――現在の状況について、公文書の専門家としてどう捉えますか? 財務省はやってはいけないことに手を染めてしまいました。公文書には、嘘はないという大前提があります。特に決裁文書の場合は、行政が動いた記録を証明するもので、それを書き換えてしまったのは、改ざん以外の何物でもないと思います。 公文書は、行政について検証し、議論する基礎的な資料です。これを勝手に歪めてしまえば、民主主義、民主政治の根本が崩れてしまいます。 「添付文書だから」という議論もありますが、その添付文書も含めて、決裁されているのだからナンセンスだと思います。 ――今回の事件の歴史的な意義づけは? 文書に基づいて動き、そして文書を残すのが官僚制の大原則。公文書を隠す、捨てるといった事例は過去に腐るほどあります。でも、改ざんとなると前代未聞。歴史的に見ても稀有だと思います。 2009年に成立した公文書管理法では、1条で意義をこう説明
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