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書評に関するnamawakariのブックマーク (638)

  • 赤瀬川源平「トマソン大図鑑 空の巻・無の巻」(ちくま文庫) トマソン批評は内輪うけねらいで皮相的な消費運動。リベラルが愛国主義に転向する日本的な運動。 - odd_hatchの読書ノート

    トマソンについては、赤瀬川源平「超芸術トマソン」(ちくま文庫)を参照。雑誌の連載、単行出版のあとも各地からの報告があった。いくつかにしていたが、総集編のようにして、1996年に「無の巻」「空の巻」の二冊を文庫化した。 それから20年がたち、もう一度見ると、もう面白がれない。興味がわかない。トマソンの積極的な評価は前のリンク先に書いたので、それを見てもらうとして、今度はネガティブなことを。 写真のキャプションをみてわかったのだが、トマソンとされた物件の多くは、昭和20-30年代に作られた建物を改装・改築したときに間に合わせで作ったものだった。テレビ番組「劇的ビフォーアフター」などにでてくる、戦前・戦中生まれのお爺ちゃんがむりやり増築した、風呂がないところにむりやり作ったという物件があるでしょ。その結果、段差がひどいとか、動線がめちゃくちゃとか、土台が危ないとかの物件が出てくる。たいていは

    赤瀬川源平「トマソン大図鑑 空の巻・無の巻」(ちくま文庫) トマソン批評は内輪うけねらいで皮相的な消費運動。リベラルが愛国主義に転向する日本的な運動。 - odd_hatchの読書ノート
    namawakari
    namawakari 2019/02/07
    “批評家になった人たちはべつに愛国主義者ではなく、当時は「リベラル」と目されるような人たちだった。それが経済発展などの恩恵を受けて小金をもつようになると、国家と同一意識を持つようになってしまう”
  • 善教将大『維新支持の分析』 - 西東京日記 IN はてな

    ここ最近、「ポピュリズム」という言葉が、政治を語る上で頻出するキーワードとなっています。アメリカトランプ大統領に、イギリスのBrexit、イタリアの五つ星運動にドイツのAfDと、「ポピュリズム」というキーワードで語られる政治勢力は数多くいるわけですが、では、日における「ポピュリズム」といえば、どんな勢力がそれに当てはまるでしょうか? そこで、小泉純一郎や都民ファーストの会と並んで、多くの人の頭に浮かぶのが、おおさか維新の会でしょう。特に代表を務めていた橋下徹は多くの論者によって代表的な「ポピュリスト」と考えられていました。 「橋下徹という稀代のポピュリストによって率いられ、主に政治的な知識が乏しい層から支持を調達したのが維新である」というイメージは幅広く流通していたと思います。 しかし、このはそうしたイメージに対し、実証的な分析を通じて正面から異を唱えるものとなっています。 目次は以

    善教将大『維新支持の分析』 - 西東京日記 IN はてな
  • 2018年に読んだ本から / 吉田秀和『言葉のフーガ 自由に、精緻に』 - オベリスク備忘録

    日曜日。晴。今朝は氷点下だったらしい。 NML で音楽を聴く。■バッハのヴァイオリン・ソナタ第三番 BWV1016 で、ヴァイオリンはアレクサンドル・ブリラ、チェンバロはマリア・バナシキヴィッチ=ブリラ(NML、CD)。■ボロディンの「小組曲」、他で、ピアノはクリスチャン・イーレ・ハドラン(NML、CD)。■シューマンの「謝肉祭」 op.9 で、ピアノはホルヘ・ボレット(NML)。さすがはボレット。すばらしい。 ■ディーリアスのチェロ・ソナタで、チェロはジュリアン・ロイド・ウェバー、ピアノはベンクト・フォシュベリ(NML)。 Complete Music for Cello & Piano アーティスト: Julian Lloyd Webber,Edvard Grieg,Frederick Delius,Bengt Forsberg出版社/メーカー: Philips発売日: 1998/05

    2018年に読んだ本から / 吉田秀和『言葉のフーガ 自由に、精緻に』 - オベリスク備忘録
  • 2018年の本10選的な奴と映画 - logical cypher scape2

    今年のブログを見返してみると、今年は普段より全然を読めてない年だったみたい こうしてまた読みたいがたまっていくのだった…… まあ何かしら読んではいたものの、ブログに起こせてないものも結構あったりとかいう理由はあるけど 今年読んだで、一応、刊行が去年か今年のものになっているものの中から、印象に残ったタイトルをいくつか選んでみた。 特に何も考えずに選んだけど、結果的に、人文社会系4冊、理工系3冊、小説3冊の10選になった。 プラスアルファで映画も2選んだ。 人文社会系 橋陽介『物語論 基礎と応用』 橋さんのは橋陽介『ノーベル文学賞を読む』 - logical cypher scape2も読んだけど、どちらも面白かった。魔術的リアリズムとか自由間接話法とか知っているようでよく知らないあたりの話題とかについて解説されていてよかった sakstyle.hatenadiary.jp マ

    2018年の本10選的な奴と映画 - logical cypher scape2
  • 2018年の本 - 西東京日記 IN はてな

    毎年恒例ということで、今年は小説以外のから新刊(文庫化含む)を読んだ順で6冊、少し前のから2冊を紹介したいと思います。 小説に関しては去年にひき続いて今年もあまり読めず…という感じで、なおかつ突き抜けたようなすごい小説は読めなかったので、例年とは違い読んだ順で順位を付けずに5冊紹介します。 なお、新書に関しては別のブログで「2018年の新書」をまとめています。 ・ 小説以外の 今井真士『権威主義体制と政治制度』 サブタイトルは「「民主化」の時代におけるエジプトの一党優位の実証分析」。権威主義体制がいかに成立し、またそれがいかなる時に「民主化」するのかということを主にエジプトを事例にあげながら分析したになります。 中東は今まで「民主化の失敗事例」として一種の逸脱として捉えられることが多かったですが、これを「権威主義体制の成功事例」と捉え、さらにその中でも一党優位制→「アラブの春」によ

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  • 今年の10冊 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    中央でのレクチャーが始まったうえに某シンクタンクの報告書(残念ながら非公開)の分担執筆が年末締切であり、さらに25日締切で対談1と座談会1のチェック・補加筆がある(対談の連載ははじまっております。第1回、第2回、第3回。何回になるかは実は知らない(笑))。というありさまでさすがにブログまでは手が回らない状況に陥っておりました。年末年始も講義の準備ですよとほほほほ。 もちろん中央の教員になって良かったことというのもいくつかあってそのひとつが大学図書館を自由に使えることであり、公共図書館には入りにくい(まあ調布市図書館はかなりがんばっているとは思いますが)ようなでも中央の図書館ならまあ数か月待てば入ってくるのでまことにありがたいことこの上ない。ありがとうございますありがとうございます、ということで年末恒例のこれを。そう言ったわりに図書館で借りたはあまり入っていないな(笑)。実は10冊だ

    今年の10冊 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)
  • 2018年に読んでいた本 - Close To The Wall

    今年は結構読めたので、ベストの10冊を選ぶのはなかなか難しかった。それぞれのを扱った記事にリンクしてあるので詳しくはそっちで。 笙野頼子『ウラミズモ奴隷選挙』河出書房新社 倉数茂『名もなき王国』ポプラ社 飛浩隆『零號琴』早川書房 伊藤計劃・円城塔『屍者の帝国』河出文庫 津島佑子『ジャッカ・ドフニ』集英社文庫 石川博品『あたらしくうつくしいことば』同人誌 ケイト・ウィルヘルム『クルーイストン実験』サンリオSF文庫 ケン・リュウ『紙の動物園』&『もののあはれ』ハヤカワ文庫SF J・G・バラード『J・G・バラード短編全集』1.2巻 東京創元社 イヴォ・アンドリッチ『宰相の象の物語』松籟社 笙野頼子『ウラミズモ奴隷選挙』河出書房新社 ウラミズモ奴隷選挙 作者: 笙野頼子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/10/23メディア: 単行この商品を含むブログを見る『水晶内制度』、おんた

    2018年に読んでいた本 - Close To The Wall
  • 誰が得するんだよこの本ランキング・2018 - 誰が得するんだよこの書評

    誰が得するかは知らないが、少なくとも私が得したことは間違いない、そんな年間ベストの紹介です。 実用書 ナシーム・ニコラス・タレブ 「反脆弱性 不確実な世界を生き延びる唯一の考え方」 MBAにおける意思決定の講義では、それぞれのシナリオごとの確率とその影響(金銭的な損得)を予想して期待値を計算するというのをやるんですが、タレブによれば、そうしたやり方は完全に間違っている、とのことです。すなわち、そもそもここでいう確率というのは、過去に起きたことが未来も起こるだろうという強い仮定の上に成り立っています。仮に過去のデータがそろっていたとしても、そもそもそのデータもリーマンショック前のサブプライムローン市場のように、非常に短い期間においてたまたまうまくいっている時だけを切り抜いている可能性もあります。一見、データに基づいて理性的に判断しているようでいて、実は、非常に「脆い」(ランダムな事象に弱い

    誰が得するんだよこの本ランキング・2018 - 誰が得するんだよこの書評
  • 『ホモ・デウス:テクノロジーとサピエンスの未来(上・下)』日本経済新聞書評 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    ユヴァル・ノア・ハラリ[柴田裕之訳] (2018年9月30日刊行,河出書房新社,東京, 265 pp./284 pp., 体価格1,900円/各巻, ISBN:9784309227368/ ISBN:9784309227375 → 版元ページ:上巻・下巻|版元特設サイト) ワタクシの日経済新聞書評文化の日に公開された:三中信宏「“神" へと昇りゆく人間の運命」(書評:ユヴァル・ノア・ハラリ[柴田裕之訳]『ホモ・デウス:テクノロジーとサピエンスの未来(上・下)』2018年9月刊行,河出書房新社)日経済新聞2018年11月3日朝刊. 書『ホモ・デウス』は,前作:ユヴァル・ノア・ハラリ[柴田裕之訳]『サピエンス全史:文明の構造と人類の幸福(上・下)』(2016年9月30日刊行,河出書房新社,東京, 267 pp./294 pp., 体価格1,900円/各巻, ISBN:9784309

    『ホモ・デウス:テクノロジーとサピエンスの未来(上・下)』日本経済新聞書評 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek
    namawakari
    namawakari 2018/11/04
    “ワタクシ的な読後感から言えば,ジャレド・ダイアモンドの一連の名著…から生態・進化・生物地理の要素を“脱色”してしまえば,ユヴァル・ノア・ハラリの人類史物語…になるような印象を受けた”
  • RN's備忘録:レビツキー&ジブラット2018,川中編2018,Tomini&Wagemann2018 - livedoor Blog(ブログ)

    1. レビツキー,S. & D. ジブラット著(濱野大道訳)2018.『民主主義の死に方』新潮社. 2. 川中豪編. 2018. 『後退する民主主義、強化される権威主義:最良の政治制度とは何か』ミネルヴァ書房. 3. Tomini, Luca & Claudius Wagemann. 2018. “Varieties of Contemporary Democratic Breakdown and Regression: A Comparative Analysis,” European Journal of Political Research, 57, 687-716. 最近読んだ3つの研究。相互に関連づけつつ整理してみたい(ほぼ1.のレビューだけど)。 ● レヴィツキとジブラットのの主たるアーギュメントはおそらく三つで, 民主主義の内側からの独裁化を防ぐには, 1.最初から潜在的独

    namawakari
    namawakari 2018/11/04
    濃ゆい書評。“問われるべきは,…独裁に突入しやすい政治制度/憲法を持っていたにもかかわらず,これまで独裁化を防いできたアメリカの現象の方が謎であると言える”
  •  ケネス・シーヴ、 デイヴィッド・スタサヴェージ『金持ち課税』 - 西東京日記 IN はてな

    帯に「民主主義は累進課税を選択しない。選択させたのは、戦争のみだった」との言葉がありますが、これは書の主張を端的に表している言葉といえるでしょう。 20世紀の前半には累進課税が強化されて格差の縮小が見られたが、後半からは累進課税の弱まりによって格差が拡大しつつあるということはピケティの研究などによって知られていますが、このでは、その累進課税の強化が戦争の犠牲に対する補償という論理で導入され、戦争による大規模動員がなくなるとともに支持を失っていったということを示しています。 貧乏人は常に累進課税の強化を望んでいるようにも思えますが、実はそうではないのです。 目次は以下の通り。 第1部 課税をめぐる議論 第1章 政府が富裕層に課税する理由 第2章 市民の平等な扱い 第2部 政府はどのようなときに富裕層に課税してきたか 第3章 過去2世紀の所得税 第4章 相続財産への課税 第5章 文脈のなか

     ケネス・シーヴ、 デイヴィッド・スタサヴェージ『金持ち課税』 - 西東京日記 IN はてな
  • 田村一夫『公務員が議会対応で困ったら読む本』 - 紙屋研究所

    誰が読むんだこんな…。 といいつつ、買って読んで面白がっているのはぼくである。 地方議会で答弁するのは、首長(知事とか市長)だけじゃないの? と思う人もいるかもしれない。「いや市長だけじゃなくて担当の役人が答弁しているのをなんか見たことあるよ」と答えた人は、地方議会を何度か傍聴したり、テレビで関心をもってみている人であろう。「会議では部長答弁、委員会では課長答弁」と答えたあなたは、ただのマニアである。*1 書は東京・多摩市で副市長までつとめた著者が、こうした部長・課長クラスはもとより、その答弁準備をする部下たちのために書いた、実にニッチなである。類書もあるのだが、実名でこの種のノウハウを書けるというのは珍しい。 「ご飯論法」が少し話題になったけど、安倍政権の答弁や話法のひどさは別格として、「昔からある役人の答弁術」というレベルの話でいえば、そのレトリックはどうなっているのかを学べ

    田村一夫『公務員が議会対応で困ったら読む本』 - 紙屋研究所
  •  アマルティア・セン『アイデンティティと暴力』 - 西東京日記 IN はてな

    少し前に読んだで感想を書きそこねていたのですが、これは良いですね。現代における理想主義の一つの完成形ともいえるような内容で、理想主義者はもちろん、理想主義を絵空事だとも思っている現実主義者の人も、ぜひ目を通して置くべきだと思います。 著者はご存知、アジア人初のノーベル経済学賞を受賞したインド出身のアマルティア・セン。彼の講演をもとにしたもので、読みやすく、またセンの思考のエッセンスが詰まっています。 書の元になった講演の一部はボストン大学で2001年の11月から翌4月にかけて行われたものです。ちょうどアメリカの9.11テロの直後であり、イスラームと西洋諸国の「文明の衝突」が叫ばれた時期でもあります。 もちろん、センはこうした衝突に反対する立場をとります。センはアイデンティティの重要性を認めつつ、「1人に1つのアイデンティティ」という考えを否定し、「アイデンティティの複数性」を主張す

     アマルティア・セン『アイデンティティと暴力』 - 西東京日記 IN はてな
  • 言語において失われるもの

    まだちょうど半分くらいのところまでしか読んでいないが、これはすでにして名著の予感。ダニエル・ヘラー=ローゼン『エコラリアス——言語の忘却について』(関口涼子訳、みすず書房、2018)。副題にあるとおり、言語の諸相において忘却されるものについての試論。忘却されるものというか、要は言語において失われるものについての検討というところ。それはたとえば言語取得に際しての幼児の喃語に見られる異質な発音だったりするだろう(1章)。けれどもその痕跡の一部はオノマトペや感嘆詞・間投詞に残存もしくは復活する(2章)。音素もときに消滅すること(4章)は、たとえばフランス語の無音のeや、hで表される各国語の帯気音の衰退(5章)に託されて語られている。言語に生死の概念を当てはめるという伝統についても検討されていて、どうやらそれがイタリア・ルネサンスに遡ることも紹介されている(7章)。「言語の死」といった生物学的メタ

    言語において失われるもの
  • 公開性の根源

    先日の読書会にて、大竹弘二『公開性の根源――秘密政治の系譜学』(太田出版、2018年)を扱いました。 書の(少なくとも当初の)主題は、「主権者は果たして統治することができるのか」(41頁)ということだと思います。すなわち、現代の民主政治において、主権者の意思を体現するはずの立法権を超え出て肥大化した行政権・執行権が事実上の統治を行っている様が、中世・近代初期の絶対君主が全能に見える主権者でありながら、現実にはその周辺で暗躍する者ども(権力の前室)との関係から無制約に主権を行使できなかった姿と重ね合わされた上で、ヨーロッパ思想史・文学史の豊富な題材から「主権vs統治」をめぐる諸相が縦横無尽に描かれていきます。 議論のなかで明らかにされることの一つは、歴史的に先行していたのは技術的な統治言説の方であり、これを何とか制御しようとして規範的な主権理論が生まれてきたという点です。また最終的には、「

    公開性の根源
    namawakari
    namawakari 2018/08/27
    “制度論に通じた政治学者であれば、選挙で多数の議席を得た与党から構成された内閣が官僚を強力に統制して政権運営を行っている現代日本の議院内閣制を見て、どうして「主権を超える統治」などと”
  • 待鳥聡史『民主主義にとって政党とは何か』 - 西東京日記 IN はてな

    タイトルからは著者の『政党システムと政党組織』(東京大学出版会)とかぶる内容ではないかと予想しますが、「政党論」のサーベイという色も強かった『政党システムと政党組織』に比べると、民主主義全般、現代の日政治についても論じており、専門的な興味がなくても楽しめる内容になっています。 もともとはミネルヴァ書房の「究」セミナーでの話をベースにしたもので、読みやすさでは新書の『代議制民主主義』(中公新書)よりも上かもしれません。 民主政治の理論の位置づけから現在の政治情勢への分析までが披露されており、「待鳥政治学」の入門書としてぴったりなだと思います。 目次は以下の通り。 序 章 民主主義と政党 第1章 政党政治の起源 第2章 政党政治の発展 第3章 政党政治を理解するための視点 第4章 戦前日の政党政治 第5章 戦後日の政党政治 第6章 現代日の政党政治 終 章 政党政治の再生は可能か 序

    待鳥聡史『民主主義にとって政党とは何か』 - 西東京日記 IN はてな
  • 『「蓋然性」の探求:古代の推論術から確率論の誕生まで』エピローグ以降 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    ジェームズ・フランクリン[南條郁子訳] (2018年5月15日刊行,みすず書房,東京, viii+609+88 pp., 体価格6,300円, ISBN:9784622086871 → 目次|版元ページ) 最後の「エピローグ 非定量的蓋然性のサバイバル」では,パスカル以降の “数学化” の傾向 —— 「数学的方法によってしだいに植民地化されてきた物語」(p. 572) —— を免れた “非数学的” な蓋然性の残響 —— 「多くの非定量的な蓋然性がしぶとく生き残っているようす」(p. 572) —— に耳を澄ませる.ポール・ロワイヤルやラプラスの論理学あるいは法学や道徳神学のその後の顛末にフランクリンは注意を向ける.そして,現在の科学哲学にも時としてみられる懐疑論(社会構築主義)に対抗するには,証拠に基づく非演繹的推論の史的基盤を再認識することだとしめくくられる. 続く「2015年版への後

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  •  伊神満『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』 - 西東京日記 IN はてな

    クリステンセンの書いたベストセラー『イノベーターのジレンマ』(邦訳のタイトルは『イノベーションのジレンマ』)は、イノベーションによって一時代を築いた企業が、なぜ次のイノベーションを起こせずに没落してしまうのかということを分析したで、1997年出版のながら、いまだに多くの読者を得ています。 これは実際にこの「イノベーターのジレンマ」を起こしている企業が数多くあると感じられるからでしょう。例えば、2012年にフィルムで一時代を築いたイーストマン・コダックが倒産した時は、フィルムで大成功を収めたがゆえにデジタル時代に対応できなかったという「イノベーターのジレンマ」が語られました。 このように「イノベーターのジレンマ」とはなかなか説得力のある理論に思えるのですが、では、当にそうなのか? データからもそれは支持できるのか? ということを実証してみせようとしたのがこのです。 著者はイェール大学

     伊神満『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』 - 西東京日記 IN はてな
  • 赤瀬川原平「超芸術トマソン」(ちくま文庫) おしゃれでハイソな時代に、無名氏がよってたかって価値のないものを探して楽しむ。 - odd_hatchの読書ノート

    そうか「トマソン」のブームからもう30年が経過したのか。懐かしい、という思いになるのは、遅れてそれを知った自分でさえ、路上観察とか考現学とかその他の観察記録が書店に並べられていたのを記憶しているからに他ならない。なるほどバブル経済といわれたその時期には新宿や秋葉原が最先端であり、そこで起きているテクノロジーやメディアの変革が注目されていた一方で、古い記憶を呼び起こす「運動」もあったのだった。出版年を見れば単行1985年、文庫1987年というのは、ギブソン「ニューロマンサー」邦訳1986年を挟んでいたのだ。 トマソンについてはすでに人口に膾炙し、特に説明がなくとも通用する概念になったからそれは繰り返さない。久しぶりに読んで自分が注目するべきと思った視点は ・有用(実用)と無用(ごみ)の2分法の間に(芸術品をいれた三角にしてもよいか)、無数の点があるのを明かにしたこと(それを「トマソン」を命

    赤瀬川原平「超芸術トマソン」(ちくま文庫) おしゃれでハイソな時代に、無名氏がよってたかって価値のないものを探して楽しむ。 - odd_hatchの読書ノート
  •  神林龍『正規の世界・非正規の世界』 - 西東京日記 IN はてな

    近年、論文が業績の中心となり、テクニカルな内容も増えている経済学の中で、「○○の世界」というタイトルのはあまり見ないような気がします(社会学だとありそうですが)。 しかも、1972年生まれの著者にとってこれが初の単著。ずいぶん思い切ったタイトルだなと感じたのですが、そのタイトルにふさわしい内容とボリュームです。『あゝ野麦峠』の話から戦前の日の職業紹介の制度を分析するという、「これが経済学なのか?」というテーマから始まり、「正規から非正規へと言われるが、実は正規雇用は大して減っておらず、自営が減って非正規が増えているのだ」という分析を中心として、日の雇用を巡る問題を幅広く論じています。 第58回(2017年度)エコノミスト賞を受賞しているようにすでに評価の高いですが、評判通りの面白さだと思います。 目次は以下の通り。 序 章:書の目的と構成 第Ⅰ部:制度の慣性 第1章:戦前日

     神林龍『正規の世界・非正規の世界』 - 西東京日記 IN はてな