基本的に大関・横綱が引退した際には普段の場所評とは別に記事を立てて感想・論評を書いているが,日馬富士は引退が曖昧であったのでタイミングを逃してしまっていた。かなり時間が経ってしまったが,いよいよ踏ん切りをつけようと思う。実はその他,関取の引退もその場所の評の末尾につけているのだが,これも翔天狼・阿夢露・北太樹と書かないままさぼっているので,彼は名古屋場所の時に書ける範囲で書いておきたい。 日馬富士,本名ビャンバドルジは安馬の四股名でデビューした。2001年に16歳で初土俵,以後は2004年に新入幕であるから出世は早かったが,そこから三役までの道のりがやや長かった。当時の印象は軽量の割に攻撃力があるが,軽量の弱点そのままに脆く,立ち合いが汚く変化も多いというくらいであった。後に横綱・大関となる力士の場合,三役までは早々に到達するが,上位定着から3場所33勝までが長いということの方が多いので(