近畿日本鉄道は日本一の路線長を持つ私鉄として知られる。なかでも大阪と名古屋・伊勢志摩方面を結ぶ特急が走る大阪線は長さ108.9kmに及ぶ大動脈。その路線の起点となるのが大阪上本町駅だ。 2024年で開業110年 大阪上本町駅は2024年4月30日に開業110周年を迎えた。百貨店のビルと一体となった駅で、頭端式の地上ホームはいかにも私鉄のターミナルの雰囲気が漂う。 所在地は「大阪市天王寺区上本町六丁目」。略して「上六(うえろく)」という呼び名も周辺のビルや店舗の名称に見ることができる。平坦な地形が多い大阪中心部では珍しい坂道のあるエリアにある。高校が多く学習塾が目立つのも上本町の特徴だ。 上本町駅は1914年、近鉄の前身の大阪電気軌道(大軌)が奈良と最短距離で結ぶ生駒トンネルの難工事の末、現在の奈良線を開業させたときに誕生した。近鉄創業の地ともいえる重要拠点だ。