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書評に関するnamawakariのブックマーク (638)

  • 埴谷雄高「政治論集」(講談社)-2 埴谷やレーニンの思想にはこの〈私〉と国家(という観念)だけがあって、その間の組織や集団や大衆、あるいは隣人、外国人などが入ってこない。 - odd_hatchの読書ノート

    2021/06/18 埴谷雄高「政治論集」(講談社)-1 1973年の続き 発行された1973年では共産主義や革命運動の党の問題は重要で深刻だったが、50年もたつと歴史的文書になってしまう。早い時期からスターリニズム批判をしていたということで、この論集は珍重されたのだろう。 作中にあるようにレーニン「国家と革命」と格闘して屈服した経歴を持つので、作家は現在(当時)の党や国家の問題を批判するのに、レーニン主義を利用し、「国家と革命」を引用する。俺のつたない読みでは、レーニンからして問題があると思う。レーニンの革命家の非人間性とか、組織乗っ取りの方法論とか、革命によって人権侵害問題が解決すると考えるようなところ。 odd-hatch.hatenablog.jp 埴谷やレーニンを読んで思ったのは、こういう人たちの思想にはこの<私>と国家(という観念)だけがあって、その間の組織や集団や大衆、あるい

    埴谷雄高「政治論集」(講談社)-2 埴谷やレーニンの思想にはこの〈私〉と国家(という観念)だけがあって、その間の組織や集団や大衆、あるいは隣人、外国人などが入ってこない。 - odd_hatchの読書ノート
    namawakari
    namawakari 2021/06/19
    “埴谷やレーニンを読んで思ったのは、こういう人たちの思想にはこの<私>と国家(という観念)だけがあって、その間の組織や集団や大衆、あるいは隣人、外国人などが入ってこない”セカイ系か。
  • 政治参加 - sunaharayのブログ

    何の因果かほんのちょっとだけ政治参加について文章を書かなくてはいけなかったのですが,たまたま最近頂いていたがすごく勉強になりました。東京大学の境家史郎先生から頂いておりました『政治参加論』は,現在熊県知事をされている蒲島先生が1980年代に書かれた名著『政治参加』の改訂版ということですが,近年の研究とデータを踏まえた全く新しいものになっています。前半では政治参加の理論についてのレビューが行われ,後半では最近までのデータを使って日を対象とした実証分析が行われています。 境家先生は,『憲法と世論』でもそうですが,長期にわたって蓄積されてきたデータを使って非常に説得的な解釈を提示していかれているように思います。第二次世界大戦後,いわゆる55年体制のもとでは「政治参加の社会的平等」が強い,つまり他の国では政治参加から疎外されがちな低所得・低学歴層が大量に動員されながら投票参加をするという特徴

    政治参加 - sunaharayのブログ
  • 自然主義のソフトランディングのために―地動説から監視社会まで― - 梶ピエールのブログ

    bigcomicbros.net ビッグコミックスピリッツに連載されている『チ。―地球の運動について―』は連載を楽しみにしているマンガの一つだ。15世紀の、科学革命以前のヨーロッパにおいて、まさに命がけで「真理」を追究しようとする名もなき知性たちに焦点を当てた作品だが、最近になって印象的に登場したと思ったらすぐに最期を迎えたピャスト伯をはじめ、敵役の天動説を信じている人々の描写も素晴らしい。 このマンガを読むとき、僕たちは、主人公たちが「なぜ命を懸けてまで地動説を追求しようとするのか?」という点に目を奪われがちだが、むしろ問うべきなのは「当時の人々はなぜ地動説をそこまで危険視していたのか?」ということではないかと思う。それには恐らく当時の神学と一体になっていた、「運命論」を含む目的論的自然観を理解することが不可欠になるだろう。天動説は「神の意志」を反映した目的論的な自然観から導かれたもので

    自然主義のソフトランディングのために―地動説から監視社会まで― - 梶ピエールのブログ
  • パク・ソルメ『もう死んでいる十二人の女たちと』 - 西東京日記 IN はてな

    ここ最近、多くの作品が翻訳されている韓国文学ですが、個人的には、『ギリシャ語の時間』や『回復する人間』のハン・ガンと、『ピンポン』や『三美スーパースターズ 最後のファンクラブ』のパク・ミンギュがちょっと抜けた存在のだと思っていましたが、このパク・ソルメの作品もすごいですね。 1985年生まれの女性作家で、ハン・ガン(1970年生まれ)やパク・ミンギュ(1968年生まれ)に比べると若いですが、一種の「凄み」を感じさせます。 まず、冒頭に置かれているが「そのとき俺が何て言ったか」という作品ですが、いきなり理解不能な暴力が描かれています。 カラオケ店のオーナーと見られる男は客の女性に「一生けんめい」歌うことを要求するのですが、その姿は映画『ノーカントリー』でハビエル・バルデムが演じた殺し屋のシガーを思い起こさせるもので、読み手にも異常な圧力で迫ってきます。 書は訳者の斎藤真理子による日オリジ

    パク・ソルメ『もう死んでいる十二人の女たちと』 - 西東京日記 IN はてな
  • 呉座勇一「戦争の日本中世史」新潮選書2014.1. - 旧tototo

    同じ著者の「応仁の乱」が面白かったので読んでみたところ、だいぶ若書きというか暴走気味で「学術的な歴史」としては微妙なのだけども、それゆえに興味深いところがあるなあと思ったので、主にそちらについて。 「応仁の乱」のほうは漠然とした総論で大づかみに語られる日史上の一大エポックを細かい事件経過で綴るというもので、こちらは著者のやるべきスタイルが確立した、とても良いだった。 一方、それ以前に書かれてるこちらのは、たぶん若手が張り切りすぎて空回りしてるんだろうなあ、もしくは時間も準備もないまま慌てて書いてしまって取り繕いようがない、という感じの力み具合があって、個別の記述は面白いところも多々あるんだけれども、全体をまとめようとして導入した視点というか史観が「戦後のマルクス主義階級闘争史観の批判」で、著者自身も「書は非常に偏っている」とか「一種の思考実験」とかエクスキューズを述べてるんだけど

    呉座勇一「戦争の日本中世史」新潮選書2014.1. - 旧tototo
    namawakari
    namawakari 2021/03/25
    かつて、自由主義史観に歴史の教員が大量にヤラレタ要因について、ソ連崩壊後にマルクス主義以外の説明理論を探していた人たちが飛びついたから、という解説を小熊英二がしていたのを思い出した。
  • ラムザイヤー教授の「従軍慰安婦」の論文の主張ってどんな内容なの?|弁護士ほり

    議論を呼ぶラムザイヤー教授の論文 いわゆる「従軍慰安婦」問題について、ハーヴァード大学のラムザイヤー教授が発表した論文が議論を呼んでいますが、一体どのような内容なのでしょうか。 その全文は、次のリンク先で見ることができます。 https://news.yahoo.co.jp/byline/takeuchikan/20210225-00224442/ 私はこの分野の専門家でも何でもありませんが、ラムザイヤー論文を自分なりに読んでみたところ、一応何を言わんとしているかくらいは理解できたように思いますので、以下、主だった論点を整理してご紹介することにします。 なお後述のとおり、ラムザイヤー教授は歴史学者ではなく、「法と経済学」という法学と経済学にまたがる分野の研究者です。 ラムザイヤー論文の主張の中核の部分  主張の中核的な部分を要約してみると、おおむね次のとおりでしょう。 ①当事者の女性たちは

    ラムザイヤー教授の「従軍慰安婦」の論文の主張ってどんな内容なの?|弁護士ほり
    namawakari
    namawakari 2021/03/05
    こんな強い主張を怪しげな根拠でされたんなら、そらエッカートやゴードンのような本職の歴史学者は怒るわな。
  • ピーター・ターチン「ブルース・ブエノ・デ・メスキータは新たなるマキャヴェリである『独裁者のためのハンドブック』が駄本である理由:その1」(2018年6月4日)

    The New Machiavelli June 04, 2018 by Peter Turchin 私が長期的に関心をもっているものの1つに、指導者と追随者がどう制度化されるかの動態がある。大規模な社会や他の大きな人間集団(企業を含む)は、完全な平等主義にはなりえない。別のエントリで書いたように、人間は蟻ではない。 協力を大規模に組織するには、指導者が必要だ。必然的にエリート(社会学的に中立な意味で「社会権力を掌中化する人口の極一部」)と平民(人口の残り)が出現する。大きな問題となっているのが、(程度の差はあれ)社会学の最も基礎的な法則の一つである寡頭政治の鉄則(簡単に言えば「権力の腐敗」)を、(一部)人間組織はいかにして回避、あるいは緩和するかだ。 なので、私はブルース・ブエノ・デ・メスキータとアラスター・スミスによる『独裁者のためのハンドブック:悪行がほとんどの場合に良い統治となる理

    ピーター・ターチン「ブルース・ブエノ・デ・メスキータは新たなるマキャヴェリである『独裁者のためのハンドブック』が駄本である理由:その1」(2018年6月4日)
  • 『月刊みすず(63巻1号[no. 700]2021年1-2月合併号)』+次点5冊 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    (2021年2月1日発行,みすず書房,東京,体価格300円 → 版元ページ) この「2020年読書アンケート特集号」があれば,しばらくの間は “活字飢餓” に陥らなくてすむ.ワタクシがセレクトした5冊は(pp. 77-78)は下記の通り.次点5冊と合わせてリストアップする. 今年の5冊【書名】『「色のふしぎ」と不思議な社会:2020年代の「色覚」原論』 【著者】川端裕人 【刊行】2020年10月25日 【出版】筑摩書房,東京 【ISBN】978-4-480-86091-0 【書名】『統計学を哲学する』 【著者】大塚淳 【刊行】2020年10月30日 【出版】名古屋大学出版会,名古屋 【ISBN】978-4-8158-1003-0 【書評】https://leeswijzer.hatenadiary.com/entry/2020/12/22/062021 【書名】『採集民俗論』 【著者】野

    『月刊みすず(63巻1号[no. 700]2021年1-2月合併号)』+次点5冊 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek
  • 高村 学人 先生 (政策科学部) | 教員お薦め本 | 学生支援 | 立命館大学図書館

    『国家 (上)(下)』 プラトン著(岩波文庫) 古典とは難解なものであるのが常だが、古典中の古典である書は、なぜかどんな人でもその世界に引き込んでしまう。書でのソクラテスの対話の流れに一度身を委ねてほしい。紀元前のギリシャ時代にここまで論理的にあらゆる物事が考えられ、議論し尽くされていたことに人類世界の偉大さを発見するはずだ。そのような知への敬意がフィロソフィーの出発点となる。 貸出状況の確認  RUNNERS 『人間の条件』 ハンナ・アレント著(ちくま学芸文庫) 公共性をめぐる議論が今日盛んであるが、書のようなギリシアでの「政治」の成立を丹念に描き出すを是非学生には読んで欲しい。そこにこそ西欧における「政治」が常に参照点としてきたモデルがあり、今日の公共性論も結局のところ、そこが参照点となるからである。 貸出状況の確認  RUNNERS 『農村法律問題』 末弘厳太郎著(農山漁村文

  • これは「入門書」の究極型かもしれない。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    コンセプトからして購買意欲をそそるに十分で、告知が出るなり早々に予約して取り寄せた書籍がこの週末に届いた。 「入門書」ということで、読み手に優しい文章と、時にキュートさすら感じさせる挿絵の図解、そして細かく区切られたテーマごとに完結する記述のまとまりの良さと、その合間に添えられたコラムのおかげで、集中力をそがれることなく一気に読み切ることができた。 そして、読み終えた後の感想は、といえば、(実にベタだが)「これは凄い」の一言に尽きる。 手にとるようにわかる会社法入門 作者:川井 信之発売日: 2021/02/03メディア: 単行(ソフトカバー) 「会社法の」といえば、基書*1はもちろん、「入門書」とうたわれていても分厚くなるのが常で、しかも用語が錯綜、シンプルに書けば書くほど記述が無味乾燥なものになりがち・・・ということで、専門家が書かれたの中で通読できるようなものはおそらくほとん

    これは「入門書」の究極型かもしれない。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
  • 『種を語ること、定義すること:種問題の科学哲学』書評 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    網谷祐一 (2020年12月20日刊行,勁草書房,東京, viii+238+xv pp., 体価格3,200円, ISBN:978-4-326-10288-4 → 目次|版元ページ) 【書評】※Copyright 2021 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 肩透かしから学ぶ「種問題」の現在「《種》とは何か?」「《種》はどのように定義できるのか?」—— 生物体系学において長きにわたって戦わされてきた「種論争」のなかで幾度も問われ続けてきたこれらの疑問は現在もなお解決できてはいない.地球上の生物多様性を語るとき,誰もが “共通通貨” として使うに値する《種》の概念があればさぞかし役に立つだろう.しかし,過去何世紀にも及ぶ種論争の泥沼から抜け出られる気配はいまだにない.ワタクシはこの種論争は解決されることに意義があるのではなく,いかにしてそれととも

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  • 柄谷行人、浅田彰『全対話』 - 備忘録

    柄谷行人浅田彰全対話 (講談社文芸文庫) 作者:柄谷行人,浅田彰発売日: 2019/10/11メディア: Kindle版 1980年代から90年代にかけての対話を集約しており、以前、何処かで読んだことのある文章がほとんど*1。バブル崩壊・金融危機以前の時代性が色濃く感じられ、長期停滞期を経た今とは文脈が異なる。加えて、経済学的な視点からみると、現在の論壇水準から乖離した「稚拙」さがある*2。「グローバリズム」という概念は未だなく(もしくは意味合いが異なっており)、それが現れる直前の極限点に思考を進めるが、現在の視点からすれば日的「ポスト資主義」といったものにリアリティは感じない。 日的「コーポラティズム」批判にしても、そもそも、日には「主体」がなく関係主義的なので「コーポラティズム」も容易なのだ、といった物言い自体、唯物的ではない。日の雇用システムは、幾度かの批判の反復を繰り返し

    柄谷行人、浅田彰『全対話』 - 備忘録
    namawakari
    namawakari 2020/12/29
    “マルクスというのは経済学が古典派から新古典派へ「進化」する際の「必要悪」のようなもの…労働価値説から効用価値説へ移行する上で、マルクスの自己疎外論や価値形態論は、必然的に経過すべき地点にある”
  • 2020年の本 - 西東京日記 IN はてな

    例年通り、今年読んで面白かった小説以外の(社会科学のばかり)と小説を紹介ます。 今年はコロナの影響で自宅勤務になったりして「いつも以上にが読めるのでは?」などとも思いましたが、子どもがいる限り無理でしたね。そして、小説は読むスピードが随分鈍りましたし、そのせいか長編が読めなくなったというか、読まなくなった。短編集ばかりを紹介しますがご容赦ください。 なお、新書に関しては別ブログで2020年のベストをまとめています。 blog.livedoor.jp 小説以外の(読んだ順) 木下衆『家族はなぜ介護してしまうのか』 なんとも興味をそそるタイトルですが、書は、認知症患者のケアにおける家族の特権的な立場と、それゆえに介護専門職というプロがいながら、家族が介護の中心にならざるを得ない状況を社会学者が解き明かしたになります。 最終的には次のような答えが導き出されているのですが、そのプロセス

    2020年の本 - 西東京日記 IN はてな
  • 年の瀬 - sunaharayのブログ

    オンライン講義の準備は際限なく続きますが一応仕事納めということで,気持ちとしてはまだ10月くらいなんですがどうも2020年が終わってしまうようです。新型コロナウイルス感染症の蔓延という昨年の今頃は全く予期せぬ出来事によって,ご多分に漏れず2020年は大変な年になってしまいました。来年は多少なりとも感染症以前に戻ることを祈りたいです。しばらく感染症対応が続くという予測も強いようでなかなか厳しいものがありますが。 今年何をしたっけ,というのはもはや記憶のかなたという感じですが,年の初めの方は「政策会議」の論文を書いてました(「政策会議は統合をもたらすか-事務局編制に注目した分析」『季刊行政管理研究』169号(小林悠太さん・池田峻さんと共著)。2月に入稿して3月に出るころには子どもがずっと家にいる状況になり,慣れるまでは何もできないし慣れてからもボチボチ論文読んでるくらいと。このときに後期のオン

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  • 『統計学を哲学する』読売新聞書評 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    大塚淳 (2020年10月30日刊行,名古屋大学出版会,名古屋, iv+242 pp., 体価格3,200円, ISBN:978-4-8158-1003-0 → 目次|版元ページ) 読売新聞大評が公開された:三中信宏「科学哲学の新たな到来 —— 統計学を哲学する 大塚淳著 名古屋大学出版会 3200円」(2020年12月6日掲載|2020年12月14日公開). 科学哲学の新たな到来 評者は方々の大学や農業試験場で統計学を教えた経験が長い。統計学と聞けばすぐさま難解な数学や数式を連想して震え上がる受講者を前に、「統計学の真髄は数学ではない」と説くことから始める。ばらつきのある不確定な現象に大昔から直面してきた人間には素朴な統計的直感が備わっている。統計学はヒトのもつ認知心理的基盤を無視できない。科学哲学もまた同様に確率論と統計学の基礎と深く関わっている。 書は、古典的な頻度主義統計学から

    『統計学を哲学する』読売新聞書評 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek
    namawakari
    namawakari 2020/12/25
    “統計学はもともと既知のデータから未知の仮説への橋渡しをする非演繹的な帰納推論…その背後には単なる数学的論理にはおさまりきらない哲学(存在論・意味論・認識論)上の諸問題が横たわっている”
  • 2020年の新書 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    12月23 2020年の新書 カテゴリ:その他 去年の「2019年の新書」のエントリーからここまで51冊の新書を読んだようです。冊数としては去年と同じなのですが、今年に関してはちょっと言い訳しなければならないことがあります。 例年だと、その年の11月にまで出た新書を年内に読み終えて、「年のベスト」という形で紹介しているのですが、今年は夏から秋にかけての面白そうな新書のリリースラッシュによって、11月出版のものには手がつけられませんでしたし、10月出版のものでも読もうと思っていたものが1冊残っています(河合信晴『物語 東ドイツ歴史』(中公新書))。 また、ベストの中には去年の10月に出たものも混じっており、「2020年の新書」というタイトルからは少しずれたものになってしまいました。 全体としての印象は「飛び抜けたものはなかったかもしれないが、良書は多かった」というもので、特に先程にも書い

  • 小熊英二、樋口直人編『日本は「右傾化」したのか』 - 西東京日記 IN はてな

    ここ最近話題になっている「右傾化」の問題。「誰が右傾化しているのか?」「当に右傾化しているのか?」など、さまざまな疑問も浮かびますが、書はそういった疑問にさまざまな角度からアプローチしています。 実は、国民意識に関しては特に「右傾化」という現象は見られないが、自民党は以前より「右傾化」しているというのが、書の1つの指摘でもあるのですが、そのためか、執筆者に菅原琢、中北浩爾、砂原庸介といった政治学者を多く迎えているのが書の特徴で、編者は2人とも社会学者であるものの、社会学からの視点にとどまらない立体的な内容になっていると思います。 目次は以下の通り。 総 説 「右傾化」ではなく「左が欠けた分極化」  小熊英二 第I部 意 識 1 世論 世論は「右傾化」したのか  松谷満 2 歴史的変遷 「保守化」の昭和史――政治状況の責任を負わされる有権者  菅原琢 第Ⅱ部 メディア・組織・思想 1

    小熊英二、樋口直人編『日本は「右傾化」したのか』 - 西東京日記 IN はてな
    namawakari
    namawakari 2020/12/08
    “ 「保守化」あるいは「若者の保守化」は、選挙結果の裏にある複雑なメカニズムをスキップして、わかりやすい話に落とし込むために使われたマジックワードのようなものなのです”
  • 今年の10冊 - 備忘録

    恒例のエントリーです。以下、順不同で。 ジェイン・ジェイコブス(香西泰訳)『市場の倫理 統治の倫理』 市場の倫理 統治の倫理 (ちくま学芸文庫) 作者:ジェイン ジェイコブズ発売日: 2016/02/09メディア: 文庫 traindusoir.hatenablog.jp ケネス・アロー(村上泰亮訳)『組織の限界』 組織の限界 (ちくま学芸文庫) 作者:アロー,ケネス・J.発売日: 2017/03/08メディア: 文庫 アローといえば、一般均衡理論におけるアロー=ドブルー・モデルや「アローの不可能性定理」によって知られるが、書では、(サイモンやウィリアムソンにみられるような)組織の経済学について主に論じられる。組織の経済学では取引費用の概念が中心を占めることが多いが、書の議論で中心を占めるのは情報の不完全性やシグナルである。また、ジェイコブス『市場の倫理 統治の倫理』にある取引を可能に

    今年の10冊 - 備忘録
  • エマニュエル・サエズ/ガブリエル・ズックマン『つくられた格差』 - 西東京日記 IN はてな

    ピケティの共同研究者でもあるサエズとズックマンのこのは、格差の原因を探るのではなく、格差を是正するための税制を探る内容になっています。序のタイトルが「民主的な税制を再建する」となっていますが、このタイトルがまさに書の内容を示していると言えるでしょう。 富裕層への最高税率が引き下げられたこと、法人税が引き下げられたことなどが格差の拡大に寄与しているということは多くの人が感じていることだと思いますが、同時に、富裕層への最高税率が引き上げられたら富裕層海外へ逃げてしまう、法人税を引き上げたら企業が海外に逃げてします、経済成長にブレーキが掛かってしまうという考えも広がっています。そして、こうしたことを考えると結局は消費税(付加価値税)をあげていくしかないという議論の見られます。 こうした考えに対して、書は富裕層や企業からもっと税金を取るべきであり、それは可能であるという主張をしています。

    エマニュエル・サエズ/ガブリエル・ズックマン『つくられた格差』 - 西東京日記 IN はてな
  • シン=トゥン・ヤウ、スティーブ・ネイディス(久村典子訳)『宇宙の隠れた形を解き明かした数学者 カラビ予想からポワンカレ予想まで』 - 備忘録

    宇宙の隠れた形を解き明かした数学者 カラビ予想からポアンカレ予想まで 作者:シン=トゥン・ヤウ,スティーブ・ネイディス発売日: 2020/10/07メディア: 単行 微分幾何学者で数理物理の世界に大きな名を残す数学者シン=トゥン・ヤウの自伝。原題は”The Shape of a Life One mathematician’s search for the universe’s hidden geometry”。全体がヤウの一人称で書かれており、もう一人の著者であるネイディスの役割は、よくわからない。 客家の出であるという著者の出自から、父を早く亡くし、極貧の中にあっても教育に重きを置く家庭環境に支えられ、20歳でUCバークレーに進学する、といったところから書の物語は始まる*1。著者の名は、超弦理論のブームもあり、カラビ予想の解決、カラビ=ヤウ多様体の発見といったところからよく知られて

    シン=トゥン・ヤウ、スティーブ・ネイディス(久村典子訳)『宇宙の隠れた形を解き明かした数学者 カラビ予想からポワンカレ予想まで』 - 備忘録
    namawakari
    namawakari 2020/11/19
    ペレルマンについて。