避難民が密集するパレスチナ自治区ガザ南部ラファで、イスラエル軍の本格侵攻の危機が高まっている。大規模な殺害に直面しながら国際社会が止めることができていない中、日本の大学では米国を発端に拡大する抗議デモに連帯する動きが相次いでいる。若い世代が上げる声は、停戦を促す力となるか。分断と憎悪の連鎖を断ち切るすべを考えた。(西田直晃、木原育子、安藤恭子)
【バンコク=藤川大樹】タイ政府は7日から3日間、タイ北西部ターク県のメソト空港で、ミャンマー国営航空の特別チャーター便の運航を許可した。タイと国境を接するミャンマー東部カイン州では国軍部隊が抵抗勢力側に敗退。国境貿易拠点のミャワディは抵抗勢力側に包囲されており、兵士や公務員らを緊急避難させる目的とみられる。ただ、国軍側は7日夜に1便を運航した後、残りの便をキャンセルした。 ミャンマーからの情報によると、カイン州では、国軍と、少数民族武装勢力「カレン民族解放軍(KNLA)」や民主派の武装組織「国民防衛隊(PDF)」との間で戦闘が続く。1月には、約7000人の兵力を持つ国軍傘下の国境警備隊(BGF)が国軍から離脱し、抵抗勢力側に有利な情勢となっていた。
自民党の最大派閥・安倍派(清和政策研究会)が、政治資金パーティーを裏金づくりに利用していた疑惑で東京地検特捜部の捜査が進んでいる。この問題で、地検への告発を続けてきた神戸学院大の上脇博之教授が本紙の取材に応じた。政治にカネがかかりすぎる現状の抜本的な見直しが必要だとして「政党助成金、企業献金、パーティーの全廃」と「政策本位で当選する仕組み」の実現を訴えた。(聞き手・望月衣塑子) 告発の契機は昨年11月の「しんぶん赤旗」の記事だった。2018年から20年までに、安倍派など5派閥の政治団体の政治資金収支報告書に計約2500万円の不記載があったと報道。これは、各業界がつくる政治団体のパーティー券購入などの支出を調べ、それと派閥の収入を一個一個照らし合わせないとだめで、かなり地道な作業だったはず。よくここまで調べたなと感心した。 この際に赤旗からコメントを求められたこともあり、18~21年の4年間
軟弱地盤が広がる沖縄県名護市辺野古の沿岸部。難工事が予想される地盤改良工事は、いまだ手つかずだ=2019年(沖縄ドローンプロジェクト提供) 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)移設問題。焦点となっている埋め立て予定地の軟弱地盤の対応を巡り、沖縄防衛局の設計変更にお墨付きを与えた技術検討会の委員2人が、就任した2019年9月以降に、関連工事の受注業者から計230万円の奨学寄付金を受け取っていたことが、本紙の調べで分かった。(中沢誠) 奨学寄付金 研究振興のため民間から大学などに寄付される資金。使い道が限定されていないのが特徴で、大学への交付金が減少する中で貴重な研究資金となる一方、産学の癒着の温床になりやすい。原子力規制委員会は委員の選任に当たり、直近3年間の関係業者からの寄付を申告させ、公表している。国の医薬品の承認審査では、関係企業から年50
沖縄防衛局によると、22年度、辺野古の新基地建設に支出した額は815億円。着工から21年度までにかかった工費と合わせると、総額で4312億円に達した。 一方で、22年度末時点の工事の進捗を見ると、事業全体の埋め立て土量2020万立方メートルのうち、4年余りで埋め立てた量は14%。しかも、これまで埋め立ててきた場所は、工事がしやすい水深の浅い海域だ。 防衛省は4年前、軟弱地盤対策のため総工費を9300億円に引き上げた。 辺野古の軟弱地盤 辺野古沿岸部東側の埋め立て予定地の海底に、「マヨネーズ並み」と評されるほどの軟らかい粘土層が広がっている。最深で水面下90メートルにまで及ぶ。防衛省は2015年に軟弱地盤の存在を把握していたが、その事実を伏せてきた。政府が存在を認めたのは、土砂投入を始めた翌月の19年1月。防衛省は「地盤改良すれば建設可能」として、大幅な設計変更を行った。深さ90メートルにま
東京湾を望む癒やしスポットとして親しまれている東京都立葛西臨海水族園(江戸川区)の樹木が大量に撤去されるのではないか、との懸念が広がっている。老朽化した施設の建て替え計画を巡る都民の情報公開請求で環境負荷計画などの大半が、小池百合子知事がかつて「のり弁」と批判した黒塗りにされたためだ。情報公開の専門家は「公共施設の整備内容は早い段階で公開しないと、神宮外苑のように最終段階でもめることになる」と警告する。(三宅千智)
世界的な人気を博した音楽グループ「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」。細野晴臣さん、高橋幸宏さん、坂本龍一さんという卓越した才能が生み出した音楽は、さまざまな影響を与え続けている。高橋、坂本両氏亡き今、YMOの唯一無二の魅力について思いをはせる。 <イエロー・マジック・オーケストラ> 1978年、デビューアルバム「イエロー・マジック・オーケストラ」を発表。「テクノポリス」「ライディーン」などを含む2枚目のアルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」(79年)が100万枚を超える大ヒットとなる。この年の欧米ツアーに、渡辺香津美さん、矢野顕子さんらが出演した。83年に「散開(解散)」宣言するも、93年にアルバム「テクノドン」を発表。東京ドームで「再生」コンサートを開く。2000年代以降、高田漣さんら若手ミュージシャンともライブで共演した。
統一地方選で、議会の勢力図が激変したのが東京都杉並区だ。女性の当選者が男性を上回り、現職や最大勢力の自民党の候補が大量落選。新陳代謝を印象づけた。変化を引き起こしたものは何か。(原田遼)
音楽家の坂本龍一さんが、明治神宮外苑地区の再開発の見直しを求める手紙を東京都の小池百合子知事らに送った。都は再開発事業を許認可する立場にあり、「知事のリーダーシップに期待します」などとつづったが、小池氏は17日の記者会見で「(再開発の意義などが)坂本さんや都民の方に伝わるよう(職員に)情報発信をあらためて指示した」と述べ、取り合わなかった。再開発は3月下旬に神宮第2球場の解体から始まる計画だ。(森本智之、三宅千智) 外苑再開発は、三井不動産など民間事業者が中心で、小池氏は従来「明治神宮の私有地をめぐる開発の話」(3月3日の会見)と民間開発であることを強調してきた。17日の会見でもこうした姿勢を踏襲したとみられ、「事業者の明治神宮にも手紙を送られた方がいいんじゃないでしょうか」とも述べた。
クーデターを主導したミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官から、麻生太郎元首相と日本ミャンマー協会長の渡辺秀央元郵政相が名誉称号と勲章を贈られた。有権者に選ばれた政権を武力で転覆させ、抗議する市民を多数殺害している人物からの表彰を受け入れるとは、常識的感覚からして信じ難い。苦境にあるミャンマー市民に理解される振る舞いだろうか。(北川成史、大杉はるか) ミャンマーの国営紙によると、ミンアウンフライン氏は20日、麻生氏と渡辺氏に名誉称号と勲章を贈った。首都ネピドーでの授与式に出席した渡辺氏に「両国と両国民、両国の軍隊が友好関係と協力を強化することができた」と謝意を表明。渡辺氏は「生涯、ミャンマーの発展と国軍の地位のために努力する」と約束した。麻生氏は欠席したが、渡辺氏を通して謝意を伝えたという。
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