棚には、新鮮なカニなどの高級海産物が並ぶ。普段なら日中は外国人客を中心ににぎわうが、18日昼に訪れると出歩く観光客はゼロ。手持ちぶさたの店員がスマートフォンを見ながら時の流れをやりすごす。「宮田商店」社長の佐々木一夫さん(69)はため息をつく。「道が『緊急事態宣言』を出した後、客がびたーっといなくなったよ」 激減したのは外国人の姿だけではない。 送別会シーズンの3月は、本来ならば飲食店にとってかき入れ時。だが、ある札幌・