出版状況クロニクル41(2011年9月1日〜9月30日) 東日本大震災に続く、かつてない台風の被害に伴い、「深層崩壊」というタームが語られるようになってきている。これはあらためていうまでもないかもしれないが、台風による山崩れや崖崩れにおいて、滑り面が深部で発生し、表土層だけでなく、深層の地盤までが崩れてしまう、規模の大きな崩壊現象を意味している。それは降水量が400ミリを超えると発生しやすいとされる。 この「深層崩壊」というタームは台風災害のみならず、出版業界の現在にもそのまま当てはまるものではないだろうか。失われた十数年の果てに、戦後の再販委託制による出版社・取次・書店という近代出版流通システムは「深層崩壊」的状況にあり、8000億円の売上を失う危機へと追いやられてしまった。 その「深層崩壊」をもたらした原因について、本クロニクルで詳細に言及してきたが、それは依然として食い止められず、現
このページは、書籍『出版クラッシュ!?~書店・出版社・取次 崩壊か再生か』(編書房 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。 ・印刷会社のなかには、版元になりたがるところもありますよね。印刷会社では自分で仕事を生むわけではない。常にどこかからもらうわけでしょう?子会社として出版社を作れば、それで原稿が集めるだろうという考えがある。自社の仕事を作るために、出版部門を作るんだというわけですよ。 小田 光雄 氏談 ・いつも業界三社、つまり出版社、取次、書店だけで出版流通を語っちゃうから突破できないんですよ。やっぱり著者と読者を含めた五者で語るべきです。 安藤 哲也 氏談 ・かつて講談社がDC・POSという調査店システムをやっていましたね。売上スリップを宅配便で回収して集計するシステムです。あの調査店は五百軒ぐらいでした。その五百軒で講談社の売上のシェアの半
何度目かの電子書籍元年といわれた2010年も終わり、 「電子書籍」という言葉の物珍しさもなくなった2011年。 改めて、いま出版社が置かれている状況を捉え直す。 電子書籍とはなにか? 電子書籍でなにができるのか? 小学館社長室顧問・岩本敏、東京電機大学出版局・植村八潮、 ポット出版代表・沢辺均の3人が語る、電子書籍をめぐるあれこれ。 (この鼎談は2011年6月14日に収録しました) ◎いま、出版社が電子書籍に取り組む意味 沢辺 岩本さんは、いま出版社が電子書籍に取り組む意味は、どのへんにあるとお考えでしょうか? 岩本 2つあって、1つは僕自身がここ10年ぐらい、コミックの電子版を営業も含め前線でやってきたなかで実感したのは、紙の本の売り上げが落ちていく一方で、デジタルコンテンツが支えてきたということ。これには前例があって、電子辞書がそうでした。リファレンス系は、もうとっくに、デジタルのほう
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