NHK高校講座の放送日程や各回の放送内容・学習に役立つ資料・映像、音声などをストリーミング配信。
(児美川 孝一郎:教育学者、法政大学キャリアデザイン学部教授) 大学教育をめぐる議論において、最近ではめっきり聞かなくなってしまった言葉に、「教養」あるいは「教養教育」がある。日本の大学教育にとって、教養とはいったい何だったのか。大学における教養教育は、今どんな状況にあり、今後どうなっていくのか。このことについて、考えてみたい。 なぜ、いまさら教養教育なのか。 近年の大学改革のめざす方向は、「社会的ニーズ」という装飾を借りつつも、結局のところは、産業界の要望に見合うような人材の育成を、いかに効率的・効果的に進めていくかといった点に収斂しがちに見える。そうした状況だからこそ、今あらためて、日本の大学制度の「原点」に存在したはずの教養教育について、その意義や可能性、あるいは限界を確かめておくことは、けっして無駄な作業にはならないと思うからである。 新制大学の誕生 ここでの議論に必要な限りで、ご
私の勤務先では人事部だけが採用活動をするのではなくて、現場の人間が面接を担当する。面接官は通常二人組で、このたび私を指名したのが篠塚さんである。篠塚さんは言う。僕、教養がないんで、面接でその手の話になったときにはよろしくです。 篠塚さんは私よりいくらか年長の男性で、職務上の能力がとても高い。専門知識を常時アップデートしている。ものの言い方が率直すぎて誤解を招くことがあるが、内容はおおむね正論である。基本的に誰にでも親切で骨惜しみをしない。イギリスで修士号を取ってから就職したと聞いている。 教養とはこの場合、何のことでしょうか。私が訊くと、篠塚さんは明快に(だいたい明快な人物である)答えた。文学とか芸術とかです。マキノさんそういうの好きでしょ。 私はたしかに小説を読み美術館に行くが、それを教養と呼ぶのか。好きなものを好きなように摂取しているだけではないのか。篠塚さんは言う。僕、仕事関係以外の
1 リベラルアーツとは リベラルアーツとは:人間の思考の軸が根差す根本を養う教養です。 それぞれの単語がなにを意味するのかを、文に図を合わせて視覚的にお見せします。 では次の章で理解を深めていきましょう。 2 リベラルアーツを理解するための3つの軸 リベラルアーツがなぜ重要かを理解するためには、「思考の軸」が何であるかを理解する必要があります。 思考の軸とは:決断と、その根拠を結ぶものです。 なにかを決断する際には、やるか否かを決めるための根拠が必要です。 根拠という土台があってはじめて軸を持つことができるのです。 決断力がある人間は軸がしっかりしているとされます。実際にそうなのでしょう。 しかし一本しかなく、微動だにしない軸を持っているとしたら、それはただの頑固者ではないか、とも考えられます。 実は、根拠という土台がしっかりある限り、軸はいくつも持つことができるのです。 × 軸をいくつも
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