埼玉県の自民党県議団が県議会に提出した虐待禁止条例改正案がSNS(ネット交流サービス)上などで波紋を呼んでいる。小学3年生以下の子供を自宅などに残して外出したり、公園などに放置したりすることを禁じた「留守番禁止」「放置禁止」の規定に対し、子育て世代とみられる人たちなどから「現実的ではない」などと疑問の声が噴出している。【デジタル報道グループ】
NHKが中継する東京オリンピックの聖火リレーの映像から一時的に音声が消える「異変」があった。4月1日夜、聖火ランナーが長野市内を走っていた時だった。「オリンピックに反対」。沿道で抗議行動をしていた市民の声が一瞬中継に入り込んだ。その直後、中継から音声が消えたのだ。SNS上では、「都合の悪い音声」を消したのではないかとの声が出ている。真相を取材した。【木許はるみ/デジタル報道センター】 聖火リレーの中継は、NHKの「聖火リレーライブストリーミング特設サイト」で見ることができる。この特設サイトは聖火リレーの全日程をライブ中継しており、後からでもほぼ全てのリレーの様子を見ることができる。 NHKによると、国際オリンピック委員会(IOC)と東京オリンピック・パラリンピック組織委員会とNHKの3者合意に基づき、NHKは聖火リレーのランナーの正面からの映像を単独で撮影している。その映像を組織委にも提供
中国で製造したとされる新型コロナウイルス感染症の未承認のワクチンが日本国内に持ち込まれ、日本を代表する企業の経営者など一部の富裕層が接種を受けていることが明らかになった。2020年11月以降、既に企業トップとその家族ら18人が接種を受けたという。ワクチンは、中国共産党幹部に近いコンサルタントの中国人が持ち込んでいる。個人が自分で使う以外の目的で海外からワクチンを持ち込むのは違法の可能性があるが、中国側がワクチンをテコに影響力拡大を狙っている姿が浮かんだ。 「提供したい相手が決まっている」 12月12日土曜日の午後6時半過ぎ、東京都品川区にあるクリニックを大手IT企業の社長と妻が訪れた。休診日の診察室で待っていたのは、院長と中国人男性。「本当に安全なんですか」。初対面のあいさつもそぞろに、妻が不安そうに2人に尋ねた。背を向けたまま机上のパソコンのキーボードをたたき何も語らない院長に代わり、中
子育て交流サロン「赤ちゃん天国」を視察する岸田文雄首相(右)=東京都中央区の区立新川児童館で2022年5月12日午前9時4分(代表撮影) 2021年の合計特殊出生率が「1・30」と、1947年の統計開始以来、過去4番目の低さとなった。所得が増えないことから将来に希望が持てないことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大が低下に拍車をかけた。子どもを持つことに踏み出せない状況が続き、人口減少のスピードが加速化している。【石田奈津子、寺町六花】 3日に公表された合計特殊出生率(1・30)と出生数(81万1604人)を、国立社会保障・人口問題研究所が17年に公表している人口の将来推計(中位シナリオ)と比べると、少子化のスピードが想定以上だということが明らかになる。将来推計では21年時点の出生率は1・40で出生数は86万9000人と今回の数値を上回る。約81万人という出生数は27年の推計と同等の水準で
「奥さん」という言葉には、ネガティブなイメージを持つ人もいる。その理由としてよく挙がるのが、「家の奥にいる人」という前時代的な意味合いで、家族のために掃除や洗濯、料理といった家事をせっせとこなす姿を連想させるというものだ。 「まずは『奥さん』がどのように広まっていったのか、歴史的に見ていく必要があります」 東京外国語大学・名誉教授の井上史雄さんが話す。 「江戸時代の長屋のように家が狭いと玄関を上がってすぐに行き止まりで、家の奥はありませんよね(笑)。『奥さん』とはもともと、広い屋敷に住んでいる武家、それも身分の高い人にだけ使われていた言葉なんです。 今でも、代々続いている商店や旅館では『おかみさん』と呼ぶように、商家では『おかみ』が使われていました。農家では、『かあちゃん』『おっかさん』『かかあ』など。その呼び方は豪農や自作農、小作農でも分かれていたようです。 ところが戦後、高度成長期にサ
新型コロナウイルスの爆発的な感染を防ぐため、週末の外出自粛が始まった28日、東京都内は人の往来が極端に減った。羽田便だけを運航する鳥取空港も客の姿は少なかった。花見の名所では酔客も見られず、春を感じられない厳戒ムードの週末となった。 これまでに感染者が確認されていない鳥取、島根両県。羽田便だけが就航している鳥取空港(鳥取市)は、東京の「外出自粛」を受け、閑散としていた。ただ、最近は感染者が相次ぐ都市部などから、「安全」というイメージのある両県をあえて訪れる観光客もいるという。 人気漫画「名探偵コナン」にちなみ「鳥取砂丘コナン空港」の愛称で親しまれている鳥取空港。既に減便が実施されており、土産物店のスタッフは「今も売り上げは以前の半分だが、東京の外出自粛でさらに減ってしまう」と落胆した。自宅のある東京と仕事先のある鳥取をほぼ毎月往復しているという広告代理店の男性(40)は「会社はテレワークを
大阪府警が20代男性を2回誤認逮捕した問題で、男性の代理人を務める森島正彦弁護士(大阪弁護士会)が11日、毎日新聞などの取材に応じた。男性は取り調べの際、検事や警察官から「犯人だ」と決めつける発言を繰り返されていたという。男性は42日間勾留されており、森島弁護士は「自白を迫る人質司法だ」と批判。府に損害賠償を求める訴訟を起こすことも検討するとしている。 府警などによると、最初の誤認逮捕は4月12日。知人の20代女性に危害を加えるメッセージを写真共有アプリ「インスタグラム」で送ったなどとして、守口署が脅迫や強要未遂の疑いで男性を逮捕した。5月2日には、女性のわいせつ画像をインスタグラムで女性の友人らに送ったとするリベンジポルノ防止法違反の疑いで同署に再逮捕された。送信者のIPアドレス照会は済んでいなかったが、男性から送信されたものだと女性が訴えた…
新型コロナワクチンのコールセンター業務を巡り、委託先でオペレーターの水増し報告があったことを説明する大阪府吹田市の職員=吹田市役所で2月10日、三角真理撮影 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、大阪府枚方市など3市からコールセンター業務を受託していた人材派遣会社「パソナ」(東京都)は10日、再委託先の企業がオペレーターの人数が足りないのに虚偽報告し、委託料計約10億8000万円分を過大請求していたと発表した。 市民からは「電話がつながりにくい」などの苦情が寄せられており、パソナは「管理不行き届きにより、市民の皆様に多大なご迷惑をおかけした」と謝罪。3市に返還した上で、再委託先の「エテル」(大阪市)に損害賠償を求めるとしている。 業務を委託していたのは枚方市、同府吹田市、兵庫県西宮市。パソナによると、必要なオペレーター数を3市と定期的に確認し、エテルに再委託していた。
菅義偉首相が打ち出した2050年に温室効果ガス排出を「実質ゼロ」にする目標に向け、産業界の「重鎮」が苦言を呈した。 日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は17日、オンラインで取材に応じ、政府が30年代に新車のガソリン車販売をなくすことを検討していることについて「自動車業界のビジネスモデルが崩壊してしまう」と懸念を示した。日本は火力発電の割合が大きいため、自動車の電動化だけでは二酸化炭素(CO2)の排出削減につながらないとの認識を強調し、電気自動車(EV)への急激な移行に反対する意向を示した。 原発比率が高く、火力発電が日本と比べて少ないフランスを例に挙げ、「国のエネルギー政策の大変革なしに達成は難しい」「このままでは日本で車をつくれなくなる」などと発言。EVが製造や発電段階でCO2を多く排出することに触れ、「(そのことを)理解した上で、政治家の方はガソリン車なしと言
毎日新聞と社会調査研究センターは17、18の両日、全国世論調査を実施した。岸田内閣の支持率は29%で、8月20、21日の前回調査の36%から7ポイント下落した。内閣支持率が30%を切るのは、2021年10月の政権発足以降初めて。前回調査でも前々回比で16ポイント減少しており、下落傾向が続いている。不支持率は64%で、前回(54%)より10ポイント増加した。 また、自民党の支持率も前回(29%)から6ポイント低下し23%だった。現在の方法で調査を始めた20年4月以降で最低となった。内閣支持率や自民党支持率の低下は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題や安倍晋三元首相の国葬の開催が影響しているようだ。
和白水処理センターに集められた下水から回収、抽出された再生リン。最終処理を経て肥料となり、8月下旬から農家への販売が始まった。博多湾の水質環境改善を目的に始まった処理は、市民生活と農業をつなぐ新たな可能性になろうとしている=福岡市東区で、津村豊和撮影 福岡市に七つある下水処理施設の一つ、東区の和白(わじろ)水処理センター。積み上がった白い結晶を職員に両手のひらですくってもらうと、指の間から砂のようにさらさらとこぼれ落ちた。臭いも全くない。 結晶の正体は「再生リン」。窒素、カリウムと並ぶ化学肥料の3要素の一つのリン酸を、市民生活で出た下水から回収、抽出したものだ。市は博多湾の水質汚濁を防ぐため、1996年にリンの回収事業をスタート。さらに、国土交通省が開発した回収技術を今年4月に導入したことで回収量が15倍になり、年間に最大で150トンを見込めるようになっ…
SNSで「頂き女子りりちゃん」などと名乗り、発信していた渡辺真衣被告=動画投稿サイト「ユーチューブ」より 「頂き女子りりちゃん」を名乗り詐欺マニュアルを販売し、自身も男性から現金をだまし取ったとして詐欺罪などに問われた渡辺真衣被告(25)に対し、名古屋地裁は22日、懲役9年、罰金800万円(求刑・懲役13年、罰金1200万円)の有罪判決を言い渡した。大村陽一裁判長は「ホストらの売り上げに貢献するために資金を得たいという動機は身勝手で、くむべき余地はない」と非難した。 判決によると、渡辺被告は2021年3月~23年8月、マッチングアプリなどで知り合った男性3人の好意につけ込み、現金計約1億5580万円を詐取した。また、女子大学生に詐欺マニュアルを販売し、男性2人から計1065万円を詐取するのを手助けするなどした。 判決は、被害者の中には貯蓄を取り崩したり、生命保険を解約したりして金銭を工面し
安倍晋三首相は29日の記者会見で、3月2日から春休みまで全国の小中高校に一斉休校を要請したことについて「万が一にも学校で子供たちへの集団感染のような事態を起こしてはならない」と説明したが、なぜ全国一律で長期間に及ぶ休校を判断したのかの根拠は示さなかった。10日程度での第2弾緊急対応策のとりまとめや、休校に伴う保護者の休職などに対応する新たな助成金制度の創設など対策を列挙したが、いずれも具体的な内容の説明は避けた。独断で休校要請に踏み切った首相だが、対応は後手に回っている。 会見が行われたのは、27日に休校要請を表明してから2日後。記者団から「なぜ27日のうちに政府から詳しい説明がなかったか」と問われた首相は「判断に時間を割くいとまはなかった。十分な説明がなかったのはその通り」と釈明した。
首都圏4知事が新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令を求めたのに対し、政府がなお発令に慎重なのは、それが政府に残された「最後のカード」だからだ。政府内には、今必要なのは経済活動を大幅に制限する宣言発令ではなく、「3密」になりやすい飲食店の営業時間の短縮拡大だとの認識が強い。2日の4知事と西村康稔経済再生担当相の面会でも西村氏が時短要請の強化を知事側に求めた。 西村氏は面会後の取材で、発令に関し「検査件数が年末年始で少なくなるとも考えられる。陽性者の数も踏まえて専門家にも判断をいただかなければならない。できるだけ早く(政府の専門家)分科会を開かないといけない」と語るにとどめた。菅義偉首相は2日は首相公邸で感染状況の報告を受けたものの、4知事との面会は西村氏に任せ、両者の3時間の面会中に議員宿舎に戻った。
大阪市財政局の東山潔局長は29日夕の緊急記者会見で、市を四つの自治体に分割すると行政コストが現状より年間218億円増加するとした局の試算を撤回した。わずか2日前に毎日新聞の記事について「きちっと書いてある」と述べていた局長は「試算そのものがあり得ない」と見解を一変させた。「大阪都構想」の住民投票を3日後の11月1日に控え、市財政部門のトップは言いよどみながら、自らの試算を「捏造(ねつぞう)」と表現した。 「誤った考え方に基づき試算した数字を報道してもらったことで、報道各社や市民に誠に申し訳なく、深くおわび申し上げます」。午後5時半から始まった記者会見の冒頭で深く頭を下げた東山局長。中断を挟んで2時間以上に及んだ会見で、謝罪を繰り返した。
新年度が始まって10日あまり。街を歩けば、真新しいスーツを着た新入社員の姿がまぶしく映る。しかし、本人に代わって企業側と交渉する「退職代行」サービスの現場では、すでに新卒者からの依頼が相次いでいる。「入社前と話が違うのですが……」。多くはそう切り出すという。 「あんな会社とは話できない」 各地で入社式が行われた1日、東京都大田区の「アルバトロス」が運営する「退職代行モームリ」の電話に、さっそく新入社員からの依頼が舞い込んだ。「あんな会社とはもう話ができません。退職代行をお願いします」。美容関係の企業に就職したという20代女性の声は怒りで震えていた。 女性は入社前、髪の色は自由だと聞かされていたが、入社式直前に黒に染めるよう指示された。拒否すると、入社式に出席させてもらえなかった。そのままモームリに電話をかけて退職の手続きを進めてもらい、今は新しい就職先を探しているという。 モームリは弁護士
全国の自治体で公衆浴場や温泉施設の混浴可能年齢を6歳までに引き下げる動きが相次いでいる。厚生労働省が2020年、昭和の時代から「10歳以上」のままだった、混浴を制限すべき年齢の目安を「7歳以上」に変更したのを受け、時代遅れの規則がようやく見直されることになった。 「娘は小さい時から夫以外の男性の前で着替えるのを嫌がっていた。今後、年齢が近い異性と公衆浴場で一緒になることはなくなるので安心」。福岡市で小学1年の娘(6)を育てる母親(35)は歓迎する。同市は今年7月、条例を改正し、公衆浴場で混浴を制限する年齢を10歳以上から7歳以上に引き下げた。 鹿児島県公衆浴場業生活衛生同業組合の原田孝造専務理事は「(女湯に入る男児を見た)お客さんから…
美術家や映画監督らでつくる「表現の現場調査団」が24日、美術や映画、文芸など芸術分野の教育機関や賞の審査員・受賞者の男女比率を調査した「ジェンダーバランス白書2022」を公表した。東京芸大などの美大では学生の7割が女性である一方、教授は8割が男性、美術館で開催される個展や購入作品数も8割を男性が占めるなど、機会やキャリア形成において著しく不均衡である実態が浮かび上がった。「審査員の男女比を同数にすることから始めてほしい」と呼びかけている。【高橋咲子】 調査団は表現者や研究者16人で構成し、2020年に結成。第1弾として21年に「ハラスメント白書2021」を発表した。今回は頻発するハラスメントの背景にあるジェンダーバランスについて調査。大学・養成所などの教育機関や、過去10年間に開催された知名度のある賞やコンクールを対象に、学生や教授、審査員や受賞者を集計、男女比を可視化した。
<この社会のあらゆる場でそうであるように、社会運動の場においても、私には「女性」として期待される役割がありました>。今年9月、ツイッターの匿名アカウントで、こんな書き出しで始まる声明が投稿された。さらに、性差別的な体験や性被害についてのアンケート結果も掲載され、50人以上の体験が記されていた。誰が、どんな思いで発信したのか。その思いに耳を傾けた。【塩田彩/統合デジタル取材センター】 「民主主義」のために沈黙した 匿名アカウントでの声明文は9月4日に出された。「すべての馬鹿げた革命に抗して」というタイトルを掲げ、次のように記されていた。 <最初は、その身近すぎる男性の将来のために黙りました。次に、一緒に活動する仲間たちのために黙りました。「話せばわかる人だから」という言葉に黙り、「反差別」や「民主主義」のために黙り、「社会運動の未来」のために黙りました> 記者はこれまで何度かデモや抗議活動を
歌手のGACKT(50)が12日、自身のX(旧ツイッター)を更新。ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川元社長による性加害問題について言及した。 国際的にも問題となっている性加害問題。外部専門家による「再発防止特別チーム」の調査報告書を受け、事務所側は7日に会見を行い、再建へ向け藤島ジュリー景子社長の退任と、少年隊の東山紀之の新社長就任を発表した。しかし、所属タレントを広告に起用している各企業が契約の見直しに踏み切るなど、波紋を広げている。 ジャニーズ事務所所属タレントのCMへの起用を見送る企業の動きは広がりを見せている。これについてGACKTは「アーティスト個人が何かやらかしてCMを打ち切るのはまだわかる。今回それぞれのアーティストは関係ない、というよりむしろ被害者。その彼らとのCMを打ち切るのはそもそもおかしいし不気味でしかない。それこそ、その企業のイメージダウンに繋がるんじゃないのか?」
自見英子万博担当相は17日の衆院内閣委員会で、2025年大阪・関西万博の基本計画で想定する来場者数や参加国数について「達成したか否かをもって、万博が成功したか、失敗したかを判断するものではない」と述べた。 日本国際博覧会協会が20年に策定した基本計画では、来場者数2820万人、参加国150カ国と想定している。万博の効果を測定するための数値目標の設定については、「万博の意義が時代とともに変化している。一定の数値目標を掲げ、達成したかどうかで万博の成功、失敗を判断するものではない」と答弁した。 政府は毎年策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」などで、政策立案時に具体的な数値目標を定めることを重視している。 また、万博閉幕後に撤去し、木材として再利用する予定の木造建築物「大屋根(リング)」に関しては、「どのように活用するか、具体的なことが決まってはいない」と述べた。一部で大屋根として保存すべき
もし侵略されたら、私たちは戦う? 逃げる? 降伏する? 世界的に、日本ほどこの問いにあいまいな態度を取る国は珍しいようです。戦後77年続いた平和を未来へつなぐためにも、もし私たち自身が戦争の当事者になったときのことを考えるならば? 戦争社会学が専門の野上元・早稲田大教授に聞きました。【聞き手・鈴木英生】 世界的な世論調査で、日本は「国のため戦うか」と聞かれて「はい」と答える人の少なさと、「わからない」と答える人の多さが群を抜いています。一方、「いいえ」はそれほど多くないのがミソ。この答えに戦後日本人のどんな意識が反映しているのかを、野上教授は分析してきました。 世界では6割が「戦う」と言うけれど 「あなたは自国が侵略されたら戦いますか?」。こうした問いを各国ですると、日本は「戦う」という答えが少ないだけでなく、「わからない」に相当する答えがとても多く出ます。右派から「祖国を守らないのか!」
法的に結婚することを「入籍する」と表現されることは多いのですが、入籍とは、既にある戸籍に入ること。現在は結婚すると新しい戸籍が作られるのが基本なので「入籍」は誤用になります。そのため新聞では「婚姻届を出す」などと書くのを原則としています。 戦前は、いわゆる家制度で、「妻は婚姻によって夫の家に入る」と旧民法の条文に書かれていました。例外的な場合を除いて、夫の入っている戸籍に妻が加わる仕組みで、女性にとって結婚することは「入籍」にほぼ当てはまっていたと言えます。 しかし今は、戸籍法で「婚姻の届け出があったときは、夫婦について新戸籍を編製する」と定めている通り、多くの場合はどちらか一方が相手の戸籍に入る仕組みではありません。 「新しい戸籍に2人で一緒に入る」というイメージで入籍という言葉を使う方もいるかもしれませんが、辞書でも「俗に婚姻の意に用いられるが、正しくは『新たな戸籍を作る』ので『入籍』
回転ずし大手のスシローを運営する「あきんどスシロー」(大阪府吹田市)が、東京都内の店で働く男性アルバイトの5分未満の労働時間を切り捨て賃金を支払っていないとして、中央労働基準監督署から是正勧告を受けた。男性が所属する労働組合などの話で明らかになった。労働基準法では労働時間は1分単位で計算するのが原則と解釈されている。 男性が所属する労組の首都圏青年ユニオンなどによると、是正勧告は同社の「スシローヤエチカ店」(東京都中央区)に対し、2023年12月25日に出された。同店で長年働いている男性アルバイトが、過去に5分未満の労働時間を切り捨てられていたとして、労組の団体交渉などで是正を求めたが、話し合いがつかず、未払いの是正を求め23年7月に労基署に申告していた。申告は20年4月~22年8月までの分。同年9月以降は1…
ワクチン接種の問い合わせに対応するため、コールセンターに医療従事者を配置するよう定めた大阪府枚方市の業務委託仕様書(案)=大阪市北区で2023年2月18日、山崎一輝撮影 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、三つの自治体からコールセンター業務を受託した人材派遣大手「パソナ」(東京都)が必要なオペレーター数を確保せず、約10億8000万円分を過大請求していた問題が波紋を広げている。 取材を進めると、コールセンターに常駐する医療従事者も契約期間の3割超で不足していたことや、自治体側が知らない場所でオペレーターが勤務していたことも判明。情報管理のずさんな実態が次々に浮かんできた。 再委託先が虚偽報告 「民間で真面目に働くより、公金をチューチューする仕事のほうが楽に儲(もう)かる時代ですよね。たまたまバレただけで、バレてない公金吸い取りスキームが日本中にあるんだろうなぁ」 今月11日、インターネ
将棋棋士の藤井聡太二冠の活躍などで将棋に対する関心が高まっています。これに伴い、YouTubeなどに棋譜(対局での駒の動かし方の記録)を再現した作品をアップロードするなど、個人で棋譜を利用する人も増えています。そこで、王将戦を主催する毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟は「王将戦における棋譜利用のガイドライン」を作成しました。利用される場合は、以下のガイドラインに沿って日本将棋連盟に申請してください。 王将戦における棋譜利用ガイドライン 2020年12月14日 日本将棋連盟 毎日新聞社 スポーツニッポン新聞社 1.ガイドライン制定の目的 王将戦主催者(日本将棋連盟および毎日新聞社・スポーツニッポン新聞社)は、日本の伝統文化である将棋の普及発展を推進するため、王将戦を運営しています。棋戦の対局記録である「棋譜」について、主催者は新聞、出版物、電子媒体、放送媒体で独占的に掲載・利用
公立学校の教員に残業代が支給されないのは労働基準法違反だとして、埼玉県の公立小学校の男性教員(64)が、県に未払い賃金約240万円の支払いを求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は8日付の決定で、教員側の上告を棄却した。公立学校教員の賃金支給は教職員給与特別措置法(給特法)で定められているが、同法とは別に労基法に基づく残業代の請求はできないとして教員側を敗訴とした1、2審判決が確定した。 小法廷は「上告理由に当たらない」とだけ述べて教員側を敗訴とした詳しい理由を示さなかったが、2審の給特法の解釈に不合理な点はないと判断したとみられる。裁判官4人全員一致の判断。別の教員が今後同様の訴訟を起こしても、残業代が認められる可能性は低くなった。
ランニング中に濡れた苔に滑って重傷を負ったとして、50代の男性が道路を管理する福岡県那珂川市に損害賠償を求めた裁判で、福岡地裁は市に280万円あまりの賠償を命じる判決を下しました。「道幅一帯に苔が生えた状態にあるのを看過した」などと市の責任を認めました。 【写真で見る】道路を管理する那珂川市に賠償命令 5メートルほど坂道を滑落男性は3年前、福岡県那珂川市の市道を朝ランニング中に、濡れた苔の上で滑って尻餅をつきました。その弾みで、5メートルほど坂道を滑り落ち、肋骨を折る重傷を負いました。市に慰謝料や後遺障害などおよそ1650万円の損害賠償を求めていました。判決によりますと、男性がけがした場所は、山地を切り開いて舗装された市道で、5メートルにわたり苔が歩道表面を薄く覆っていたということです。男性は、▽崖からの漏水が歩道部分にまで及び、湿ったままで転倒しやすい状況だった▽歩道を走る市民は多数いて
岸田文雄首相による内閣が発足し、記念撮影にのぞむ岸田首相(前列中央)と閣僚たち=首相官邸で2021年10月4日午後10時45分、宮武祐希撮影 毎日新聞と社会調査研究センターは4、5日、岸田文雄内閣の発足を受け緊急の全国世論調査を実施した。内閣支持率は49%と5割に届かず、昨年9月の菅義偉内閣発足時の64%を大きく下回った。不支持率は40%だった。閣僚の顔ぶれに「期待感が持てる」との回答は21%にとどまり、「持てない」が51%に上った。 発足直後の支持率は新首相への期待から高めに出る傾向がある。岸田内閣最初の支持率は、菅内閣最後となった前回調査(9月18日)の37%より上がったものの、歴代内閣の発足時と比べ低調な船出と言えそうだ。調査方法が異なるため単純に数値の比較はできないが、過去20年間では麻生太郎内閣発足時(2008年9月)の45%に次ぐ低さとなった。 岸田内閣を支持すると答えた人にそ
今年度の最低賃金の目安額を決める議論が始まった中央最低賃金審議会=東京都千代田区で2022年6月28日、小鍜冶孝志撮影 2022年度の最低賃金の引き上げ幅(目安)について、「中央最低賃金審議会」(厚生労働相の諮問機関)の小委員会が全国加重平均で「30円以上」の額とすることで最終調整に入ったことが31日、関係者への取材で分かった。8月1日に最終協議に入り、同日中に決着する見通し。円安などによる物価高騰を考慮した結果で、実現すれば過去最大の上げ幅になる。 最低賃金は全ての労働者に適用される時給の下限で、現在の全国平均は930円。労使の各代表と有識者委員で構成される国の審議会で目安を毎年示し、目安を参考に各都道府県の審議会で確定させる。
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