◇復興に役立てたい−−佐々木勝宏主任専門学芸員(50) 東日本大震災後、県立博物館では、津波に襲われた古文書や建造物などを修繕する「文化財レスキュー」事業に取り組んでいる。県教委によると、同館では昨年4月以降、文化財など約8万3000件(3月末現在)を長期間保管できる状態にしてきた。同館で主に古文書などの修復にあたった佐々木勝宏主任専門学芸員(50)に文化財保護への思いを聞いた。【安藤いく子】 −−文化財レスキューとはどういう取り組みですか。 沿岸部にあった多くの古文書や建造物など貴重な資料が津波に襲われ、水や泥などにまみれてしまいました。県内の文化財担当の職員だけでなく、他県からの職員や、ボランティアなど大勢の人が駆けつけてくれました。泥などを落とし、塩分を抜きフリーズドライで劣化を防ぎ、殺菌処理などを施しました。原形をとどめていないものは新しい紙で修復するなど大がかりな修理が必要なもの